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海丸・成長の証③「若者のルシフェル論」



 もうそろそろ、ティタノマキア、つまり、神々の大戦争について論じたい、のだが.まだ、なかなかできません.


神々の大戦争を記述することに、合わせて、


ルシフェルがなんで「あんな」、なのか?を論じてみたいのだが.


「あんな」のとはつまり、


いい加減そうで、

そのくせ威張ってるし、

大食いだし、

怠け者で、ぐうたらで、全然お手伝いしないし、

根気がなくて、すぐに「疲れた」と言うし、

変に理屈ぽくて、議論だけは屁理屈で強い、つまり口喧嘩したら、ヘラ様以外は大体言いくるめられるし、そう、言い負かされるではなくて、言いくるめられるのである.

変に悪人ぶって、そのくせ、ええかっこしいで、目立ちたがりで

デリカシーがなくて、ズケズケと女の子を傷付けること平気でいうし

浮気性で、全然家には帰っていないというし、

そのくせ優柔不断で、奥さんとなかなか離婚に踏みきれないし、

浮気の相手には、それこそ、手足の指の数では足りない子たちに、奥さんとはそのうち別れるからとか、お前が一番好きだよとかいい加減なことを言って、女の子たちにその気にさせるようなこと嘘ついて、気を引こうとするし、

要するに若い女の子にもてたいと言う下心が見え見えなのだ.

・・・・・・・・・・

思いつくことをざっと書いただけでも、彼の性質を列記するとろくなことが出てこない.


問題は、「それでもなんで?」

彼の周りに神々とか精霊が集まり、

さまざまにいじられるが慕われるのか?

それは、兄弟姉妹に子供たちからの扱いも同じである.彼らも、ルシフェルのこと、散々にいじくりまわしながら、いまだに彼を最高神の地位に据えたままにしているのだから.

昔の「戦友」という神々は、皆、彼の頼みとあれば、惜しみのない、加護を与えてくれる.つまり、いいように取り計らってくれる.


要するになんでルシフェルは、いい加減そうに見えて、神々と精霊に好かれて、頼りにされて、どうかすると、尊敬されたり、祭り上げられたりするのはなんで?と言うことである.この答えを得るには、


「ティタノマキア」について、話を聞いてもらわないとダメだ、と思ったのだが・・・・


「神々の大戦争」を描くには、いかんせん、まだ少し私には荷がおもい.正直申し上げて、私の筆力では手に負えないということである.もう少し勉強する時間をください.

 

 そして、今日は、ルシフェルの甥であり、普段の生活を共にすることの多い海丸くんの書いた作文をもとに、ルシフェルのことを色々と考察してみたい.


学校の宿題の作文?

課題は「僕の尊敬する人」である.


なんと海丸くんの一番尊敬する人は、ルシフェルだった.お父さんのポセイドンの兄に当たる人である.


この作文、先生には激賞された.五重丸、一番外の丸には、ボールペンの試し書きのような、くりくりが、円を描くような文様が書かれている.小学校で先生がよく使う、花丸という評価である.つまり最高級の評価ということである.


返却された作文は、誰にも見せない.父上にも、おじさんにも、はるなにも、ドクトルにもだ.

「こんなの別館のみんなに見つかったら、色々言われそうだから」と机の奥深くにしまっておいた.鍵がかかるようになっている、一番上の引き出しの奥に入れて、さらに本とか封筒とか上に被せておいて、鍵をかけた.

「これで大丈夫」と思った海丸くん.あたりを見渡して誰も見ていないことを確認して、もう一度、鍵をかけたか確認する.挙動不審である.


鍵のかかる引き出しに隠すものは大体決まっている.思春期前後の男の子である.

エッチな写真の載っている本とか、そう言う本の綴じ込みなんかも、切り取って、密かに集めている.海丸くんですらそうである.こんなの健ちゃんや愛ちゃんに見られたら、大変である.龍の姿を見られるどころの騒ぎではない.しかも愛ちゃんたちのママやら、はるなやら、静香に軽蔑されるかもしれないし、アテナやアルテミスに知られたら、目を潰されるか、鹿にされてしまう.(あ、なんもアテナとか、アルテミスの裸を直接みるわけでないからいいのかな?)机の秘密、極秘である.

