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ティタノマキア②「クロノス錯乱」 

 ドクトルはここまで書いてみたが、どうもしっくりこない.文章の流れというか、読み返してみて、ぎこちない感じがする.


「うーん、まだ、私の上にはムーサは降りてきませんね」とドクトルがいう.

「どうした、何か困ったっことでもあるのかい?執筆に行き詰まったかい?」ルシフェルが漫画を置いて、気にかけてくれる.


「いえね、ティタンとの戦争、ティタノマキアのこと調べて、書いてみようと思うのですが、あまりたくさんの神様がいて、それぞれの関係が整理しきれていないのですよ、書いた文章、どうも上手くないのですよね」


「ほおどれどれ・・・」ルシフェルに書いた文章を読んでもらう.

「なになに?」と静香も興味を示して、自分の勉強を置いてよってきた.


「オリンポスの神様以前の神様のこと色々調べて、書いてみようと思うのですがね、

文章ぎこちないでしょ、これではPVは増えませんね・・・」


読んだルシフェルがいう「確かに、これはひどい、稀に見る駄文だ」

「あ、ほんとだ、小説のていをなしていないというか・・・」と静香

二人とも人の気も知らないで、批評だけは辛辣極まりない.

「なんか助言とかくださいよ」ドクトルの泣き言である.


「ま、頑張りな」


と二人には冷たく突き放されて、それでもドクトルは頑張って続きを書く.


雪割草たちにも励まして貰いながら.

しかし彼らは、励ましてくれるだけだ.

健ちゃんや、愛ちゃんに示す、神々の啓示のありがたい言葉はない.


「ドクトル、がんばれ!」

「ドクトル、雪たち、応援してるよ・・」

「ドクトル、大変だね・・・・」


ドクトルが、文句を言う.

「なんか、こう、お告げとか、啓示みたいな、ありがたいお言葉みたいなのないの?

そう言うの欲しいんだけど、応援はいいから」


「ドクトル、あなたには神々の言葉、まだ早すぎます」

「ドクトル、あなたは未熟です、まだ無理です」

「あなたには、まだ、時期尚早・・・」

「右に同じく・・・」


「け、なんでえ」と、思った.

「健ちゃん、愛ちゃんと扱いが違うじゃないか.」

ドクトルは自分で知恵を絞ることにした.


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ウラノスが地下深くに幽閉される時、クロノスに呪いをかけた

「お前も自分の子供に倒され、追放される」と.


この呪いにより、クロノスも狂った.あれだけ嫌いだった、父のウラノスと同じこと、いやもっとひどいことをした.


父から解放した、キュプロプスと、ヘカトンケイルを再び再び地下深くに幽閉した.


そして、

クロノスは生まれてきた、子供を次々と飲み込んだ.

妻のレアは、機転を効かせた.ゼウスが生まれた時、この子をよそに逃がし、頼れる神に預けた上で、産着で覆った、石をクロノスに飲ませた.


父から食われることを逃れた、ゼウスは、立派に成長して、母のレアとはかり、

騙して父に嘔吐を催させる、薬をのませて、兄弟・姉妹たちを順に吐き出させた.


次に行ったのは、キュプロプスと、ヘカトンケイルを味方につけることである.


祖母のガイアの助言では、

「キュクロプスと、ヘカトンケイルを地獄タルタロスから解放して、味方につければ、クロノスを破ることができる.」


彼らをタルタロスから解放し、晴れて自由の身とした上で、ネクタルとアンブロシアで饗応して、味方に引き入れることに成功した.


オリンポスの神々と、ティタンとの戦争、どちらも不死身の神なので、決着がつかない.戦は、10年の長きにわたったらしい.


3人のヘカトンケイルは、それぞれ100あるその腕で、礫を投げまくった.連続投石マシンである.ティタンの群れはさぞ、怯んだことだろう.


キュクロプスから貰い受けた、三種の神器


すなわち、


現世と冥界を行き交う霊魂のように姿を消せる、兜

大地を揺るがし、海を裂く、三又の鉾

天空に轟音と閃光を呼び、地上を焼き尽くす、雷電


ハーデスは姿を消すことができる兜を被り、ティタンたちの武器を奪って周り

ポセイドンは三又の鉾で大地を揺らし、

ゼウスは、雷電を次々に落として、電光でティタンの目を潰し、天界は崩れ落ちて、形勢は一気にオリンポスの神々が有利に傾き、彼らの勝利をもたらした.


ウラノスとガイアの最初の子供、オケアノスは、終始中立を保った.彼はウラノス追放にも与しなかった.

ティタン軍の主要な戦力となった、イアぺトスの息子たちは皆、オリンポスの政権の罰を受けて多くのものが、タルタロスに幽閉されたとのことである.


これが、ティタノマキアの概要である.


「ここで、オリンポスの神々、実際の兵力はどこから連れてきたのでしょうかね?

