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「ゲノム」とは?


以下の文章は、


「一度読んだら絶対に忘れない 生物の教科書」(山川喜輝著)

を参考にして書いています.あらかじめお断りを.


DNAは、遺伝物質の中心である.

しかし、DNA≠遺伝子である.

遺伝子≒遺伝情報?


ドクトルの素朴な疑問である.


要するに、

遺伝情報=ゲノム

ということか?


ゲノムは、製品の設計図全体

遺伝子は、その部品の設計図?そうではなくて、部品や料理の材料の、発注伝票みたいなもんか?


遺伝子とは、ゲノム全体から翻訳されるタンパク質の情報であり、ゲノムは、体をどのようにそのタンパク質の材料をいかに組み合わせて、一つの料理にするか、ということらしい.


料理本に例えれば、あるいは工場の製造工程で言うと、


遺伝子はその材料、や部品の発注伝票、の原本、mRNAは原本のコピーで、工場、あるいは調理室ではそのコピーを元に材料、部品を揃える・・・

ゲノムは、その全てを記載した一冊の料理本、だから材料の調理法、あるいは部品をどう組み立てるか、を書いたモノ・・・


「なんかしっくり行かないですね・・・」再び、ドクトルの素朴な感想である.


人のゲノムは、DNAの塩基にして、30億対の組み合わせがある.

しかし、その中で実際にタンパク質に翻訳されるのは、4500万塩基対、全体のゲノム情報のわずかに1.5%に過ぎない、という.


「一度読んだら絶対に忘れない 生物の教科書」の中で著者の山川喜輝先生は、


『では、タンパク質に翻訳されない領域にはいったい何があるのでしょう?』と素朴な疑問を述べられている.


「ゲノム情報のうち、材料に関するつまり、遺伝子の情報がタンパク質に翻訳される情報な、全体の、1.5%だとしたら、後の情報は、料理の作り方、とか、材料の個数とか、分量、途中で何を混ぜるか、予備にいくつ作るか、いくつできたら製造を中止して次に作業に移るか、という、詳しい’レシピ’、あるいは製造方法、を書いてある全体図が、ゲノム、ということでしょうか・・・」


「じゃ、ゲノムの中には、タンパク質に翻訳されない情報が、ほとんど詰まっているということになりますか?残りの98.5%の情報はどのように機能しているのでしょうか?」おませな海丸くんはもうそんな考察ができる.流石に神の子である.


遺伝子が、mRNAに転写されて、リボゾームでトリプレットコードから、アミノ酸の配列に翻訳されて、それがタンパク質になるというのが遺伝情報の翻訳からタンパク質を作る「セントラルドグマ」として教えられてきたのだが、それが「ゲノム」全体の情報としては、わずかに1.5%!その他大勢の、DNA塩基配列はほとんど何もしていない?ただの飾り?


「いやいや、そんなことはないだろう・・・」ルシフェルが話しに加わる.


「mRNAが、スプライシングを受けて、前駆遺伝情報のスプライシングのされ方によって複数のタンパク質が合成されるのは、遺伝情報を、無駄使いしないためだ、とかってどっかに書いてあったぞ、じゃ、98%の、タンパクに翻訳されないこの膨大な遺伝情報の無駄の意味はいったいなんなんだ!といういうことになるかな.だから、何もしてません、わかりません、じゃ話にならない・・・・」ドクトルが意見をいうと


「無駄?いやいや、RNAのスプライシングは、情報の出し惜しみ、とか情報の節約ではなくて、組み合わせによって、多様なタンパクを生み出す、一つの知恵、だと考えるといいのではないかな?余分に見える、98%も、まだ解明されていない、機能がきっとあるのではないかな?」ルシフェルがいう.


「mRNAが材料の発注書だとするでしょ、それで、目的の材料が、多くでき過ぎたら、もう作らなくていい、という製造中止の指示書を、新たに出す、あるいは製造中止命令を出す仕組みを見つけたのが、ヤコブと、モノーのオペロン仮説ということかな?」海丸くんが、また鋭いことを言う.もうすでに生物の教科書で、オペロン仮説について勉強していると言うことか?


「その制御の過程の情報が、そのたの98%の「ゲノム」の中に盛り込まれるとしたら、何もやっていないどころではありませんね、それこそ情報制御の中心的な役割が他の部署でなされている・・・・」とドクトルは意見を言った.


「あとは、それぞれの細胞が、どんなタンパク質を作るか・・・」ルシフフェルがいうと、


「角膜上皮は、光を通すクリスタリンを作るし、膵臓のランゲルハンス島β細胞はインスリンを作るし、筋肉は、アクチンとミオシンをせっせと作るし・・・」ドクトルが、いつも思っていた疑問、


細胞ごと、臓器ごとの役割分担はなぜ可能か?

元はと言えば、一個の受精卵であるのに・・・


「そもそも細胞の役割分担、同じゲノム情報を持ってるのに、細胞ごとに作るタンパクが違うってのもよく考えたら、不思議ですよね・・・」海丸くんである.


「そう、そのことは、発生生物学的に重要な問題です.山中伸弥先生がノーベル賞を取った、iPS細胞、これは、4つの因子の導入で、細胞を、受精卵と同じように、分裂して、いろんな機能を持った細胞に分化する可能性を持った、多機能幹細胞を作ることに成功したと言うことなのです.」


ちなみにiPSを導入するときに、必要な、山中の4因子とは、


Oct4 (オクト4):Oct3/4 とも呼ばれ、初期化に関わる重要な転写因子.

Sox2 (ソックス2):Oct4と協調して働く転写因子.

Klf4 (ケーエルエフ4):細胞の増殖や分化に関与する転写因子.

c-Myc (シーミック):がん原遺伝子としても知られ、細胞の初期化を促進しますが、腫瘍形成のリスクも指摘されている.


「あと、重要なことは、山中先生と一緒に、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した、ガードン先生が1962年に行った実験・・・」

「あ、カエルの受精卵に、放射線かけて、核の機能を無くしたところに、腸管上皮の核を取りだしたのを移植したら、なんとオタマジャクシができた、って言う実験ですよね・・・」海丸くんはちゃんと知っている・・・


「そう、細胞の核の情報は、その周りの環境によって、分裂して多くの細胞の親になるか、あるいは特殊な機能を持つ、いろんな細胞になるかが、あるところで決まる・・・」


「でもなんか訳がわからなくなってきたから、今日のところはこれくらいにして、またそれぞれが勉強してから、議論を続けることにしようか・・・」年長者のルシフェルの提案に皆が従った.


「じゃ、こうしてはいられませんね・・・」海丸くんが書斎の本棚から、分子生物学関連の本をいくつか、取りだしてきて、読み始めた.


「私も、若い人に負けてませんよ・・・」ドクトルも、これまでちゃんと読んでこなかった本を、改めてちゃんと読もうと、ちょっとだけ、思った、のかな?


そもそも、それほど硬い決意とか、決心のできる男ではないので・・・・





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