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『クリスマスイブ』と『条約違反』

あらすじ

12月24日のクリスマスイブ、二人はインナが自宅にしたホテルの最上階スイートルームを訪れます。全面ガラス張りの窓から見えるソウルの美しい夜景と最高級のシャンパンに、サランは別世界に来たようでソワソワしながらも、シウと二人きりの特別な時間を満喫します。

12月24日、クリスマスイブの夜。

ソウルの中心部にそびえ立つ最高級ホテル『ホテルグランツトリニティズコリア』の最上階は、

下界の喧騒から切り離された静寂に包まれていた。

最高級スイートルームのドアを開けると、

目の前には、全面ガラス張りの窓から見えるソウルのきらびやかな夜景が広がっていた。

リビングの中央には、洗練されたオーナメントで飾られた大きなクリスマスツリーが輝いている。

「わあ……!宝石箱をひっくり返したみたいにキラキラしてる……!」

サランは窓辺に駆け寄り、ガラスにぴったりと額をくっつけて目を輝かせた。

前日に北海道から戻った彼女は、多忙なスケジュールにもめげず、テンションが高かった。

ドレスアップした彼女の耳元で、

あの小樽のガラス細工のピアスが夜景の光を反射して、かすかに揺れている。

「本当に綺麗だね」ラフなタキシードをさらりと着こなしたシウが、

グラスを二つ持ってサランの隣に並んだ。

インナから手渡された最高級のシャンパンが、グラスの中で繊細な泡を躍らせている。

「それにしても、お義母さんは本当にここを自宅にしてしまったのですね。まるで映画のセットみたいです」

「はは、母上らしいよ。僕たちにスイートを一部屋空けておくって言ったのも、どうやら本気だったみたいだしね」

シウは苦笑しながら、サランにグラスを一つ手渡した。

二人は夜景に向かって静かにグラスを合わせた。

「メリークリスマス」

「メリークリスマス」ひとくち口に含んだサランは、ふわりと頬を緩ませた。

「美味しい。でも、なんだかこの部屋にいると、自分が別世界に来たようで、ソワソワするの」

シウはそんなサランの様子を愛おしそうに見つめ、彼女の背中を優しく撫でた。

「二人きりなんだから、緊張しなくていい」

サランは嬉しそうに微笑むと、ごく自然にシウの肩にそっと頭を預けた。

ユン屋敷で『マシロ』と『でんすけ』に囲まれて過ごす日常も大好きだが、

こうして特別な夜に、二人だけで過ごす時間は何よりも尊い。

しばらく静かに夜景を眺めていたサランが、ふと思い出したように携帯を取り出した。

「お留守番しているマシロとでんすけは、寂しがってるかも」

「大丈夫だよ。今頃あの二匹は、クリスマス過ごしているよ。屋敷の床暖房もちゃんとつけてあるしね」

サランは携帯のペットカメラで2匹が寄り添って寝ているのを確かめた。

それから新しく壁紙にした、

サンタの帽子をかぶせられた愛猫たちの写真を見て、

クスクスと笑った。

シウはサランの腰にそっと手を回し、引き寄せた。

「条約違反だよ?」

「無条件降伏するよ」

「じゃあ許す」

サランは耳を真っ赤にしながらも、窓の外の夜景を眺めた。

ソウルの夜空に輝く満月が、優しく照らしている。

部屋のオーディオからは、サランが作詞した『Bright Moon』の切なくも美しい旋律が、

柔らかな音量で流れている。

シウは『Misty』 から『Bright』になったのだと思った。


今後、記載する表現に関して、常識に基づいて気をつけて参りますが、

もしもを考慮して15歳未満閲覧非推奨を設定させて頂きます。

こちらに何か落ち度がございましたら、お知らせ願います。


※作中のメインキャラクターは日本語も韓国語も話せる設定となっておりますが、読む側を考慮して日本語表記にしております。キャラクター達は場面に応じて言語を使い分けているとご理解願います。


参考データ

※ユン・シウ…小説家25歳

※カン・サラン…女優志望のアルバイト20歳

※ソン・カナン...女優。カン・サランの芸名。ソン・インナに名付けられた。

※ソン・インナ…女優、シウの母親

※ユン・ジュンソ...シウの父。総合映像制作会社S.S.Iの会長

※ユン・ヒョヌ...シウの異母兄。ソヒョン・チョヨンの恋人。S.S.Iの後継者

※イ・ソジュン...シウの親友。Juringエンター専務。子犬の幼顔と低音ボイス

※イ・ウジン...映画監督。『残酷な美しさ』『私にキスできますか?』

※パク・ドユン...映画監督。シウの親友。Juringエンタ常務。映像制作部部長。

※イ・ダイン...『私にキスできますか?』ヒロイン

※キム・ソヒョン...シウの元恋人『Love Hunt』プロデューサー。

※キム・ソンミン...キャサリン。薔薇組第二夫人。数千万ウォンの身体を誇る

※ハン・チョヨン...女優『私にキスできますか?』イ・ダイン役

※ハン・ジヨン...女流写真家。奇跡の1枚を撮る「アメイジングメーカー」

※ナ・ジウ...薔薇組音響アシスタント。通称小枝。


※虹の薔薇組...ドユンのハーレム軍団。精鋭撮影チーム。

※佐藤直樹...ユン・シウの祖父。伝説の投資家。

※佐藤志乃...ソン・インナの本名。

※天翔樹林...ソン・インナのシルフィード歌劇団時代の芸名。

※涼風小鳥...中村綾。サランの母親。

※中村綾...サランの母親

※トリニティG...韓国最大の財閥グループ

※S.S.I...総合映像制作会社

※Juringエンタ...芸能事務所兼資産管理会社。会長インナ。社長シウ。

※アトリエ・ノア...中堅芸能事務所。サランことカナンが所属していた。

※『Love Hunt』…ネット配信の恋愛リアリティ番組

※『私にキス出来ますか?』…シウ作の小説

※『ずっと僕は君を』…シウ作の小説

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