援軍は、どこからきたのでしょう?神話だから、実際に戦った、兵士は、神々で象徴されているのでしょうが・・・・」

ドクトルは続ける.

実戦部隊の、補給をどうしたかという問題と、ヘカトンケイルと、キュプロプスの役割なんですね、よくわからないのは、ガイアは、なぜ彼らを味方につければ、ティタンたちに勝利することができると知っていたのでしょう?」


ルシフェルが、謎解きのヒントをくれる

「一つ目の巨人はなんの象徴だと思う?」

静香とドクトルは考える

「私にはさっぱり・・・」静香はいう.

「一つ目の巨人?一つ目の神は、鍛冶屋の神・・・製鉄技術が入ってきたということでしょうか?製鉄の技術集団が、ギリシャに入ってきたとか・・・」


「そう、製鉄・技術集団の象徴、それがキュクロプスたちさ」ルシフェルが続ける.

 「記録に残らない、いわゆるギリシャの暗黒時代、小アジアから製鉄技術が、ギリシャの方にも入ってきた、と考えると、どうかな?」


「青銅の武器よりも、鉄器の方が、強度において強く、より先端を鋭利に加工できるとしたら・・・・」

「そう、当時の対立関係にある政権にとって、いかに製鉄技術集団を、味方につけるかが、喫緊の課題だったとすると・・・」


「なるほど、彼らを味方につけることで、戦況は一気に有利になる」

「なるほど、キュクロプスを味方につけた意味は製鉄技術者を味方につける、こういうことですね、すると、ヘカトンケイルは?」


「その疑問に答えるヒントがここにあるかもな.今、俺がみてた、この漫画、なかなか面白いな」

ルシフェルが読んでいたのは、「進撃の巨人」である.


「ほら、エレンの兄さんに当たるこの、ジークってやつが、変身する獣の巨人、武器がなんと石つぶてなんだ、俺の言ってる意味がわかるかい?何百のもの手で、石礫を投げられたら、どうなるかね?」


「あ、投石器みたいな武器が既に当時あって、大量に投石する武器と、それを操る集団、あるいは最先端の投石器を作ることのできる技術集団がいたとしたら・・」

「そういうことだと思う.」


「ヘカトンケイルは武器とか、軍隊、あと、彼らが戦争の後に行った、タルタロスの監視の仕事、つまり、軍隊・警察とか囚人を監視する役目、さ.軍事と警察の象徴ということなのかもしれないね」


「なーるほど、製鉄技術者と、武器を実際に操る、軍隊と、戦後の秩序を監視する警察の役割ということですね」


「そういうことだ」


なんらかの理由で、政権の交代があったギリシャ.骨肉の争いがあったかもしれないし、全く身内とは関係なくて、戦争状態になったかもしれない.民族同士の争いだったかもしれない.既存の勢力がいっとき、新興勢力を抑圧した.それが、クロノスの腹に飲み込まれた兄弟たち、と後よそに逃げおおせた、兄弟の一人というわけさ.新興勢力の方が、最新技術を導入することで、革命に成功したとしたら、頷ける.


「科学的な証明はできませんけどね、空想の翼を広げるのは楽しいものですね.」ドクトルはしみじみ言う.

「そういうこと」ルシフェルである.

静香も黙ってしきりに頷いている.


「ただいま」とはるなが入ってきた.海丸くんも書斎に入ってきた.

健ちゃんは歩いている、愛ちゃんはおねんねで、ママに抱っこされている.


「どこ行ってたの?」

「ムーサのコンサート」

ムーサはムネモシュネ学習塾の専属アイドルである.

(あ、それでか、私の上に降りてこないのは・・・ドクトルは勝手に書けないことをムーサのせいにした)

「後、おまけでプレアデスも出てた」あ、バーターというやつか.


「え?どこで?」

「商店街の仮設ステージ、ビールの箱とか、並べて、板乗せて、なんか危なっかしい感じだった」

「それとね、プレアデスのマイアがお休みだったの」健ちゃん

「いえ、なんでも息子さんが、補導されて・・・」ママ

「それがね、息子さん、大口の万引きをしたようで、黒毛和牛、50頭を一晩で盗み出して、後の証拠隠滅もきっちりやったそうよ」はるな


プレアデスは、アトラス建築株式会社の専属アイドルである.社長がゴリ押しで娘たちをアイドルデビューさせた.キャッチコピーは「全員人妻!」である.だから芸能活動よりも家庭が優先される.


(ひょっとしてその子供というのは息子下かもしれない・・)ルシフェルは黙っているがみんな知っている.マイヤの息子さんが、ヘルメスであることくらい、そしてその父親はルシフェルであることも.


「あ、そう言うの新潟にもありました、ねぎっこって言ってね、古町商店街で、簡易ステージで、コンサートするんですよ.そんでね、メンバーの誰かが、大学の試験勉強があるからってお休みしたんだ、学業優先なんだね」


アイドル活動の新しい形かもしれない.

いつもの賑やかな別館書斎の夕方である.










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