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動物園!


レア様、皆にはおばば様と呼ばれている.ティタン王朝のお妃で、クロノスの奥さんである.詰まり、オリンパスの神々の親世代、ルシフェル=ゼウスやら、ポセイドン、ヘスティアたち兄弟姉妹のお母さんに当たる人である.


鬼丸正子は、おばば様が現代の日本で生活するときの仮の名前である.


来て早々のはっちゃけた行動が、「認知症」と間違えられて、ドクトルの病院で、詳しく診察してもらったところ、問題ないとされた.しかし、老人の一人暮らしは、ゆくゆく認知症のリスクになると言うことで、息子や娘、孫たちが多く住む、別館に住ませてもらうと言うことになった、らしい.


週の半ば頃に別館に引っ越すことが決まってから、親戚が皆別館を訪れる.


最初に来たのは、アルテミスである.彼女の母親がアポロンとアルテミスを産むときに、ヘラとの間に立って色々と兄妹の面倒を見たから、アルテミスは、おばば様には頭が上がらないし、何かと頼りにしているし、オリンポスでは、折に触れて様子を見に行っていた.アポロンもそうである.


次に来たのは、アテナと四天王である.アテナも、このおばば様のことが大好きである.しかしなかなか逢いには行けないでいた.


ヘルメスは、いつものように別館と、冥界と、オリンポス、そこらじゅうを行ったり来たりで情報収集をしているのだが、いつの間にか、おばば様が別館に住むことになったと決まって、慌てて様子を見に来たと言うわけである.


アルテミスが、別館におばば様を訪れたとき、

「おばば様、あれは・・・・」と言いかけて、おばば様は、口の前に指を立てて「シー」と言う仕草をした.そして黙ってろと言う顔で、顔を左右に降って目を閉じた.


アテナと四天王がガヤガヤドタバタと、おばば様の部屋に来たときも、

「あれ、おばば様、連れてこないの・・・・」


「アテナ!」

「へ?」

「あのことは、シーーー・・・」

「あ、そうか・・・・」


オリンポスの家のことはヘルメスとか、ハーデスがなんとかしてくれるでしょうと言うことで、覚悟を決めて、別館に越してきた、と言うところであろう.


今日は、おばば様が別館に来て最初の日曜日である.


今日は、皆が動物園に連れて行ってくれるとのことである.

愛ちゃんが、おばば様に色々と質問したのがきっかけである.


「おばばしゃまは何が好き?」首を傾げて、聞いてくる.


「そうだね・・・」おばば様はニコニコしながら、

「大きな動物、かな、クマとか、ライオンとか、ゾウとか」


「おばば様、パンダ見たことある?すごい人気者だったの.もうね、日本からいなくなるんだって、中国に帰っちゃうみたい・・・」けんちゃんも実は一度見に行きたいと思っていたが結局見れなかった.


「なんだい?そのパンですってのは?」

「おばば様、パンです、ではなくて、パンダ!白と黒のクマで、中国にだけいる動物なんですよ、クマで肉食前提で牙もあるのに、竹だけ食べるって変わった生き物ですよ」孫の海丸くんの解説である.


「へえ、変わったやつだね、わざわざ、苦労して、栄養の少ないササ食って肉食わないクマって、なんかヘラクレスみたいで苦難の道を好き好んで、突っ走るみたいだね、そんなところが人気の秘密かい?」


「違うよ、オババしゃま、パンダのに人気はね、可愛いからだよー」愛ちゃんがいう


「ほお、ほお、面白そうだね・・・」幼い子達の話をおばば様はニコニコしながら聞いていた.


と言うわけで、日曜日は、動物園に行くことに決まった.


「あいちゃんが、おばばしゃまと手繋ぐの!」もう片方の手は海丸くんがつないであげた.


「ほらほら、そんなに急いで歩かないでおくれ、おばば様、転んじゃうよ・・・」

と言いながらおばば様はニコニコしながら、子供達に引っ張られながら歩く.


モノレールに乗っていく.おばば様と子供たちはなんとか座れた.他の大人たちは、席がないから立って乗った.

大きな川を越えた.

「ほお、オケアヌスの兄さん、こんなとこにも子供がいたのかい、あれは、誰だい?」


川の多くは、おばば様にとっては、甥やら姪が多いから、「なんて川だい?」とは聞かずに、「誰だい」と聞く.


川の名前はて鉄橋を渡る前に、白い看板に書いてあるが見逃してしまった.


途中に6つくらい駅に止まったか.


動物公園前の駅に着いた.動物園の入り口は、駅から出てすぐである.


