ポセイドンの恋③「そして、子供を抱えてオリンポスへ」
ポセイドンは一学君を伴ってオリンポスに帰った.
身内の反発はなかった.
王妃のアンピトリテは、日本の女が産んだ、子を我が子のように可愛がった.
彼女が産んだ、兄弟の王子たちも、母と離ればなれになったこの幼い弟を慈しんだ.
トリトンは、深海の神と呼ばれる.穏やかそうに見えて、彼が吹く法螺貝は海の荒らしを沈めるという.
もう一人の、王子はプロテウスである.彼は賢者と呼ばれる.未来の出来事がわかるので、海の長老と呼ばれた.いろんなものにものに変身することが出来た.控えめな人で、彼は予言の力を使うことを好まず、その力を引き出すには彼を無理やり、捕まえで、予言をさせるという乱暴な手続きが必要であった.そのたびに彼はいろんなものに変身して、逃げ回っていたらしい.
王妃の父である、ネレウスも知恵者で長老と呼ばれる.幼な子は、この人と、プロテウスから主に学問を学んだ.
東洋から来たこの幼な児を、海底宮殿のものたちは大事に育てた.彼はすくすくと育った.
兄の一人に朴訥な、オリオンもいた.幼い頃には、狩や潜りを教えてもらった.
身内の人は皆いい人が多かった.ただ一人を除いては.
ポリュフェーモスは身内の問題児であった.キュクロープスの島に住む、ならず者である.ゼウスに雷電を寄進した、あの鍛冶屋のキュクロープスとは全く異質の一つ目巨人である.
オデッセウスがトロイヤから帰還途中に、彼らを捕まえて、二人ずつ食べてしまう、などという暴挙に及んだものどもの首領である.ネレウス、プロテウス、トリトンたち皆、あいつにだけは会いに行くなと言っていた.幼な子はそのつもりであったが、
ある時、何かのきっかけて、ポリュフェーモスと出くわした.
「おいちびっこ、お前、誰の子供だ?」
「私の父は、ポセイドン!」
「ほお、じゃお前、おれの弟だ、可愛がってやるからこっちゃこー」
「兄上は、評判が良くない、日々悪いことをされていると聞く.なぜ、父上のお名を汚すようなことをなさる」
「ちびっこ、お前、生意気だな、懲らしめてやるからこっちゃこー」
「何を!」と彼はちょっと頭にきたので、この兄というならず者を逆に懲らしめてやることにした.
何やら呪文を唱えて、たちまち龍に変身したちびっこは、このならず者を散々に懲らしめた.ついでにそこらの山をいくつか吹き飛ばしてしまったから、オリンポスの最高会議で大問題となってしまった.
最高神に言われた.「ポセイドン、お前んちのあのちびっこ、あの東洋から来たという、どうにかならんかね?」
「確かに、あれほどの力を秘めているとは、思いもよりませんでした、龍神の力は封印しておくにしかずでしょうかね」父のポセイドンは釈明に困った.
宮殿に帰ってから、父上からの説教されている時、彼はいう
「父上、このギリシャの地、皆様、色々と世話をしてくれるし、悪いところではないかと思います.しかし、何か、感じるのです、居心地の悪さ、みたいな、私の中に流れる日本の血が何か、感じるのはこう表現の仕様のない違和感と申しましょうか・・・何卒私に、東洋で学ぶ機会を与えてはくださいませんでしょうか」
ということで、また母の住む、日本に戻ることになったのだった.
「ただし、お前の母親は、山の中で誰とも交わらず、クマと、イエティだけ相手だと学問が遅れると、それだけを心配していた.しっかり学問のできるところに行くことになるが良いか?」
「はい、それはもとより承知しております」
ということで海丸くんは日本にやってきて、別館に下宿して、人間の学校に行くようになったという事情らしい.




