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学ぶことは多い、しかし苦痛ではない⑥「検診センターの仕事を子供にもわかりやすく」



ドクトルの業務.週に一回、検診センターで、結果の説明がある.

検診を受けた方々、

以下の項目を説明を聞いてもらう、という仕事、である.


身長、体重、BMI、お腹周り

血圧

尿検査

 蛋白尿

 血尿

 ウロビリノーゲン

腎機能

 BNP

 クレアチニン

 eGFR

尿酸値

血液細胞数

 赤血球数

  ヘモグロビン

  ヘマトクリット

  MCH

  MCHC

  MCV

 白血球数

  好中球

  リンパ球

  単球

  好酸球

  好塩基球

 血小板数

 糖尿病の検査

  空腹時血糖

  尿糖

  HbA1c

脂質の検査

  総コレステロール

  HDLコレステロール

  LDLコレステロール

  空腹時中性脂肪

  non HDLコレステロール

 アミラーゼ

 肝機能

  AST

  ALT

  γGTP

  LDH

  ALP

  コリンエステラーゼ

  ビリルビン

  総蛋白

  アルブミン

 肝炎ウイルス

  HBV

  HCV

 炎症所見として

  CRP

  RF (リュウマチ因子)

  RPR/TPHA

 PSA

 呼吸機能

 便潜血

 視力

 眼圧

 眼底

 聴力

 心電図

 胸部レントゲン

 腹部エコー


 上記の項目を上から順に説明していく.しかしそれぞれの項目、説明を始めると長くなってしまうのだ.特に異常初見が見つかった時は.じっくり話すと、一人当たり、10分、あるいはそれ以上かかる.簡単に済ますと、5分で済ますことできないわけでもないが、それでは、わざわざ時間をいただいて説明する趣旨に反するだろう.大体、枠は1時間半くらいで済ませよというのが、病院の命令であるが、そんなものは無理である.15人から20人のお客さんがいて(検診は、自己負担が原則だからお客さんなのだろう)、2時間くらいかかってしまうこともよくあることである.


 検診センターの説明のこの仕事、腕自慢の先生はやりたがらない.そういった先生の言い分は、医者はそもそも病気になった人を治すもので、病気になる前の人を相手にするものでは無い、と検診そのものの存在価値を否定する.しかし彼らは勘違いしている.


医師法には、以下のように規定されている.


「第一条 医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする.」と.


つまり、医者の仕事に二大看板は「医療」と「保健指導」なのだ.


多くの医者は、保健指導が、重要な仕事であることを見落としている、か元々知らないか.


 重症になる前に、保健指導で、生活習慣を修正するだけで、病気にならずに済む、あるいは症状がないうちに基礎疾患の治療をするだけで、重大な合併症を回避できたらそれほど、安上がりな医療はないと思うのだが.


「身長、体重、BMIにお腹周り、

血圧、

検尿

採血一式、血算、血液生化学、

心電図、便潜血

腹部エコー」

のどこに深い意味がある?


健康長寿を希望する人に対するこれらの項目のそれぞれに愛に満ちていると、ドクトルは思うのだ.勢い、説明に熱が入り、不要と思われるような説明までしてしまう.時間に限りがあるから、簡単な説明、というか手短な説明が、求められるのはわかっちゃいるのだが.


ジレンマである.


「それぞれの項目にどれだけ深い意味があるか、説明、してみようか?」


ドクトルがいうと、

「海丸くんは、いやちょっとそこまでは・・・」


「いやいや、そんなに尻込みしないで、聞いてみなさいよ.子供さんにこそ、検診も医者の重要な仕事だってことはわかってもらいたい.だって、どこかの科学塾みたいたところの白衣着た小学生、今回の坂口先生がノーベル賞取った、”制御性T細胞”のこと、皆が知っていたっていうし・・・」


これは、アニメはもちろん、実写ドラマにもなった、かの、名作漫画、「はたらく細胞」でも取り上げられて、重要な、キャラクターになったからだ.


「え、どいういう関係あるのですか?」当然海丸くんには疑問だ.


