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ちゃんと授業聞いておけばよかった「高校の物理学」

ドクトルは、高校時代は、ほとんど勉強をしなかった、という.


静香や、はるな、海丸君は皆揃っていう.


「ほんとにー?」と


本当にそうなのだ.


「まあ正確にゆうと、現代国語と、古文と、日本史と、あと無理矢理、英語ですかね、高校時代に勉強したのは.」


「でも、そんなので、お医者に、なれないでしょ.」静香には理解できない.

「証拠を見せて、証拠を・・・」はるなもいう.


「証拠ならあります.これです」とドクトルが取りだしたのは、ドクトルが高校時代に、使っていた、というか、指定された(読んだ記憶がない!)、教科書、


高校物理I,IIである.


表紙の隙間に、何枚か、乱雑におられた紙が入っている.少し乱暴に取り出して、ドクトルはそれを皆に見せる.


「ほら、これが定期試験の、答案用紙です.」


「どれどれ・・・・」

乱雑に折り曲げられ他、鉛筆書きの答案用紙を見て、静香とはるなと海丸君は、


「え?」

「うそ!」

「まじ?」


という、顔をして、そして、声には出さないで、ドクトルの顔を見る.


5枚くらいの返却された、答案用紙、大きな問題は、3つか、4つ、その中に物理量の次元式というのだろうか、それを答える問題がある.


物理量の次元式とは、以下のようなものである.つまり、


長さ[L]、質量[M]、時間[T]、

面積[L²]、体積[L³]


速度 (v = 距離/時間)[L T⁻¹]

加速度 (a = 速度/時間)[L T⁻²]


力・運動関連

力 F = m a

質量 × 加速度

[F] = [M] [L T⁻²] = [M L T⁻²]


運動量 p = m v

[p] = [M] [L T⁻¹] = [M L T⁻¹]


仕事・エネルギー W = F × 距離

[W] = [M L T⁻²] × [L]

= [M L² T⁻²]


パワー(仕事率) P = W / t

[P] = [M L² T⁻²] / [T]

= [M L² T⁻³]


圧力・密度

密度 ρ = 質量 / 体積

[ρ] = [M] / [L³]

= [M L⁻³]


と言った式である.

それが、五問くらいあって、たまにひとつくらい○がついている.正解はそれだけ、あとは解答欄が白紙か、バツである.配点がいくつなんだろう・・・・


おそらく、そこの配点が100点なのだろうが、ドクトルの答案用紙には脇に、10点としか書かれていない.5点だけという時もある.


最後に「自由の広場」と好きにいたずらの文章を書きなさい(おそらくは配点はないらしい)という欄がある.そこには、答案用紙の面、下の方から、裏面にびっしりと、色々書いた文章が、鉛筆で汚い字で書かれて、その点数が、20点とか赤のボールペンで書かれている.おそらく先生のお情けである.

 あるいは、こんな生徒、留年でもされてまた来年も授業なんでまっぴらだという、どうしようもない生徒の追放政策の一環かもしれないが.赤点が、40点未満、これだけそこの厚い高下駄を履かせてもらっても、なお、30点前後、それでも、及第点に及ばないのに、ということを考えると、やはりさっさと追い出したいからこのような採点になったと考えざるを得ない.


神と精霊の声が聞こえる、ドクトルと、静香とはるなには、皆の心の声が聞こえる.


「それにしても、これは・・・」海丸君は、やっとのことでこれだけの言葉を絞り出した.彼の心の呟きは(まさか、ドクトル・・・・ここまでひどいとは・・・)


(・・・・・・・・)

静香と、はるなは心の声も出せないくらいの驚きであった.


無遠慮なルシフェルだけ、声に出していう.


「ほお、これはひどい!」あの、世界最悪の魔王は、平然と言ってのけた.

彼が続けていうのは、「おめえ、高校よく卒業できたな・・・・」


実際その程度の試験結果である.合格は40点、しかしドクトルの物理は大体、30点止まり・・・・・


「そう、なんで卒業できたのでしょう・・・・」ドクトルはいうのだが.


優しいはるなは、「まあ、でもその後の勉強頑張ったからでしょ、ねえ、ドクトル元々お勉強好きそうだし、ね・・・・」


「いや、でも、高校時代とはいえ、こんな試験結果だった人と、お勉強とか・・・

私、もう、ドクトルと一緒に勉強するのやめよかな、と思うくらいだね・・・」


「・・・・・・」という心の声も含めた沈黙は海丸君のありったけの優しさの表現?それとも(呆れて声も出ない、僕もドクトルと一緒に勉強、やめよかな・・・)

ということか.


実際、ドクトル、物理の授業どんな感じで聞いたのだろう・・・


「もちろん、教科書なんて読んだこともありません.予習、復習?なにそれ?

って感じだったのでしょうね.」


「おめえ、そういうことは、威張ってはいけない.海丸の手前・・」ルシフェルは将来有望なだいじな甥っ子の手前、少しムキになった.


「はいすみません.」ドクトルは少ししょげた.昔の話なのに・・・


先生が黒板いっぱいに書いた数式をノートに写した記憶がない.

先生の話で覚えているのは、ジョン・レノンの暗殺の話題と、スペースシャトルの爆発、

「物理の数式、なんと美しい・・・そう思いませんか・・・」と髪が長めでナヨナヨした感じの先生がうっとりと話のを覚えているくらいである.


「私は、高校時代には医者になろうなんてこれぽっちも思っていなかったですし、文学部に行って、歴史家哲学でも勉強するか、くらいの将来展望でしたからね、そもそも物理は自分の人生に関係ない、そういう感覚でしたから・・・・」


「じゃ、なんで・・・」やっと、海丸君が声を出すことができた.

「なんで、というのは?なんで高校を卒業できたか、なんで医者になろうと決心した理由ですか?あるいは医学部に入れたか?それとも物理とか数学を勉強するようになった理由ですか?」


「うん、そういうところ、聞いてみたい、私も・・・・」静香が身を乗り出して聞いてくる.


「さあ、どうだったでしょうかね、もう忘れてしまいましたね・・・・」


みんな、「えー、なんでー」


「そんなに聞きたい?」


「うん、うん・・・・」皆、身を乗り出して聞いてくる.


「じゃあ・・・」


「うん、うん・・・・」


「続きはまた今度」


「なんだこのやろう!」心の叫びをあげて、いつもは温厚な、海丸君が拳を上げて、静香はドクトルの襟首を絞めようとしていた.




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