 愛染の母ちゃんはまた別で、以前はいつもおっぱいを押し当ててきて、その度に鼻血が、数百cc出たわけだが、あれだけ大ぴらにと言うか惜しげもなく見させられると、今ではもう、「鼻血も出ねえ」つまりすでに見飽きた.

 とにかく、海丸くんの机、鍵がかかる一番上の引き出しには極秘事項が詰まっていると言うことである.


 海丸くんの挙動が不審なこと、それはオリンポスの腕利き諜報部員であるヘルメスが見逃さない.


「ほう、鍵のかかる机の引き出し、何か、隠したな・・・」

大方、大人が読むような雑誌やら、えっちな写真がたくさん入った封筒で隠してあっるのだろう.ヘルメスの見立ては正しい.机の引き出しの一番奥、そこには、海丸くんがみんなに見られたくない、他の何かがある.机の鍵を開けるなど、ヘルメスには朝飯前の容易いこと.

 

 海丸くん、鍵をかけたから安心、とそのまま机を離れたところを見計らって、ヘルメスが、抜足、差し足、忍足、机に近づき、まさに引き出しを開けようとしたところ、また海丸くんが部屋に入ってきた.すかさず、ヘルメスは、ハーデスの兜をかぶって、姿を消す.このカブトは、ペルセウスに貸したのではなかったっけ?普段は誰が持っていたのだっけ、なかなか便利な道具なので、ヘルメスは、スパイ用にハーデスにかしてもらっていたのかもしれない.


どうやら、海丸くん、作文を他の場所に移すらしい.しばらく自分の書いた文章を読んでいる.

少し離れた場所だが、ヘルメスにもその文字は読める.

(学校の宿題の作文か?なんで隠す必要が・・・・)


なになに、

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 僕は今、人間の家に住み込みをして、学校に通っています.父上が人間の生活を勉強しなさいということで、この家に居候として預けられた形です.居候の条件は、大家さんの、はるなの手伝いをすることです.買い物、掃除、台所の仕事、日用品がなくなった時の買い物と、結構やることは色々あります.おともだちのキューピーくんもはるなの家に下宿しています.彼は家族がみんなで、住み込みなので、羨ましいです.僕はお父さんが、漁師なので、遠洋の漁に出かけた時には、家族は誰もいない、と言うことになりますが.でも、心配御無用!親戚の神様、結構同じ家に下宿しているので、寂しくはありません.


(ほお、子供なのにしっかりした文章書く子だね・・・)とスパイのヘルメスが感心する.続きを読む.


 父のお兄さんに当たる人が、いわゆる、「ルシフェル」で、僕のおじさんです.

本当は、僕たちの故郷、ギリシャのオリンポスというところで、12人の超エリートの神様たちの中の、ヘッド?というか、頭領、というか、総統というか、とにかく最高神と呼ばれるのが、このおじさんのルシフェルです.本当の名前は、「ゼウス」と言います.ラテン語訛りのある人に言わせると「ジュピター」というそうです.ギリシャ訛りでゼウスで、どこをどう訛ると、ジュピターになるのか僕にはよくわかりません.ギリシャにはもう長く行ってないので、ギリシャ語わからなくなってしまいました.ラテン語なら、ちょっとはわかる気がします.なぜなら、いろんな学術用語はだいたいラテン語なので.


 ルシフェルの伯父さん、いつもは悪ぶって、「俺は、サタンだ、魔王だ、地獄の堕天使の首領のルシフェルだ」、といいカッコしているのですが、なんのことはない、その正体は、オリンポスの一番偉い神様、最高神のゼウスです.すごく責任の重い仕事です.その知恵と力は、「全知全能」とよく言われますが、本当にそうなのでしょうか?宿題を聞いても教えてくれないことが多いです.ドクトルに丸投げすることもしばしばです.全知全能と言いながら、小学生の勉強がわからないのだと思います.

 いつもは悪ぶって、

「ういー、俺はよ」、と酔っ払いのちょい悪オヤジ風に気取っても、そもそもおじさんはお酒を飲みません、飲むとしても、ノンアル、ノンカロリーのネクタルくらいです.

 タバコも吸いません.ニコチンの依存性が怖いそうです.ニコチンの依存性は、覚醒剤よりもおっかないのだといつもいってます.もちろん、大麻やコカイン、モルヒネ、フェンタニルといった麻薬など見たこともありません.


