レモネード
城の中に通された私は、まずは、ということで部屋へと案内されれる。
「お疲れでございましょうから、こちらのほうで、冷やしたレモネードなどをご用意いたしました。ご賞味ください」
「ありがたく頂きます」
私は部屋に入ると用意されていたコップに、リーバラック侯爵直々にレモンの輪切りが3切れ入った、氷と水のピッチャーから、ガラスでできたコップへとレモネードが移される。
わずかに炭酸が入っているのが分かる。
プチプチ、というよりぴちぴちといった感じの音が、心地よい。
「では、頂きます」
一口、二口と飲むにつれ、はっきりとレモンの香りが鼻を突き抜ける。
それどころか、花家の真ん中に立っているかのような雰囲気名ほど、強烈なレモンの香りだ。
「いいところのレモンを使っているようですね。とても香りが強い」
「ええ、イタリアにあります、友人がしておりますレモン畑から直輸入しております。他のレモン畑とは一線を画した味の濃さを自負しております」
「確かに。ここまで濃いのは初めて飲みました」
そう言っている間にも、爽やかな風が、半分ほど開けられた窓から吹き込んでくる。
「涼しいですね」
「そうですね。広場となっているため、風がよく通るのですよ」
確かに、周囲は田園風景で、古き良き田舎といった風景だ。
それゆえに、風が目でわかる。
小麦が、爽やかに揺れているが、まだ青々としている。
「それでは、ごゆっくりと。またお呼びいたしますので」
「ええ、それではここで待っております」
そう言って、リーバラック侯爵は去って行った。




