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 聞いたことない、珍しい病気① Kallmann症候群


書斎でドクトルと、ルシフェルが話している.彼らの話は海丸君と、キューピーも聞いていることが多い.勉強になることもあるし、よくわからないことも多い.


 大体はドクトルが、勉強したことの話題を提供して、皆で勉強する、と言う感じである.ルシフェルは、黙って聞いていることが多いが、意見を言うこともある.


 ドクトルの今日の話題提供はこんな感じである.

「毎日、ネットの医者向けのサイトで、医学クイズをやっているのですけど、今日の問題は、こんなのでした.」


「成人期に低身長になる病気はどれか,二つ選べ」という問題である.

選択肢には、

1. Turner症候群

2. Marfan症候群

3. Kallmann症候群

4. アロマターゼ欠損症

5. Prader-Willi症候群

と五つの病気が書かれていた.

「考えてみました.マフファンは高身長になるというのはほぼ常識で患者さんをみたこともあります.あ、このひとはそうなんだろうか?と思って患者さんを見ることも多いです.」


「そうだな、結構有名人でも多いかもしれないね、この病気は」ルシフェルも同意する.

「あと、Turner症候群、これは、思春期が早くきて、すると骨端軟骨が早く閉じて、成人機の身長は低くなるのではなかったか、と朧げながらわかっていたので、これは選択肢かな、と思いました」

Turner症候群は染色体異常で、低身長と、卵巣の形成異常が起こる病気らしい.低身長は、女性ホルモンで、骨端軟骨が、閉じる以前の問題らしい.診断には、低身長と、女性ホルモンの不足により起こる症状が重要らしい.

思春期早発はドクトルの勘違いらしい.そもそも女性の第二性徴が見られないのがこの病気の特徴である.


「うむ.この病気はなんか聞いたことがあるかも.病態について、そんな気が俺もする」

「残りの病気なんですよね、問題は・・・」


「Prader-Willi症候群?floppy infantの鑑別診断に入る病気でしたっけ?学生時代に、少しだけ勉強したことがある気がするのですが.floppy infantの勉強をポリクリでして、出てきた気がするのですが、病態とかあまりちゃんと勉強してなかったから本質的なことはよくわかりません.」


「それは、おめえ、ちょっと勉強がたりないな!」とルシフェル、こと鬼丸厳一郎先生が威張るので、

「え、じゃ鬼丸さんは、知ってるのですか?患者さん、みたことあるんですか?」ちょっとむきになってドクトルが言った.


「俺は、もちろん、知らないし、勉強をした記憶すらない.しかもそんな病気、みたことも聞いたこともない.そもそもアルファベットやら、カタカナがこのように並んでいるのをみたことすらない」

(なんだ、教科書も読んでないのか・・・)


海丸君と、キューピーはドクトルと、鬼丸さん議論を少しワクワクしながら聞いていたのだが、

「なーんだ、やっぱりルシフェルのおじさん、知らないのか」ちょっとがっかりで、ちょっと納得である.オリンポス代表、最高神にして、その程度か.するとドクトル、現代日本の代表の方が、よっぽど勉強しているということになるか?

あるいは、オリンポス代表のレベル、そもそも結構低いかも・・・

なんせ、ルシのおじさんだから・・・・

(こうなったら、海丸君、頑張れ、オリンポスの神々の誇りと、僕らの期待を背負ってくれ!)というのはキューピーの心の声である.


「で、この病気、身長のこと云々という問題よくわかりません.大きくなる前に亡くなる病気かもしれないし、と考えて一応選択肢から外してみたのです」気を取り直してドクトルが続ける.


それで、聞いたことのない病気が、アロマターゼ欠損症と、kallmann症候群だったのですが、どっちかだろうと、選んだのが、カルマン症候群だったのですが・・・

「結果的に、アロマターゼ欠損症でも、カルマン症候群でもなかったのです.」


アロマターゼ欠損症は、エストロゲンの合成が悪いから、骨端軟骨の閉鎖が遅れて、成人になった時の身長は高めになる.kallmann症候群も、ゴナドトロピン刺激ホルモンを分泌する視床下部の、神経内分泌細胞の移動だが、形成異常で、ゴナトトロピンの不足から、思春期早発とは逆のことが起こり、結果的に、成人になってからの身長は高めになるらしい.この病気のもう一つの特徴は、嗅細胞(嗅神経)の移動とか、形成異常もあるから、無嗅覚症アノスミアとか、嗅覚低下もおこるらしい.遺伝子異常がたくさん列記されていたがここまで来るとお手上げ、全面降伏である.


ネットから引いてきた、遺伝子異常を列記してみよう.つまらん、プライドを捨てて、皆の勉強のためだ.ネットからまるパクリである.


『Kallmann症候群(カルマン症候群)の遺伝子異常は、KAL1 (ANOS1), FGFR1, PROKR2などの遺伝子変異が原因で起こり、視床下部からの性腺刺激ホルモン(GnRH)分泌に必要な神経細胞の移動と嗅神経の発達が阻害されることで、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症と**嗅覚障害(無嗅覚症・低嗅覚症)**を合併する遺伝性疾患です。遺伝形式はX連鎖性、常染色体優性、常染色体劣性など様々ですが、原因不明のケースが8割以上を占めるとされています。

主な原因遺伝子と機能

KAL1(ANOS1):X連鎖性で、嗅神経とGnRHニューロンの発生・移動に関わるタンパク質(Anosmin-1)をコードします。この変異で神経の接着や軸索伸長が阻害されます。

FGFR1(KAL2):常染色体上にあり、FGF受容体1をコード。神経幹細胞の増殖・分化を促進し、KAL1と相互作用します。

PROKR2:プロラクチン放出ホルモン受容体2をコードする遺伝子で、Kallmann症候群の原因として知られています。

遺伝形式と特徴

X連鎖性(KAL1遺伝子):男性で発症しやすく、治療で子供をもうけた場合、男子は遺伝子を受け継ぐが発症せず、女子は保因者となる(メンデルの法則に従う)。

常染色体優性・劣性:FGFR1など、他の遺伝子変異によるもの。

遺伝子異常が不明なケース:80%以上は原因遺伝子が特定されていません。

病態メカニズム

これらの遺伝子異常により、嗅覚を司る嗅神経と、性腺刺激ホルモン(GnRH)を分泌する神経細胞が、発生初期に嗅板(olfactory placode)から視床下部へ移動する過程で障害を受けます。

結果として、嗅球が形成されず嗅覚障害が生じ、視床下部からのGnRH分泌が不足して**性腺機能低下症(思春期遅発・不妊)**を引き起こします。』



「へー、面白いな、身長が伸びるとか、伸びないかが、性ホルモン骨端軟骨の早期の閉鎖に関与しているというのは.それに、神経内分泌の分泌の機能とか、嗅細胞の異動とか形成に関係している遺伝子がこれだけあるというか、見つかったというのも驚きだな・・」ルシフェルは感心している.この人、知的な好奇心はなかなかである.それについては尊敬すべきだと思う.


「ええ、でもアロマターゼ欠損症では、エストロゲンの合成ができなくて、骨粗鬆症になりやすいみたいですね.骨とか軟骨の代謝って結構我々にはむづかしいですね」


「で、そのプラーダー、何とかという病気は、なんで、身長が伸びないんだ?」ルシフェルの質問は最もである.


「解説には書いてなかったですね.内科の教科書とかで勉強してみます」
















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