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魔水晶女王(俺)は魔王の一人である  作者: ちゅーに病魔
1章 魔水晶女王(俺)と最弱少女(リリウム)
12/30

水晶の王女様と少女

感想どうも。




クロロを過労死させる勢いでこき使い、行きとは比べ物にならない早さで戻って来ましたクリスタルの森。


見渡す限りクリスタルクリスタルクリスタル。


木も草も土も鳥も虫もクリスタルだ。


青い太陽にが反射するクリスタルが眩しいぜ。


きっと、ここならなにかしらいい生き物がいるに違いない。うんうん。


「きゅー…」


小脇に抱えていたリリウムちゃんは気付けば可愛く気絶していた。


「ほれ、リリウムちゃん。起きろなんかしら魔物を使役するんだろ?」


「きゅー………は!ここは誰?私はどこ?」


「クリスタルの森だぞ?リリウムちゃん」


「そうですか…明るくてキラキラして素敵なところですねぇ…クリスタルの森、御伽話でしか見たことかなったので始めてみましたよ…本当にあったんですね……クリスタルの森…そうクリスタルの森……………………クリスタルの森!!!?」


気付くまで大分かかったな。


「な、な、な、なんでこんなところにぃぃぃ!?魔王領じゃないですか!?」


「うん。そうだね」


俺のホームでございます。


「殺されちゃいますよ!?魔王ですよ魔王!!魔王の直属の配下の魔物ですら王都の騎士団やハンターズギルドのSランクでもなければ相手にすらならないのにぃ!!」


リリウムちゃん、アホの娘の割には詳しいのね。


へー、やっぱりハンターズギルドとか有るんだ。


「問題ないと思うぞ?それに水晶の王女様に会って旅するのが夢なんだろ?」


一声掛けて貰えれば行きますが何か?


「うぅぅぅ…無理ですよぉ…私みたいな子なんて見た瞬間、鼻で笑われて殺されちゃいますよぉ…」


時々弄られながらリリウムちゃんの家の家庭教師やって宿題手伝ってますけど何か?


「俺、そいつの居場所知ってんだよね。というわけでレッツらゴーだ」


いつまでも自分を隠すのは寝覚めが悪いからな。


リリウムちゃんぐらいには教えてもいい気がする。


「え?ひゃぁぁ!?」


またリリウムちゃんを小脇に抱えて今度は走り出した。















目の前に巨大な鏡がある。


俺が最初に見ていた鏡のような巨大なクリスタルだ。


最初と違うところといえば、リリウムちゃんと並んで立っている事と俺がメイド服を着ていることだろう。


「ここで水晶の王女様は生まれたんだぞ?」


「そうなんですか…ってなんでそんなこと知ってるんですか?」


まあ、少ししか一緒に居ないが解る。


リリウムちゃんはとても優しい、それに性格も良い、嫁にするならこういう娘がオススメだな。


俺が魔王だと知っても一緒に居てくれるだろうか?


いや、普通なら無理だろう。


だが、それでも…この娘にだけは嘘をつきたくなかった。


ダメなら俺が出ていくまでだ。


「なあ…リリウムちゃん。俺の本名知りたいか?」


「え?良いんですか?私に教えても」


「嫌いにならないか?」


「嫌いになんてなりませんよ」


リリウムちゃんは笑顔で頷いた。


「そうか…俺はなぁ…魔水晶女王(クリスタル・ノヴァ)っていうんだ」


言った言ってしまった……もう後戻りは出来ない。











師匠に抱えられて来た洞窟の一番奥にはとっても大きな鏡のようなクリスタルがありました。


綺麗です…。


「ここで水晶の王女様は生まれたんだぞ?」


「そうなんですか…ってなんでそんなこと知ってるんですか?」


師匠は凄いですけどまさかクリスタルの森にまで入れるなんて予想外です。


「なぁ…リリウムちゃん。俺の本名知りたいか?」


え?教えてくれるんですか?嬉しいです!


「え?良いんですか?私に教えても」


「嫌いにならないか?」


そんなことあり得ませんよ。


「嫌いになんてなりませんよ」


私は師匠の事大好きですよ。


「俺はなぁ…魔水晶女王(クリスタル・ノヴァ)っていうんだ」


クリスタル・ノヴァさん?不思議な名前ですね。


「クリスタル・ノヴァ、ステータス」


ふふふ、これで師匠のステータスがいつでも見れますね。名前を言うか本などで一度知れば相手を見ながら思うだけどステータスが見れますからね。




魔水晶女王(クリスタル・ノヴァ)


ランク:SSS


身体値:530000

魔力値:530000


スキル:

《魔水晶女王》

《魔水晶魔法Lv99》

《火魔法Lv99》

《水魔法Lv99》

《風魔法Lv99》

《土魔法Lv99》

《闇魔法Lv99》

《光魔法Lv99》

《魔王》

《女王道》

《魔水晶生命創造》

《迷宮創造》




へ?ま、魔王…。




















「ま、魔王……」


リリウムちゃんは口をぱくぱくさせて暫く俺をジーッと見てからふるふると震えてぽろぽろと涙を流した。


ああ……失敗したか…やはり魔王は害悪でしか無いのか…。


「……です…」


ん?


「素敵です!師匠!本当に凄いです!」


「え?おわっ!?」


そう言ってリリウムちゃんは俺に抱き着いてきた。


「えへへへ~」


リリウムちゃんは微笑みながら胸に顔を埋めている。


「…怖くないのか?」


「なんでですか?」


首をかしげながら聞いてきた。


「俺は魔物の中の魔物、魔王だ。人間一人を指一本で殺せる程の化け物だぞ?」


その気になればそんな小さな体なんてすぐに潰れてしまうだろう。


「それでも師匠は師匠ですよ」


「俺は俺?」


「師匠は森で私を助けてくれて私の師匠と家のメイドになってくれました。しかもいつも優しいし、料理も美味しかったし、頼んだら服も着てくれました。それに今も宿題も手伝ってくれています。そんな師匠が悪い魔物なわけないですよ」


「リリウムちゃん……」


リリウムちゃんは本当にいい娘だよ……本当に…でもなぁ…これだけは譲れない。


「俺はメイドじゃなくて家庭教師だぞ?」


「…………え?」


なんだそのコイツ何いってんの?そんなこと初耳だし、的な表情は…俺はメイドじゃない、なんと言おうとメイドじゃない、メイドじゃないったらメイドじゃない、これはメイド服じゃない…そうだきっと住み込みのお手伝いさんだの奉仕活動用の正装だ。うんうん。俺は住み込みのお手伝いさんだ。


え?それを世間一般ではメイドと言う?そんな常識……修正してやる!


「あのー…師匠?」


リリウムちゃんが上目遣いで俺を見てきた。


くっ…なんだこの可愛さは!?静まれ!俺の右腕!静まれ!


ナデナデ


ゴメン…静まらなかった…。


「なんだ?」


「い、いつか旅に出るときは私も連れてってくれませんか!」


そんなの決まりきっているじゃないか。


「喜んで」


「やったぁ!!」


そう言ってリリウムちゃんはまた顔を胸に沈めた。


まあ、それ以前に宿題を終わらせないとな。















この時、俺はまだ知らなかった。


この後に起こるリリウムちゃん"達"との旅が全人類規模でとんでもない事になるとは。






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