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手紙
家に帰ると、執事が待っていた。
「旦那さま、お手紙が来ております」
「ふむ、どこからかな」
「ラグストンシャー伯爵様からで、ございます」
「ほう。貸してくれ」
私は着替え終わると、執事から手紙を受け取る。
封は、確かに、紋章院で確認をしたラグストンシャー伯爵の紋章そのものだった。
調べていることでもバレたのだろうか、それとも何かあるのか。
「ふむ、なるほど」
「どうされましたか」
「お茶会のお誘いだ。ぜひとも出席しなければな」
それから私は執事にペンと紙を用意するように告げる。
それと蜜蝋も。
手紙を書き終わり、蜜蝋を溶かした上で、指輪を押し付け封をする。
「これを出しておいてくれないか。それと、私の日程に追加を」
執事を見ながら、私は言った。
「2週間後の月曜日、ラグストンシャー伯爵の家に招かれた」