 「それはね、この小説を読んだ人たちは、人間ドックの結果について、よくわかるということいなるでしょうからね.」


例えばこういうことですよ、と熊さん、はっつあん、風の二人のお客さんの会話を想定する.どっちか熊さんで、はっつあんかはご随意に.


「へーこらまた大したもんだね、今回のノーベル賞、坂口って偉い先生の発見した、制御性T細胞っての、小学生が知ってるってじゃないか」


「ほお、それはたいしたもんだね、がっこで教えるのかい』

「いやいや、漫画で知ったってんだな、ほれ、漫画で、アニメになったのあるじゃねえか、あの、わん、つう、スリーフォー、ういーあ、セルあとワーク、赤い服着た姉ちゃんとか、白い服着た殺し屋が出てくる、やつ」

「あ、俺も知ってるぜ、”はたらく細胞”ってやつだろ」

「おお、そうそう、あんなかで、殺し屋のT細胞が、体の大事な細胞まで、殺そうとすんのを、なんか司令官みたいな女の人が、ちょっと待った、これは殺したり、破壊してはいけません、みたいにいうらしいぜ、それが、制御性T細胞っていうらしい」

「へ、できた漫画だね」


漫画を読み返してみたが、本当のところはちょっと違った.NK細胞と、好中球と、メモリーT細胞が癌細胞を追い詰めた.攻撃しようとしたとき、


「攻撃を中止してください、適切な反応ではありません」と制御性T細胞が止めに入る.

「な?」メモリーT細胞がなぜ?という顔をする.

「彼は外から来た敵ではない、この体で生まれた、私たちと同じ細胞です.」

制御性T細胞は続けて、

「自己への攻撃は、この私が一切許可しません」

(はたらく細胞.コミック5 巻p.151あたり)

・・・・・・・・・・・・・・・


「なあなあ、そんでな、なかなか面白い小説が、「小説家になろう」で読めるらしいよ、なんでも、あの意味不明な人間ドックの検査の意味までわかるらしいぜ、」


「本当かい、なんて小説だい?」

「その小説の名前は神統記、っていうらしい.」


後日探してみたが、

「そんな話、探してみたが、確かに岩波文庫の赤表紙で、ギリシャの有名な作家らしい、ヘシオドスだが、へし折るだが知らねえが、その人が書いた本みたいだな.全部読んでみたが、ゼウスが、雷とか盾を持っていたりとか、悪知恵たけた、クロノスとか、オケアノスが川の子供が何人もいた、みたいな話だったぜ、そんなγGTPの説明なんて一言もなかったぜ」


「ほう、おめえはもう、岩波文庫の神統記、読んだのかい.でもな、それは神統記、違いでな、俺の言ってる神統記には「」がついてるんだ.つまり、ギリシャの作者のパクリ、というわけみたいだぜ.作者は、なんていったけな、ぽっと出までもいかなねえ無名だからわからねえ」

「なんでえ、本屋にないわけだ、その小説はどうやって読むんだい・・・」

パソコンのウェブで見るときには登録いらねえみたいだな、携帯で見る時は、登録が必要らしいが、とアクセスの仕方を教えてもらった.


「早速読んでみたよ、おお確かに、色々な話あるな、結構面白いぜ」という感じで、検診センターの項目、あらましの説明を読んで理解が深まったということです.


「へえ、そんなもんでしょうかね?」海丸くんはまだ懐疑的だが、小説の中の一つおエピソードとして、検診の項目の説明を聞くことにした.


これから、何回かに分けて、話をすることにした.

「今日のところはここまで」といってドクトルは図書室を出て行った.

海丸くんが一人部屋に残っていた.そこに、静香と、はるな、アテナが入ってきた.


「しめしめ、ドクトル、その気になったみたいですよ・・・」

「海丸、でかした」アテナがいう

「あとは手筈通り、いいわね」はるなが言う

「それでは、おのおの方、抜かりなく・・・」まるで真田昌幸である.

おや、ヘルメスもいたのか.彼が真っ先に消えた.流石、オリンポスの猿飛佐助、素早い.皆「うん」と頷いて、それぞれの持ち場に散っていった.


おやおや、なんかこれは陰謀に匂い?

次回をお楽しみに.










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