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レトとヘラ


これまでアルテミスと、アポロンの兄妹についてまとめて語ったことがない.

そろそろこの兄妹のことを語らねばならない.オリンポスの12神で、まとまった一話がないのはこの兄妹だけであるし.


兄妹というと、そもそも、アポロンが兄、アルテミスが妹という書き方になってしまっているが、実は、姉弟と書いた方が良いのではないかと、色々調べてみると思えてくる.先に生まれたのは明らかにアルテミスだから.


双子の場合は、先に生まれた子が弟で、後から生まれたのがお兄さんとまことしやかに言われるが、本当か?と思ってしまう.


アルテミスとアポロン、なんとアルテミスは、母親、レト様の、出産を助けているのだ.そして、自分の生まれたオルテュギアー島から、母親の手を引っ張って、デロス島に行き、そこで母親はアポロンを産んだのだ.どう考えても、アルテミス、アポロンのお姉ちゃんじゃね?双子は、確かに同時には、生まれてこないだろうが、この兄妹、違った、姉弟の場合、ある程度女の子の方が大きくなって歩けるようになって、母親のお産の手伝いまでできるようになっているのだから、どう考えてもお姉ちゃんだろう.妹が自分が生まれる時にお母さんの手を引いて逃して、その出産のお手つだい、あり得ないでしょう.ただし、人の場合は・・・


「神々の時はそれがありなのだ、と全知全能のゼウスがいうのであれが、私は潔く時節を引っ込めますが.」ドクトルはそういうが、


「まあ、そうだな、俺もその辺の事情よくわからないから、なんとも言えないがな・・・」ご本人もそういうことだし.


「兄妹の上下、はっきりしているのは、俺の子供たちで言ったら、


一番上が、ヘパイストス、次がアレス、で、その次となるとちょっと怪しくなるんさね.


アレスは、アポロンが生まれるときに、レトの監視する役目を追ってるし、

アポロンは、ヘルメスがまだ赤ん坊の時に牛を盗まれているから、当然ヘルメスが弟だろうし・・・


アテナもヘパが結構おっちゃんになってから生まれたから、明らかに、ヘパよりは若い、でもアテナと、アレスはどっちが先に生まれた?ということはわからない.


ディオニソスに至っては、アレスの、ひ孫?だからずっと年上ということになるのだが、まあその辺も、神話的、おおらかさで有耶無耶にしてんだよね・・・」

(詳しくは、第24話「ヘスティア登場!」をご参照ください.)


まあいい、神々の親子関係、はわかるとして、その兄弟姉妹の関係は、時系列があやふやだから、それに双子だとか、父親の違う双子だとか、ややこしいことが多すぎるので、不問とさせていただく.


前置きが長くなったが、アポロン誕生の物語をはなそう.


アポロンとアルテミスの母親のレト様は、ディタンの神の

コイオスとポイべの娘である.

ヘシオドスの神統記によると、

ポイべは、コイオスの愛を受けて、

「黒衣をまとう、レトを生まれた.この方はいつも穏やかで、人間どもにも不死の神々にも優しい」


黒い服、喪服の似合う落ち着いた女性?

めちゃくちゃ優しい?


「彼女は、もとからおとなしく、オリンポスの全ての神々の中でも いちばん柔和である」

女嫌いであると言われた、ヘシオドス、レト様のことは大絶賛である.(彼の好みでもあったのか?あるいはキャピキャピが嫌いなだけ・・・)


そんな、女性を、人の歴史においても、ちはやぶる、神の歴史においても、最も好色と言われるゼウスが放っておくわけはない.しかし彼はすでに、ヘラ様という正妻がいた.

これは、オリンポスで一番おっかない女である.


ひと騒動、もふた騒動も、勃発しないわけがない.


身籠ったレト様、ヘラ様の厳命で、日のあたったことのある場所で出産を禁じる!

イリスと、アレスの監視の目が地上に隈なく、張り巡らされた.

レト様は、ピュートーンという蛇に追いかけ回された.彼がレト様を追いかけ回したのは、そのうんだ子供が自分を殺すという予言があったからである.


ヘラは自分の娘である、当代随一の助産師である、エウレイティアに、レトの出産を手伝うこと一切まかりならぬと命じた.


オルテュギアー島でアルテミスを産み(アルテミスの出産は難産ではなかったのか?)、アルテミスに手を引かれて、デロス島に行き、ポセイドンの親父が、ここで、レト様を保護した.


この親父さん、なかなかははからいが、粋というか、ヘラ様、太陽の光の当たるところでは、出産まかりならぬ、とのご命令だが、

「じゃ、日が差さねえところならいいんだな」と大きな波で、島中を覆い隠して、日の光を遮った.


最初は、産婆のエウレイティア、ヘラ様の命令で動けない、手伝いに行きたいけど、行けない、ヘラ様の伝令役のイリスも、みるに見かねて、彼女を、デロス島にこっそり連れて行った.


9日9晩に及ぶ難産の末、レト様は、シュロの木のそばで、アポロンを出産した.


アルテミスが出産を手伝ったという神話もあるらしい.


この出産には


 ディオーネ(まだ出てきていない.そのうち説明する)、

 レア(みんな大好きおばば様)、

 テミス(おばばの妹、堅物裁判官)、

 アムピトリテ(ポセイドンの奥方にして、長老ネレウスのご息女)


などの大物、女神が立会あった.

アポロンが生まれると彼女らは歓声を上げた.


大地は微笑み、天空には白鳥がめぐった.誕生がこれだけ祝福される神も珍しいかもしれない.


アルテミスは出産時、母に苦痛を与えなかったので、産褥に苦しむ女性の守護神となった.アポローンは生まれるとピュートーンを殺したとも、ヒュペルボレオイの地に運ばれたともいわれる.


地中海の地図をここで確認してみよう.

ギリシャの先端、ペロポネソス半島と、小アジアの西岸、そこから、デロス等は等距離にある.ペロポネス半島のヘラ様と、小アジアの、レト様の勢力争いの構図だろうか?緩衝地帯として、デロス島があり、アポロンはそこで生まれた.


極寒の北の大地?ヒュペルボレオイの地は、アポロン信仰の盛んなところである.

対立する側室の産んだ王子、亡命とか、逃避行的な意味があったのかもしれない.










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