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ヘスティア列伝①「かまどの女神は、オリンポスのご意見番」 

 


「このおっかない姉さんは、かまどと日常と平和の女神、だぞ」(次回予告で、ルシフェルが言うセリフ、のつもり.誰かアニメにしてくれないかな・・・・)


 オリンポスの12神の中心は、いうまでもなく、ルシフェルである.冥界の王のハーディスはオリンポスの12神に含まれることもあるが、含まれないこともある.違う世界だから、もう一人別に代表格の神がいるとしても不思議ではあるまい.

 ギリシャでは、ゼウス、ローマでは彼はジュピターと呼ばれる.インドでは、インドラとか、帝釈天だとか、色々な呼ばれ方をするから、どうでもいいのかもしれない.天空とか、雷とか、森羅万象の一番おっかないものが、つまり、言葉で表すと、ゼウスであり、インドラであり、ジュピターであり、それが仇のイメージが強いと、キリスト教におけるルシフェルということになるのであろう.この物語では、これら国ごとに違う呼ばれ方をする、雷を武器にする、其の土地の最高神としての神を、ルシフェルとする.神の概念も普遍的なのだがそれを表す言葉が違うというだけの話である.普遍的な概念といってもいい.人格として表してみると、こんな感じかな、というのは物語の中のルシフェルなのだが、これまた様々な人やらものに絡んだり、取り付いたり、好き勝手にするから、世の中の多様性とか、カオスとかいうものが生まれ、それをなんとか、他の神々が取りなし、取り繕い、時にはルシフェルを叱り、宥め、其の無軌道を修正しながら、なんとか秩序を作っているというのが世界、なのかもしれない.

 

 わかりやすい例えをしてみよう.薬を例にとって.

 シルデナフィルクエン酸塩.これは、一般名である.

 商品名が、レパチオというときには、肺高血圧症の薬である.

 バイアグラ、とか、シルデナフィルV1という時は勃起不全の薬である.

 

 要するに、キリスト教で、ミカエルとやり合った神はルシフェルで、オリンポスの最高神はゼウス、というわけである.どっちも同じ神のことを別の呼び方をしているだけ、といえば、わかるかな?余計に混乱したら、ごめんなさい.もっと壮大な「比較神話学」みたいなことになったら、それはもう私の手には負えません.


 ルシフェルには子供も多いが、兄弟姉妹も多い.ポセイドン、ハーディス、 デメテル、ヘスティアである.ヘラもそうだと言われるが、ここでは兄弟姉妹親子が配偶者という立場を取らない.話がますますカオスになるから.ディオニソスを例に挙げると、神話の話はもうメチャクチャとしか言いようがない.ここではあえて言わないが、あ、でもいっちゃおうか.


 ディオニソスは、

 ゼウスが、ハルモニアの娘、セメレ(お母さん、母)に産ませた子供が彼だそうだ.

 セメレは、母はハルモニア(おばあちゃん、祖母)、

 その両親が、アレス(ひいおじいちゃん、曽祖父)とアフロディーテ、

 アレスの父はゼウス(ひいひいじいちゃん、高祖父)である.


 つまり、ゼウスはひ孫(曾孫)と関係して、作った息子がディオニソスで、ひひ孫(玄孫、やしゃご)にあたるが息子である、もうメチャクチャでしょう.

 

 ここでは、ルシフェルの姉のヘスティアについて語ろう.この人というか、この神には、逸話らしい逸話がない.特段これといった話がない.日常がこの神の管轄領域であるから.かまどの神であり、家庭の神であり、何よりも国家の秩序・安定、つまり何も事件がない「平和そのもの」というのが、彼女なのかもしれない.ディオニソスに12神の地位を譲ったという話が唯一逸話と言えるかもしれない.しかしこの話どこまで知られているかよくわからない.人格者であったというのがもっぱらの評判である.

 朝起きて、顔洗って、お米研いで、かまどに鍋くべて、ご飯の支度して・・・という普通の日常生活である.これは彼女の命令で行われることだが、逆に、彼女が臍を曲げるとそれができなくなる.世の中が平和な時、それは彼女がご機嫌な時であり、彼女がヘソを曲げて、岩戸のむこうに閉じこもってしまうと、世の中は大混乱、平和も秩序も無くなってしまう.

 一番上の姉のデメテルもおっかない.穀物とか五穀豊穣の女神だから、怒らせると大飢饉である.神々も人も皆飢えてしまう.だから彼女らの弟の暴れ者の神である三柱は間違ってもこの二人の姉さんには逆らえない.


 一番上の姉さんデメテルの怒った時の決まり文句は、「お前なんか、飢え死にしてしまえ!」だ.実りの神様が言う言葉かという気もする.2番目のヘスティア姉さん、それに負けず劣らず、怖い.その日のご飯を作ってくれなくなるから.何せ日常生活全般の神様である.事件ということのない人だから、人生の大事件である恋愛がない.恋愛事件を起こしたことがない、色恋沙汰がない.見合いもしない、政略結婚もない.だからこの人は一生独身を貫いたらしい.この人はアテナ、アルテミスと同様、処女神、ということになっている.(気がついたのだが、男系王朝のお姫様は、嫁ぐ時は、王のところに嫁ぐ.王のところに嫁いだお姫様は女王になれる.そしてその息子は王になれる.王でない人のところに嫁いだ、お姫様は女王様にはなれないか、姫様が女王様になった場合には、結婚できない、子供を作らない、と言う原則があるらしい.それが男系女帝の宿命らしい.女系の帝王は認めないという原則である.日本の皇室も同じで、女帝といえば、皆男系である.いまだ女系の天皇はない.あるとしたらその女帝は天皇の妃だ.だから男系は継承される)

 当然独身であり、子供もいない.平和な日常に結婚生活などという事件は馴染まない、と古代ギリシャの人たちは考えたのかもしれない.日本の皇位継承と近い考えなのだろうか?フランスなんかはどうなのだろう?そもそもあの国はサリカ法典により、女性は王位を継承できないことになっているらしい.マリアテレジアが王位を継承いたときは、一悶着あったが、それもサリカ法典が根拠らしいが、オーストリアでも適応できるのだろうか?


