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城
車は、なんどか赤信号に引っ掛かり止まったのを除けば、特に支障はなかった。
約1時間ほど走り続けると、周囲の景色もどんどん変わる。
都市部だった初めの15分、それから一気に農村地帯へと変わった。
もはや別世界といってもいいほどだ。
「到着いたしました。リーバラック侯爵閣下の居城でございます」
そこは、石垣が縦横無尽に積まれており、所々には衛視が立てるような高い場所がある。
見張りやぐらのような感じだ。
通ってきた道は、いざとなった時には、跳ね橋として機能できるようになっていた。
跳ね橋の下が濠で、そこそこな深さがあるようだ。
城の車寄せにピタリと止まると、私を下ろしてくれる。
扉を中心に、左右に侍女や家人が勢ぞろいしている。
そして、扉の前に1人、スーツ姿の男性がいた。
「ようこそ、お待ちしておりました」
その男が挨拶をしてくる。
その人こそ、この城の持ち主であるリーバラック侯爵だ。




