zero
このzeroは、この作品の序章部分が完全に一人称?視点で描かれている為に、序章以降の描写方法との差異を自然にする為に18話ぐらいになるはずだったものを引っ張ってきたものです。
17話以降はなるべく第三者的?視点による執筆方法に変更されています。
そんな理由から引っ張ってきた物の為、読んでいただくのは寧ろ、17話が終わった後の方がいいかもしれません。この話は、形式的に引っ張ってきた方がいいかと思った為、一応持ってきた、という感じです。
ご理解の程、よろしくお願い致します。
…何処だろう、ここは。
なんとも言えない…味わったことのないレベルのリラックス状態。
肺が違和感を訴えている。
水の中で始めて呼吸をしたような、そんな感覚の中…目を開けた…かもしれない。
かもしれない、を付けたのは…目を開けたのか…解らないから。
目を開けた過程は認識出来なかったのに、目を開けた結果は認識出来た。
自分でもどうなっているのか、よくわからない。
目の前にはのどかな青空に草原…かと思いきや、視界の両端には別の風景がちらりと見えた。
右に視界をずらすとそこは、暗い、何処までも下に落ちて行ってしまえそうなほど深い、黒い海。
時計回りに次の風景を見ると、そこはただの白い空間…地面があるのか、天井があるのか、この風景の限界はあるのか…何もかもが解らない、白紙の空間だった。
最後の景色を眺める為、右を見ると…一番最初の、草原の景色が視界に広がった。
…オカシイ。
もうひとつ、どんなものか解らないけど、あるはずなんだ。少しだけど、見えたんだ。
……あれ?あったっけ?そんなの?解らない解らない解らない解らない解らない…。
??「なんだか凄い夢ね」
何処から現れたのだろうか、自分の前方に立っていた誰かの声によって、自分に戻る。
??「余裕、安心、安らぎが確かにある光の部分」
草原に寝っ転がり、誰かがそう呟いた。
??「どこまでも暗い海…とてつもない不安、心の闇、押しつぶされそうな恐怖…有る意味では、海の底に沈んでいきたい、という願望を現しているのかもしれない闇の部分」
かと思うと、いつの間にやら、暗い海の上を歩いている。
君は…メア?…メアって、誰だっけ?
声を出そうにも…出ない。出したはずなのに、出ていない。
メア「…ああ、喋れないでしょ。というか、考えられてる?」
……頷いた?
メア「へぇ…まぁいいわ、次々〜」
一瞬感心した様だったが、メアはまたも姿を消した。
メア「何処までも白い空間……なにもしたくない、なにも考えたくない…そんな果てなき虚脱感。ぼ〜っとしていたい、一日中寝ていたい…これは私も賛成かしら」
白紙の空間でただ立ち尽くし、目を閉じながら…気怠げにメアはそう言った。
メア「最後は……へぇ……貴方、ここになにがあるのか、解らないでしょ」
問いかけてきた訳では無いらしく、此方に見向きもせずに語り出す。
あるはずの《そこ》。
《そこ》に居るはずのメアの姿は、認識出来ないのに、なぜか此方を見ていないことを感じ取った。
メア「ここにはなにがあるのだろう……そんな、果てなき疑問。解けるはずがない。存在するのかさえ、解らないんだから…。もし答えがあるのなら…………やっぱり言〜わない」
草原に姿を現したメアが、イタズラを成功させた子供の様に、舌をペロッと少し出した。
可愛い。
メア「…ロリコン?」
発言したことに驚いたのか、言われた言葉に驚いたのか、驚愕の表情で頬を赤らめたまま、メア何処かへと消えていった。
メア「……ねぇ、貴方も外から来た人なんでしょ?…こっちに来てからのことでいいから…教えて。」
お願い、というより明らかに命令口調の少女。
言われるがまま……彼/彼女はゆっくりと口を開いた。
8月2日
今の描写風に直しました。、や…、。の位置や、軽く描写をいじっただけですので、大して変わっていません。
2015年12月4日
また、最初期は…や。や改行の存在を良く理解していなかった為、多少おかしなことになっています。
少しずつ上達している…はずですので、描写が気になるという方は総集編付近から見始めて下さい。宜しくお願いします。