ギリシャの英雄列伝①「姉と弟.勇者ペルセウス」
ダナエはアルゴス王、アクシリオスの娘である.母親はエウリュディケーと言われる.オルフェウスと結婚した後、蛇に噛まれて冥界に連れて行かれた女性とは別らしい.
お爺さんのアクシリオスは、予言を受けた.孫に殺されるということである.彼は娘のダナエを青銅の地下牢に幽閉して、男と交わらないようにした.ゼウスが金の雨となり、忍びこみ、出来た子が、ペルセウスであるという.当然、アクシリオスは娘とその子供を許するわけには行かない.箱に詰めて、海に流してしまった.ポリデュクテュスに保護されたのはいいが、母親に恋した、ポリデュクテュスは、ペルセウスが邪魔になり、怪物退治に派遣した.あわよくば、怪物を退治できるし、おそらくうまくいくことは無理だろうから、まんまと邪魔な子供を始末できるという、大人の汚い策略である.
ペルセウスは、アテナや、ヘルメスと仲が良かった.彼らの弟分と言っていい.アテナは親分肌の父親の気質を色濃く受け継いでいるし、何より、ペルセウスが「お姉ちゃん」と言って甘えてくるのが可愛かった.なんとか、ひとかどの男になってもらいたいと思う.ヘルメスも自分が苦労したから、人の心の寂しさ、悲しさを理解できる男であった.こうした事情で自分達の弟でもあるペルセウスを援助したというわけである.
アテナの合言葉は、「若者の胸に、力と勇気を打ち込め!」である.
著者は岩波文庫赤表紙の「オデュッセイア」に書かれた、この言葉が気に入ってしまった.随所に使わせてもらおうと思う.
アテナは、アイギスを貸し与えた.ゼウスに借りた、最強の盾である.
ヘルメスは、羽の生えた、靴を貸した.
(別の言い伝えでは、メドゥーサ退治にあたり、ペルセウスは知恵の女神アテーナーから盾と兜と靴、計略の神ヘルメースからは刀、合計4つの武具が与えられました。
黄金の盾.鏡のようにピカピカでこの盾にメドゥーサを映して見れば石にならない
被ると周りに闇が立ち込め、その人間の姿を隠してしまうという兜(帽子)
黄金の翼のついたサンダル
百眼巨人アルゴスを倒した刀 )
メデューサの洞窟には、人やら動物の形をした石像がいくつも転がっていた.化物を見て、石になったものの姿である.
眠っているメデューサの近づく.見たら石にされてしまうから、ペルセウスはメデューサを見ることができない.アイギスに隠れて、後ろではアテナの姉ちゃんが、あっち、右、あ、もうちょっと左、前にもうちょっと、と怪物の位置を教えてくれる.楯の裏面には姉ちゃんの映像が映る.アテナはどこから敵を見ているのだろうか?神の楯アイギスがその由来のイージスシステムには当然、深海や、夜間の敵の位置を察知するレーザーシステムが整備されているだろうから、それと同じかあるいはそれ以上の機能は、アイギスの楯には当然備わっているはずである.後からゆっくり音と立てずに近づき、「いまだ!」という、アテナの合図で、剣を振りかざして、メデューサに飛びかかり、その首を討ち取った.ヘルメスの翼の生えた靴は、どれくらいの速さで飛ぶことができるのだろうか、あっという間に敵との間合いを詰めるくらいには早く飛べる道具であることは想像にかたくない.
メデューサの血が流れ落ちたところから天馬ペガサスが生まれた.アテナに飼われたペガサスは、キマイラ退治に活躍することになる、その話はいずれまたの機会に.
アテナが女神様のように、「大儀であった」と労う.後ろに後光がさしているのはいうまでもない.
「神の子、ペルセウスよ、我が、弟よ、見事でした.」褒めておいて、
「女神アテナのご加護の元に!授けられし、力と勇気を胸に!」
ペルセウスも挨拶をする.
堅苦しいのはこれくらいにしといて、そこからは普段の姉と弟に戻る.
「ねえねえ、ぺる坊、その首、アイギスにくっつけて、パワーアップしたいんだけど、いいかな」
「おお、姉ちゃんいいよ、アイギス・バージョン2、ゴルゴンシステム、って感じで新しいオプションみたいな感じにすんだろ、姉ちゃん、ますます最強じゃん!」
「えへへ」アテナは煽てられて満更でもない.ここにいるのは皆の知ってるアテナだった.
「しかし、ここに問題が、」と、ペルセウスが意見をいう.勇者らしい、実戦重視の意見である.
「なあ、アテナ姉ちゃん、この怪物の顔、剥き出しだと持ち運びのとき不便じゃない?普段は蓋しとかないとそこらじゅうみんな石になってしまうよ.セリフォス島、岩だらけだ」
「それもそうね、ヘパイストスの親方に頼んで、普段はドアみたいな蓋を被せておくことといたしましょう」
こうしてアイギスの楯にはゴルゴンシステムが装備されることとなった.
ヘパイストスの工房に向かうときだか、どこ行こうしていたのかわからない.ヘルメスの羽の生えた靴で、エチオピアのあたり?(しかしエチオピアの王の娘が海辺の岩場で縛られていたのはフィニュキアあたりというから、地理感覚が今ひとつわからない)を飛んでいると、下に海辺の岩場に鎖で繋がれた美しい女性がいた.潮が満ちてきて、腰の近くまで海水に浸かりそう.近くでは娘の父と母と思しき、老夫婦が、娘の名を呼び、泣き叫んでいる.海の方に目を移すと、大蛇が娘に向かって突進してくる.ケートスという化け物らしい.その絵を見ると、足があるからヘビではないのかもしれない.
「お嬢さん、私は、ペルセウスというものです.こうみえても、最高神の息子にして、戦の女神のアテナの弟に当たるものです.たった今、ゴルゴンという怪物を退治してきた所です.どうです、血統といい、業績といい、あなたの結婚相手として結構いい感じでしょ?いけてると思いません?あなたと結婚できるのであれば、助太刀いたしますが、いかがでしょう」
今にも蛇に飲み込まれそうな、娘も、父も母も、否はない.皆、「おおお、応、それは助かります」という意向なので、「それでは、」とペルセウスは、大蛇に向かって飛んでいく.
メデューサの頭を見せて化け物、ケートスの動きをとめ、背中に飛びかかり、見事にその首を切り落とし、岩に繋がれた美しい娘、アンドロメダの救出に成功したのであった.
その後ペルセウスとアンドロメダは結婚した.ちなみに母親の名前はカシオペア.彼女が、自分の美貌が世界一と言って自慢するもんだから、ニンフたちの怒りに触れて、娘を生贄に差し出すことになったらしい.父はエチオピアの王で、ケーペウスというらしい.目立たない人であったらしい.
アンドロメダも器量自慢の母親に似て美人だった.婚約者がいたらしい.ピーネウスという男らしい.ペルセウスとアンドロメダの結婚の宴にならず者を率いて乱入した.大騒ぎになったらしいが、メデューサの首を見せられて、石になって騒ぎはあっさり治ったらしい.
セリーボス島に戻ったペルセウスは、ポリデュクトゥスをメデューサの頭を見せて石にして、助けてくれたデュクトゥスを島の王にした.アルゴスに戻ったあと、祖父のアクシリオスは逃げ出した.競技会に参加したペルセウス.投げた円盤が観客席に飛び込んで観客が死んんだ.それが祖父のアクリシオスであった.予言の通りになった.ペルセウスはアルゴスの王となった.