中に入ってびっくり、人気の動物は、皆、奥の方、山の上の方にいるのだ!

来園者に、歩きなさい!と言っているのだろうか?しかし高齢者にはちょっと大変かもしれない.しかし園内のバスもあるから、大丈夫か・・・


入ってすぐ、左手に、お土産屋さんとか、軽く食事のできるところがある.レストランの建物に入ると、パンダの剥製があった.


「おばば様、これがパンダです.剥製だけどね」海丸くんが解説してくれる.


「ほお、白と黒で、なんか目の周りの黒いのが、愛嬌があるねえ・・・」


「でも、ほら、ちゃんと牙もあるんだよ、でね、消化管は肉食用だから、食べた笹はほとんど消化不良になるらしい」お!アルテミス.いつもの猟師の格好でなくて、女の子らしい格好でいるからわからなかった.


まずは、入ってまっすぐ行ったところを右に曲がった.ライオンとか、ゾウのいる方に向かう.途中に、昆虫館があるが、おばば様はライオンとか象が好きと言うからそちらに先に行くことになった.


「わあ、ライオン、いっぱい・・・」愛ちゃんも実はライオンを見るのは初めてである.皆、栄養状態は結構良さそうである.

(ある市立動物公園は、ライオンの肋が見えていた.そして、雌の方が太って大きく見えたことがあった.エサの肉とか、どうしてるのだろ・・)


皆で柵の下のライオンを眺める.


おばば様が、ボソボソなんか言っている.


「え、何、おばば様・・・」アテナが聞いてみる

それに応えると言うのではなくて、おばば様は小声でなんか言っている


「かわいいね・・・・飼いたいね・・・・」


アルテミスも近くにいたから孫の二人は「ぎょ!」とした


アテナと、アルテミスは、目くばせした.


「おばば様、今なんて言ったの?」はるなが聞いてきた.

「いやいや、なんでもない、なんでもない・・・」


その後もおばば様は譫言のように「かわいいねえ、飼いたいねえ・・・」

と言いながら大型の動物を眺めていた.


坂の上方まで、一通り見た.見たい動物が上の方にいると言う、残酷な構造の動物園をなんとか制覇して、コアラ館とか、有袋類とかを見て、そろそろ下に降りて行きますかと言うところで、園内のサイレンがなった.


「ご来園の皆様にお知らせします、ライオンが、2頭、檻から逃げました.職員の誘導に従って、避難してください.近くにバスが通りましたら、速やかにお乗りください.くれぐれも動物に近づかないようにお願いします」


「なんてこった!」アテナと四天王は、さっき見た、猛獣エリア方に向かう.アルテミスはすでにいなくなっている.海丸くんも猛獣エリアに向かう.


榛名や、ドクトル、静香に、ママと子供たちは、通ってきたバスやら、安全な建物の中に入った.ルシフェルはその護衛に残った.


「あれ、おばば様は・・・・」

「しまった、外にいる!」


パトロールの車に乗った職員が、ふらふらとライオンの檻の方に向かう、おばば様を見つけて警告する.

「そこのお客様、速やかに車にお乗りください、ライオンが檻から逃げて、危険です!」


一頭のライオンが、茂みの中から出てきた.小高い丘のようになっている.さらに逃げたもう一頭も、現れた.

アテナと四天王、アルテミスが、オババ様の前を守る.海丸が、おばば様の手をしっかり握る.


おばば様は、海丸くんの手をやさしくはなして、

「まあまあ・・・」と若者たちを制して、ライオンたちの前に近づいていく.


「あ、おばば様!」

「お客様、危険です、それ以上近づかないでください・・・」


おばば様はどんどんライオンに近づいていく.


二頭のライオンが飛び出し、オババ様に襲いかかった!

ように見えたが・・・・


「おお、よしよし、狭いところで辛かったろ・・・」


なんと、おばば様は、ライオンをなでなでして、手懐けてしまっている.


ライオンはにゃー、にゃーと猫のような声をあげて、そこらを転げ回っている.


「さあ、お前たち、檻にお戻り・・・」

おばば様が諭すようにそう言うと、二頭のライオンは檻の方に戻っていった.檻に戻ったところを確認して、職員が柵に鍵をかけた.


・・・・・・・・・・・・・

レア様、その聖獣はライオンで、絵画や石像には、ライオンを侍らせている.


オリンポスで飼っていた、ライオン数頭は、ハーデスに引き取ってもらい、ケルベロスに番をしてもらうことになった.


「飼いたいね、ライオン・・・かわいかったな・・・」

別館に戻った後も譫言のようにおばば様は言い続けた.









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