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デメテル列伝③「豊穣の女神の農作業.広大な、田んぼで・・・」



 デメテルとペルセポネの庭仕事のカッコ

モンペに、袖の長い服、軍手にほおっかむり、麦わら帽子、手には小さいスコップ.

女神なのに.夏は腰に水筒の麦茶を忘れずに.

 はるなの格好を見てその機能美に感動して、親子揃って真似をする、という形.

機能美こそ最高の美である.


 さて、かっこから入ったが、これから、何を栽培するかが問題である.別館では、3月末に農業作戦会議が開かれる.神々の代表、といっても参加者は、デメテル、はるな、ペルセポネ、時々海丸くんが冷やかしで参加するのと、夜から行われる会議の時はルシフェルやドクトルも加わる.ヘルメスが加わるときは種の融通をヘスティアに頼むときか、試作の作物を送るときに彼に運んでもらうときである.なぜか愛染親子がいることが多い.ポセイドンの親父が他に仕事のない時には会議に加わることもあるらしい.鰯を粉にして、肥やしにすることがあるから、この海の神様も農業会議に出るということである.


「まあ幸いこの家の庭は広いからなんでもできそうだね.でもイチョウの並木とか300m続いてもね、入場料取って客入れるかね?」ルシフェルの発言である.手軽に稼ぐ方法しか思い浮かばない.汗水たらしてどうこうというのは彼の倫理観ではない.


「桜の木も、花が終わったら毛虫でダメになることも多いからあの木は結構面倒なんだよ」花の神らしい意見を言うのはペルセポネである.

「春に植えて、夏から秋に刈り取れるもの、それからたくさんなるものはるな、何があるのこの国は?」

「夏の野菜とか、トマトにきゅうり、茄子はいつ取れるんだっけ、とうもろこしに、あと、枝豆、結構たくさんなって美味しいよ、ただカメムシがついちゃうかも.他には何があるんだっけ.」

「せっかく、広い土地があるから、田んぼも作りたいね」デメテル、

「いやいやいや・・・・」それはちょっとと、みんな尻込みして思ったがデメテルのお母さん、結構本気のようである.

「ほれ、こんな機械があるよ.これがあれば、鍬持って耕さなくていいし、手に豆できないし、何より腰が楽だは」どこから取り寄せたか、トラクター、田植え機、コンバインのカタログがそこにはあった.

「どれどれ」、と皆で覗き込む.

「結構高いぜ、この機械」ルシフェルが及び腰である.


 デメテルの計画は既にどれくらいのコメが取れるかということに考えが及んでいる.

「320m四方の田んぼができるとするだろ、10万平方メートルの土地からできる米はいくらだ?」誰もわからないが、海丸くんが一生懸命パソコンで検索しながら計算してくれる.後楽園球場何個分と言う例えはピンとこない人にはわからない.私も知らない.野球場に行ったことがないから.大体、この球場、100mちょい四方で11000平方メートルらしい.それが9つ分の面積の空き地がある.どれだけ広い土地があるのだと思うかもしれない.海丸くんは計算を続ける.大体1000平方メートルの土地でできる米が500kgだそうです.「10万平方メートルの土地で、できる米は、大雑把に見積もって、玄米にして50トンくらいです,白米にすると、約1割引で、45トン!」

「随分と大きな話になってきたな」流石のルシフェルも少したじろいだが、現実的な問題として、土地、人材、資材、そして皆のやる気、なんか、できそうな気がしてきた.皆の意見をまとめるというかほぼ自分のしたいようにする、穀物の神、デメテル議長は決めた

「それでは今年の作物は、夏野菜、いろいろ、それと、コメ、目標は玄米にして、50トン」皆、のけぞったのは言うまでもない.ドクトルとルシフェルは農業機械の買い付けにほうぼう走り回った.


 苗代を作り、田圃を耕して、水をひき、いよいよ田植えだ.田植え機を使うとあっという間だ.噂に聞く腰をかがめてというのがなくてよかった.あれをするとこの人数で広大な田んぼに田植えは不可能だったと思われる.田植えが終わり、夏、どこで聞きつけたか近所の小中学生やその親、あとなんとなく暇な人達が色々と手伝いに来てくれる.

 ある日、はるなの家の門を一台の黒塗りの立派な車が通り、玄関に横付けされた.応接室に通されたその人をはるなはどっかで見たことがある.私、こう言うものです名刺には「大泉慎太郎」と書かれている、「おお、大泉慎太郎ー!」ちょっとした有名人である.


 秋の夕暮れ時、広大な田んぼ.黄金色の稲は豊かに実って重そうに(こうべ)をたれる.デメテルは、娘や、はるなやドクトル、弟たちと、仲間たちを伴って、小高い丘から、それを眺めた.

「いよいよ明日から、稲刈りだね」ペルセポネと、はるなは黙ってうなずく.

「はるな、ありがと.私、本来の仕事、こんなに楽しくできたのは、久しぶり、いや、初めてかもしれない.イネって本当によく育つんだね.栽培こんなに楽しかったんだ、て思い出した.田んぼかしてくれてありがとう.」ペルセポネに向かっては「もうすぐ、あんたは旦那のとこ、帰らないとダメな季節だけど、こっちにいる間ははたらいでもらいますからね、お母さんは厳しいよ」

「はいはい」ペルセポネは明るく笑っている.彼女が笑うようになったのはいつからだろう?ここにきてからしばらくは全く笑わないこだったのに.ドクトルも刈り取り前の田圃をこれだけじっくりと、そして感動を持って眺めたことはない.稲作ってこれだけ大変で、実った時にこれだけ充実感を得られるものだとは初めて知った.田圃、稲作を間近で見るのは初めてだったから.

「デメテル母さん、ありがとうございます.普段食べているコメがこうやってできるなんて、私たち知らないことが多すぎます.一生、勉強ですね・・・」ルシフェルとポセイドンの大食い兄弟と、アテナとその配下の四天王、子供の神様、今日は珍しくヘパのおじさん、ヘスティアおばさんもオリンポスから出てきている.明日からの稲刈りを手伝いに来て後はちゃっかり出来立ての新米をもらって帰るつもりである.他に、彼女がここに来た大事なわけがある、それは稲刈りが終わる数日後にわかる.

 はるなの家にも、ヘスティアおばさんのかまがある、そういえばみなさんお分かりだろう.稲刈りの合間に、山や野原に行き、キノコや、栗、梨に、柿、葡萄、りんごには少し早いか.とにかく、いろんな果物が取れた.庭の畑では、秋の野菜、田んぼ脇の沼には今年の夏はハスの花よく咲いた、と言うことは、蓮根がたくさん取れた.


代表的な秋野菜

•根菜類:さつまいも、かぼちゃ、ごぼう、れんこん、里芋、大根、カリフラワー、ブロッコリーなど

•きのこ類:しいたけ、しめじ、まいたけ、なめこなど

•葉物野菜:ほうれん草、キャベツ、白菜、レタス、春菊など

•その他の野菜:ぎんなん、ナス(「秋ナス」として美味しい時期を迎えます)など


 農協のホームページにこれだけのている.もちろん大体は取れたのではないかと思う.じゃがいもはどうなんだろう?なんでも夏に撮れるのと秋に取れるのでは性質が違うらしい.



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