「外に女こさえてくるぜ」、と言いつつ、本当は、女の子を直接口説いたりする度胸はありません.いつも奥さんのヘラさんの目を気にしています.直接女の子を口説くなどいうことができないので、牛に化けたり、白鳥に化けたりして、女の子が、

「まあ可愛い白鳥さん、こっちにいらっしゃい」と抱きついてきたときにチャーンスとばかりに、白鳥の格好のままで、女の子に抱きつきます.

 いとこのアポロンとアルテミスのお母さんのレトさんを口説くときにはうずらに変身したと聞きます. 

 そう、おじさんは度胸がありません.コソコソ、陰謀を考えて、女の子を口説くのは、おじさんの悪いところかもしれません.

 いまだに奥さんのヘラさんとは、離婚しないどころか本当はラブラブの愛妻家だったりするのですが、本心を隠して、はっきりしなくて、良くないと思います.愛妻家と言われるのが嫌みたいです.遊び人と思われたいのです.正直でないのです.

 みなさん、ご存知の人は少ないと思います.大昔、僕たちの一族と、巨人とか、前の支配者の神々と大戦になったことがあります.「ティタノマキア」という、神々の大戦争です.その時に、おじさんはかなり苦労したようです.作戦で一時、ギリシャを離れて、イスラエルに亡命して、そこの王様にこき使われて、神殿の建築の肉体労働までしたそうです.そこの現場監督の「ミカエル」という人とはいまだに犬猿の仲だそうです.とにかく苦労をしたそうです.でもそんな苦労を、悲壮に語ることは決してありません.でも根に持ってはいるようで、いつも「あの、ミカエルの野郎はよ」と言っています.実際嫌いなようです.

 悪い人ぶっても、実はすごくいい人なのです.人が見ていない時には色々、ちゃんとしているのです.悪ぶっても所詮、お里が知れる、っていうのだろうか?多くは逆の意味で使われるようです.悪魔を気取っても所詮は最高神?こういうのをお里が知れるという使い方、間違った言葉の使い方でしょうか?


 ここで僕は尋ねたい.みんなの同級生にもいないかな?おじさんみたいな人、

体育の時なんか、先生が見ている時はわざと疲れた、とか言ってサボるくせに、先生が見ていないと俄然頑張ったり、もう走れない、なんていう友達をおんぶしてやったり手を引いてやったり.先生がこっちを見ると、途端にまた悪ぶって、お前、早く走れよな、とわざと、いじめるようなこと言ったり.俺も不良だぜ、とか言いながら、いじめられている子を助けてあげたり、先生に見つかったら、へへへ、見つかっちまったかと不良の子供のことまで庇ってやったり.

 勉強を学校でしているところなんか見たことない、いつもよそ見をしているようで、授業の内容はちゃんと理解していて、でもテストで100点取るのはなぜか、プライドが許さないみたいで、これもどういうプライドか理解不能ですが、テストはかならなず、98点くらいで抑えておく.全力でやって100点は当たり前だという、彼なりの矜持、というものなのでしょうか?一体なんの?地獄の帝王とか、サタンとか、堕天使氏の首領としの矜持、なのでしょうか.全知全能の「ゼウス」で、どこが気に入らないのでしょうか?

 そこがまさにおじさんのいいところだと僕は思います.照れ屋さんなんだと思います.そしておじさんのような自分を悪く見せたがるのを「偽悪趣味」というそうですが、本当は悪い人なのにいい人ぶる、「偽善」よりもましだ、とおじさんは考えているのだと思います.

 僕も勉強して、体を鍛えて、そして陰では正義の味方、みんなの見ている時には、悪い人のように振る舞える、おじさんのような大人になりたいと思います.


(ほお、この子はうちの親父の本質をよーく見ている.それにそれを正確に記述して表現できる.頭もいいし、人のことを見ている、それも愛情を持ってみている.きっと大物になるに違いない)


「おめえがが隠したがっているこの作文、皆に見せるのはやめておこう.盗み出すのはやめだ.おめえと、俺と、学校の先生だけの秘密ということにしておくぜ.」


と呟いた、ヘルメスは、ハーデスの消える兜を被ったまま、その部屋から出て行った.






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