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妖怪のいぶき  作者: 槐妖
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第十四夜 「天然」

彼女は春真っ盛りな季節に生まれた。

名前は春…在り来りだが私は気に入っていた。


そして私は春の傍に何時も居た。

ある日春にこう言われた「あんた名前は」と…私が無言のままいると、春は私が名前をつけてあげると言った。

自分の名前が春だから、あなたはうららねと…安易な発想をサラっと言った。

けれど、意外にも気に入ってしまったのだ。



そして、数十年を経た今も片時も春の傍を離れる事なくゆっくり時が過ぎていった。

彼女は年齢のせいか病で昏睡状態に陥っていた。


布団に横たわる春…直視出来なくて瞼を閉じた。

こんな感情初めてだ。


春との数十年間の思い出が雪解け水のように溢れ出す。

再び瞼を開けた時、春は私を見詰めニコッと笑い「あなたは相変わらずね、羨ましいわ。あなたが男だったら惚れてたかも…今までありがとう。そして、幸福だったわあなたに出会えて…」そう言い終えると静かに目を閉じた。


目尻には一滴の涙が光っていた。


人の死とは何度経験しても嫌なものだ。けれど、春。

私は男だよ…人間ではないけれど…


そんな天然な君が…



今回の妖怪:座敷わらし、古い家に住み着く精霊的な存在の妖怪。男女両方の目撃談があるが有名なのは女の子の姿だろうか。住み着いた家には幸運が訪れるとされる。

今回は僕の個人的な人が亡くなった時の感情を盛り込んでみました。

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