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自問自答
ひとしきり談笑を楽しみ、ディナーまではしばらくあるとの侯爵の言葉で、私は自室へと辞去した。
「ふぅ」
締めていた緊張感から解放され、私は思わず息を吐く。
そして、この時点で、彼が本物であるかどうかの結論は出ていたが、それはもうしばらく先に再び考えることにする。
あとはそれを怪しまれないように補強を続けるだけだ。
無論、彼がどう考えているのかはわからないし、彼が高等教育を受け、確かに表面も内面の一部も間違いなく侯爵としてふさわしいのは間違いない。
しかしながら、それは、血筋も重要である。
貴き血筋でなければ、特に世襲貴族であればなおさらのこと、そうでなければならない。
それが違うとなれば、それは身分詐称である。
だが、と私は自問する。
ベッドに腰掛けつつ、適当にテレビをつけた。
相変わらずつまらないニュースを垂れ流し続けている。
彼が真の血筋ではないという証拠は、今のところ持っていない。
もしかしたら、分家の分家あたりなのかもしれない。
そう考えると、彼自身のDNAがどうしても欲しいところである。
だが、それがどうにも手に入る妙案は、私は思いつくことができなかった。




