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エルサレムの神殿建設

ソロモン王の裁きを受けて、ゼウスが宮殿から出てきた.

二頭のラクダ、すなわち、ラダーとクダーの二頭は心配そうに待っている.しかし、ラクダ本来の顔つきからは、いつもの通りのほほんとしているようにしか見えないのだが.


「いいねー、お前たち、悩みなんか何もないんだろ・・・」とゼウスに言われたことがある.


「いえ、旦那、あっしら、こんな顔をしてますが、それなりに悩みもあるんですぜ」


「へえ、どんな悩みがあるんだい?」

「そりゃ、色々でさ・・・」


ベイルートの街で、ゼウスに引き取られてから、一緒に旅を続けてきて、それほど長い、期間ではないのにもかかわらず、彼らは、すでにゼウスの一の家臣である.


ユダヤの厳しい王様のどんな裁きがあるのか、心配でしょうがないという、心の声である


役人につれらてて、ゼウスが出てきたところを、ラクダたちは近寄って、どんなお裁きがくだったが、聞いてみる.


「旦那、どんなおさばきが・・・まさか、死刑なんてことは・・・・」


「あ、死刑か・・・人間にとっては一番重い刑罰だろうな、命に終わりがあるからな・・・」


「旦那どういう意味で・・・」


「私たち、神々は、不老不死なんだ、だから死なない.死刑になっても魂が死なないから、刑罰にはならないんだよね.我々にとって一番辛い刑罰は、タルタロスに幽閉されて自由を奪われること、かな・・・」


「はあ?」ラクダたちはまだよくわからない.

「だから、ある意味今回みたいに自由を奪われて強制労働、あのミカエルにしてみたら、私に対して、一番嫌な、刑罰を課した、とでも思っているのかもしれないね・・だとしたら、ミカエル、私のことを完全にみくびっている.

 何せ、私は、体を動かして労働することが何より好きなんだからね.」と彼はラクダたちにウインクしてみせた.


「旦那・・・・」ラクダたちは、ゼウスのお茶目に痺れた.このお方に一生ついていこうと思った瞬間かもしれない.


古代ギリシャの人々は「健全な肉体に健全な、精神が宿る」考え、何かにつけて体を動かし、鍛え、そして体を動かした後に勉強したり、皆と議論をするのが大好きな人々であった.体を鍛えるその実践として、オリンピックの競技を4年に一回開催した.そしてこのスポーツイベントはこのゼウスその人に捧げられた催しであった.


「で、旦那の刑罰は・・・」


「今言ったろ、強制労働!神殿を作る工事の手伝いをしろってさ.モッコ担いで、わざわざ重たい、石ころとか、ほらこの前レバノンで見たろ、あの杉の材木運んで、鉋で削って材木使って、中は金箔だってよ・・・なんか趣味悪くね?」


「いや、旦那冗談にもそんな王様を侮辱するようなことは・・・誰に聞かれてるか、わかりゃしやせんぜ」


「しかしな、ソロモンの王様、必ずしも私に対して悪い印象は持っていなかったみたいだな.私を目の敵にするのは、ほら、あの、宦官で、侍従長っていたろ、むすっとしたミカエルっていうやつ.なんでもあいつは、ユダヤ教の最高神祇官とか、異端審問官みたいなのも兼任で、他の神々を信仰する民やら、精霊にはめちゃくちゃ厳しいらしい.今度作業を手伝いをさせられる、現場も、なんかそういう奴らがたくさん働かされてるらしいぜ」


「旦那は、なんの咎で罰せられるので?」


「政治犯ってやつさ、だから結構、そういう奴らとは私は気が合うんじゃないかと思っている」


ゼウスは、油と、袋いっぱい煮詰めた、宝石、それに鉄製のナイフは取り上げられた.不思議なことにコルヌビアは、

「なんだこの汚い、ヤギのつの、笛でも吹くのか?ソロモンの役人の目は節穴のようで、この無尽蔵のアンブロシアを作り出す、神の器に対してはなんら興味を示さなかった.そして、肩から引っ掛けるように、紐までつけてくれたのだった.

 そしてな、喜べ、獣の助けがあると工事も捗るだろうということで、お前たちも一緒に行けることになった」


「そりゃよかったですが・・・・」

ラクダたちの心配は、荒くれの政治犯と、ゼウスがどううまくやっていくかということであった.彼らはゼウスの天性ともいうべき、人付き合いの良さ、人たらしの才能をまだ知らなかった.そして何より、ゼウスと、ソロモンが、長く心の中で会話して、すでに、ある種の友情が芽生えていることも知る由がなかった.


「ただし、私にも一つだけ、心配事がある・・・」


「心配事・・・」


「それはね、工期が伸びて、世界を見極めにいく、旅行の予定が大幅に遅れること・・・」


「旦那、今回の旅行、予定があったんで・・・・」


「ははは、はっきりいって、予定なんか、何にも、考えていない!」


二頭のラクダがずっこけた.

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