ジュリアン・ジェインズ
ドクトルは、本棚にある「神々の沈黙」を取り出して、前の方を少しだけ、読み返してみた.
「神々の沈黙」はこの作品でも何度か取り上げたが、今ひとつ、理解が甘かったかもしれない.そもそも、ジェインス先生は、古い時代の人間に意識があったかどうかも、疑わしいということを言っておられるのだった.
そもそも人には意識というものはなくて、意志という言葉とか概念もなかったらしい.
「え、じゃ、人は、神々の声を頼りに行動していたってことになるのでしょうかね」
静香は、少し納得がいかないという顔をしている.
「それもそうだね、人類の精神の進歩がここ4000年とか5000年の間に急速に進んだ、ということも俄には信じ難いよね・・・」ドクトルもそう思う.
しかしその間に文字ができて、概念の伝達ができるようになって、神の声に従わなくても人が生きていけるようになってきたとしたら・・・
ジュリアン・ジェインズ(Julian Jaynes 1920年2月27日 – 1997年11月21日)アメリカの心理学者.英: The Origin of Consciousness in the Breakdown of the Bicameral Mind(1976)(『神々の沈黙-意識の誕生と文明の興亡』)と、そこで提唱した二分心で知られる.
「この先生、神々の沈黙が生涯で唯一の著作らしいです.大学の心理学の教授で、その講義は学生に人気だったそうですね」
意識の研究で第一人者だった、ダニエル・デネットは、この本を大絶賛したと、カバーに書いてある.
「私がこの本買って、読んだのは、もう20年くらいになるのでしょうかね、ちょっとびっくりした記憶だけが残っていて、その内容をよく読んでませんでしたね・・・ダニエル・デネットの分厚い本、本棚に並んでいるもんだから、訳もわからないで、何冊も買い込んできて、本棚に置いてあるのだけど、ほとんど読まない.
意識の研究、フランスのシャンジャーって人の本も本棚にあるけど、なんとなく買った本が、ニューロン人間、だったかな?その弟子の、なんと言ったかな・・・意識が生じるのは、神経回路の処理の時間差が原因、なんてちょっと書いていたのにすごい引っかかったことがあったのだけど、その本も買った気がする・・・」
「ドクトルの本棚、ダニエル・デネットの本、確かに分厚い本何冊かありますね・・・その関連で買ったとなると・・・デュアンヌ・・・ですか?」
「意識と脳」スタニスラフ・デュアンヌ、この人はシャンジャーの弟子でよかったのでしたっけ・・・・
ここで、ドクトルは、宣言した.
これから、以下の本を、別館学派が総力を上げて、読み解いていくこととします!
「おや、そんな学派あったっけ?」アテナがいう.
「俺も聞いたことないな・・・」ルシフェルもいう.
「まあ、ものは例えで、私一人では、どうしようもないから、皆さんのお知恵をちょっと拝借させてください、みたいなことですよ」
「神々の沈黙」ジュリアン・ジェインス
「ニューロン人間」 ジャン=ピエール・シャンジュー(Jean-Pierre Changeux, フランス語: [ʃɑ̃ʒø]、1936年4月6日 - )
「意識と脳」 スタニフラフ・デュアンヌ 1965年生まれ!なんとドクトルよりも年下だった・・・・
「意識」の起源、なぜ意識があるのか?
その問題は、精神の発展の歴史にも関係あるかもしれない.
これから皆で知恵を出し合って、分厚い本を読み解いていきましょうか、ということになった.
皆、どんな本が書いてあるのか、ワクワクする.
しかし、それを持続できないのが「悲しいかな・・・」であるのだが.