 今日はヘスティアおばさんのところにアテナが遊びに来ている.知恵の神だけに利発だが、戦争の神でもあるので、ちょっとおてんばのアテナはこの穏やかな女神が大好きである.母親のいないアテナはこのヘスティアおばさんから、母から娘に伝えられるべきいろんなことを学んだ.アテナは裁縫とか手芸とか細かい工芸の神でもあるのだが、それはこのおばさんから多くを学んだ.おばさんの口癖は、「平和が一番」である.アテナは一人で行くこともあるし、4人の弟子と行くこともあるし、おばさんの家に行ってみたら、父やら、ヘパの親方がご飯を食べているなんてこともしょっちゅうである.みな、美味しいご飯が目当てである.普段はあまりオリンポスに顔を出さないポセイドンも困ったことがあるとこの竈門と日常と秩序と平和の女神に相談に来る.


「最近は平和だね.小麦の出来もいいようだし、デメテル姉さん、最近機嫌いいみたいだしね」 

「はい、其のようですね.姉さんたちのおかげで平穏です、はい」ルシフェルも、ポセイドンも、ヘパイストスも、4人の弟子はもちろん、冥界の王である、ハーデスでさえ、この家では丁寧な言葉を使うし、行儀がいい.この姉の説教は結構きつい.

「ルシフェルあんな最近また女の子を泣かせたって話じゃないか、親御さんが怒って私んとこに文句言いに来るんだよ、ちょっとあんたいい加減におしよ、なんで弟のあんたの不始末、私が謝んなきゃなんないんだい」と、遊び人の弟を叱りつける.

 ポセイドンが行った時には、

「あんたこの前、地震と津波で村一つ沈めたそうじゃないか、怒ったデメテルがあんたの村ごと、飢饉にしてやろかなんて言ってたよ.」いつもの「あんたなんか飢え死にしておしまい!」って言われると、ポセイドンはすごくしょげる.あの大男がである.しょげたポセイドンは二回りほど小さくなる錯覚に陥る.

「私も似たようなもんさ、怒らせてみるかい.なんなら戦争にするかい、私が祠に困ったらあんたらの村なんてたちまち無政府状態だよ」

「いやいや、姉さん、それは困ります、この前の地震と津波は、ちょっと手違いでして、はい、あの何も好き好んでおこしたものではないんで」

「本当にそうかい・・」あの地震と津波は、なんでも地殻とプレートをつっかえ棒のように支えるために立てかけておいたエンタシスの柱が、途中で折れて、プレート同士にずれが生じて起こったものらしい.これはポセイドンが意図したことではなかったらしい.エンタシスの柱にひびが入っていたらしいから、彼が意図して起こした地震ではないことは確からしい.

「そう言ったことを管理するのがあんたの仕事!言い訳はしない!」いつもこの姉さんの説教は容赦がない.


 東京のディス・セットに行って、フランス料理を食べ、さらにその二次会で目高屋で大衆中華を食べた時のこと、オリンポスに帰ってからアテナは早速4人の弟子たちと一緒におばさんのうちに行き、その時の感動を報告した.おばさんはニコニコしながら聞いてくれる.姪っ子たちの話を聞きながら、そんな料理どうやって作るんだろと、材料は、牡蠣、オマール海老に、キャビアか、それはポセイドンに言えばすぐ持ってきてくれそうだしな、フォアグラと、トリフ?なんじゃそれは、アイスにケーキは意味不明だ.牛肉のフィレ肉か、脂がなくて美味しそうだね、意外と牛肉でなくて鹿の肉とか猪の肉使うと美味しいかも、でもちょっと硬いかな?これはアルテミスに言えば材料はなんとかなるかもしれないね、子羊の肉もいいかもね、あと鴨の肉も美味しいんだ、

「おや、玄武は鴨の肉食ったのかい、そうだね、あんたは、牛肉だめだもんね」と、弟子たちが何を食べれて、食べてはいけないかもちゃんとわかっている.

「でもなんでカモは鳥なのにあんなに赤みが強いのかね、牛もヘルメスに言ったら、持ってきてくれるかな、あ、でもあいつ、牛をアポロンから盗んで喧嘩になったってから傑作だよね、今回は牛はやめとくか」と.密かに材料の仕入れ先からレシピを考えたりして、次に来る来客用のメニューを絶えずリニューアルしている勉強熱心でもある.

 中華は結構簡単かもしれないね.中国の北の方が小麦が主な穀物だから餃子の皮とか、ラーメンとかはそれで作れるだろうし、中国の南の方のコメは、ギリシャではあまり作らないけど、デメテル姉さんに言えば米くらい手に入るし、と色々考えるのは楽しい.


 ヨーロッパにおける米食の歴史は、地域によって時期も用途もかなり異なるらしい.ざっくり言うと、ギリシャ人は古代から米の存在を知っていたけれど、主食ではなかった、というのがポイントで、

 「あとねあとね、おばさん、ノリって知ってる?日本人はよく食べるんだよ、海苔の佃煮って、ご飯に乗せて食べるとすごく美味しい.でも消化吸収ができるのは日本人だけなんだって.おばさん食べたことある?」と言う具合に.

食べ物のこと、おばさんはいろんなところから情報を収集するのだった.



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