ねえ、ホメロス、あんたどうしてる?「 膨大な人名の整理」
ホメロスやら、ヘシオドスが友達だったらなあ、と言う話である.
ドクトルは、ギリシャの神話を整理して、現代風にアレンジして二次創作小説を書こうとしていたが、ティタンやら、オリンポスやら、ギガースやら、せいぜい、10人そこらの集団の個人名とその神がどんなことをした、どこの出身で、ということを整理するのがやっとで、拙い物語を作ってきたのだが、
「アルゴーの仲間」を書く段ところで、パタリ、と筆が止まってしまった.
イアソンに率いられた、アルゴーの乗組員、全部で50人である.名前がしかもカタカナで、誰が誰で、それが、また誰の子供で、他の説では誰の子で、どこからきて、何が得意で、降りた港ごとにどんな行動をして・・・・
という、ギリシャ神話のお得意の「カオス」のおかげで整理がなかなかできないでいる.本を読んでメモしてもわからなくなってしまう.
「そもそも、あなたとか、ポセイドンのオトシャンが、いろんなところで、子供こさえて、戦争して、なんやかんやイベントをあちこちでするから、後の世の歴史家は困るんですよ・・・」
とは、ドクトルの愚直である.愚痴る相手は、ゼウス=ルシフェルと、ポセイドン、その場にいる、デメテルのお母さんである.
「まあ、その言い分にも一理あると言えば、ある.しかし断っておくが、神話と歴史は別物だと、俺は思う・・・」ルシフェルお茶を飲みながら、新聞に目を落としたままで、答える.
「まあ、そんなこと言ってもよ、ホメロスなんかは、文字もちゃんとしてなかった時によ、それを暗記して、面白おかしく語ってみせたのだから、おめえもそれ見習ったらどうだい?」
「そんな、アルゴノウツの整理さえおぼつかないのに、なんで、あのイリアス、オデッセイアの膨大な人物像を、整理して、その物語を語ることができましょうか・・・」 なんかドクトルも、物語の語り部のような話し方になっている.
「ヘシオドスの神統記、私のこの物語の原本、ということにさせてもらっていますが、彼が語る、オケアノスの娘の名前、気が遠くなります.とりあえず、皆さんの誓いの言葉になっている、ステュクスさんだけはその中から、文字を拾い出すことはできたのですが.アポロドーロスのギリシャ神話にしても、ブルフィンチのギリシャ・ローマの神話にしてもそうです.」ドクトルは続けて、
「神話の語り部の頭の中、記憶力ってどうなっているのでしょうね?
神話の語り部、やはり、ムーサが降りてきたのでしょうかね・・・」
「うーん、俺にはわからなん・・・」ルシフェルは下向いて新聞から目を離さないでまるで人ごとである.
ポセイドンはくるりと背中を向けて、なんと漫画を読み始めた.
「まあ、ホメロスにしても、ヘシオドスにしても、何百年、何千年に一人の語り部で、その道の中では天才なんだから、だからできたのでしょう・・・」デメテルのお母さんもあまり興味がなさそうな話し方である.
「まあ、神々のこと語るのは、雪割たちに聞いたり、ムーサの話を参考にしたり、上手い具合に物語、でっち上げればいいでねえの?所詮、俺らの話なんざあ、興味のあるやつしか見向きもしねえんだからよ」と、ルシフェルは相変わらず投げやりだ.
「そんなこと言っても・・・それにしてもルシフェルさん、あなた、ご自分のこと結構投げやりですね・・」ドクトルが半ば八つ当たりのようにいう.
「まあ、今の俺たちのこと、おめえがみた通りに、面白おかしく語れば、それが、新しい、神話になるんじゃねえの、俺はそう思う.そしてそれがおめえの役割じゃ、ないのかね」お、さすが、ポセイドンのオトシャン、いいこと言う.海丸くんの父上だけはある.
「まあ、最小限の、ギリシャの神話の知識、本読みながら、私の書ける範囲で書くしかないのでしょうかね・・・・」
ホメロスが、物語、膨大な人名の記憶、どうしていたか、なんてそれを物語にしてるといいのだろうが.あ、そう言えば、日本でも、稗田阿礼とか、日本の神様の物語どうやって語ったのだろう・・・
その辺のことも勉強すると、興味深いのだろうが、すると小説の執筆は遅れるが・・・
「まあ、コツコツとやりな」デメテル.
「そう言うこと!」とポセイドンとルシフェルが言った.
(アルゴーの仲間の話、なかなか書けませんが今、色々と本を読んで、ネタを仕入れているところですので、もうしばらくお待ちを・・・)




