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大広間
考えている間、時間が経つのも私は忘れていたようだ。
コンコンコンと、扉がノックされる。
「どうぞ」
私が声をかけると、執事が部屋の扉を、ゆっくりと開けた。
「侯爵閣下が、ご夕食の準備が整ったことをお知らせせよとおっしゃられたので、お迎えに参りました。いかがいたしますか」
「ああ、今向かおう」
そういって、私は容姿を整えて、執事についていくことにした。
「こちらでございます」
メインホールなのだろう。
いわゆる大広間だ。
私があてがわれた部屋の扉よりも、1.5倍ほど大きな木製の扉である。
中は、本来ならいくつも置いてあるであろうテーブルが、今日に限ってだろうか、1つだけである。
上座にはすでに、おそらく初代侯爵の肖像画であろうが、絵画の前に公爵が座っていた。
「こちらへどうぞ、お座りください」
執事に案内されたのは、彼から見て左側、窓を背にするような位置である。
「どうも」
部屋の広さからいって、主人たる侯爵を含め25人ほどが会食できるだろう。
侍女らは7人おり、執事はその数に含まれているが、すぐに部屋の外へと出ていった。




