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アフロディーテとアレス

今日もオリンポスの城下町、アフロディーテが女の子たちの嫌がらせを受けている.


「あ、ウラちん女だ、みんな、石投げたら怪我するから、石鹸持ってほれ、みんなでウラちん女を綺麗に洗おう!」


「わーい!ちOこから生まれた、泡沫アイドルは石鹸でよく消毒だ!」

実際にこのような高度な嫌がらせ、今の世の中でやったら、かなり問題になるのだろうか?現代のいじめっ子にそこまで徹底したいじめをする度胸があるか、というレベルの強力ないじめであり.


オリンポス上下にイオニア系、アイオリス系、ドーリア系、いろんなところから集まった、「ギリシャ人」たちが集まってきている.


アフロディーテをいじめた女の子たちは、レムノス島からの移民が多いらしい.リーダー格の数人がレムノス訛りである.この島のものたちが主に信仰する神様は、ヘパイストスである.


街の様子を見にきた、アレスが、またいじめっ子女たちを棒で追い払う.


「あ、アレスが来た!」

「人殺し、外道!」

「あ、戦争の神だ、みんな殺されるから、隠れて!逃げて!」

「戦争反対、暴力反対!」


いじめっ子たちの容赦のない、暴言は、今回はアレスにも向けられる


「わーい!」と言ってレムノスの小娘たちは逃げていった.


ツルツルの石の上に乗った石けんにつまずいて、転んだアフロディーテは、ちょっと頭をぶつけて、たんこぶができたらしい.


「おめえ、またいじめられてたんか・・・それにしても、女の子のいじめ、えげつねえな・・・」

アレスも弱いものいじめをするが、あそこまで陰湿で、しかも徹底したいじめはしないことにしている.今日は、俺まで奴らの標的になってしまった.いじめの標的に誰か味方があれば、そいつもいじめの標的にして逃がさないというのは、徹底して、陰湿さをより際立たせる.

「俺のやってるのはあいつ等のやってることと異質だな、もうちょっと対等な喧嘩、かもしれないな・・・」


ボソッとアレスが「いじめ」について論じている.


「あ、おめえ、頭ぶつけてるな、ぶつけたときの記憶とかあるか?吐き気とかないか?名前と誕生日行ってみ、今日は何日で、ここはどこだ?俺のこと覚えてるか?」重大な頭部外傷の可能性も考えて、一応の問診を取る.


「ええ、覚えてます、ごつんって音自分で聞こえましたから、痛かった・・・でも吐き気はありません.手の痺れとか、めまいもありません.私はアフロディーテ、誕生日っていつのことですか?ウラノスのちO子が切り取られた瞬間か、海に落ちた瞬間か、泡から私が今の形になった瞬間か・・・そういうむづかしい質問は困ります.アフロディーテ、わかんない.あ、ここはでもわかるよ、オリンポスでしょ、そしてあなたは、アレス様・・・」


地べたに座ったまま、潤んだ瞳で、アレスを上目使いで見つめる.

アレスとしたことか、ちょっと顔がほてったみたいになった.手を差し出して、起こしてやろうとしたが、我に返って

「うううんん、ダメダメ、その手にはひっかからねえ、俺は戦争の神であるアレス様だ.おめえ、そんな人から起こしてもらわないとダメな怪我じゃねえんだから、さっさと起きろ、これからヘスティアおばさんの家おいって、怪我の手当てしてもらうぞ、さっさと起きろ!」


厳しく当たるのが、結構辛い、そんなアフロディーテの潤んだ瞳だった.


アフロディーテは、アレスに手を繋いでもらいたかったが、彼はどんどん先を歩いていってしまう.


「おい、早くしろ!日が暮れっちまうだろうが・・・」と時々怒られる.

そのうちアフロディーテの方も慣れてきたのか、話し方が乱暴になってくる

「つか、俺を誰だと思ってんだ!こんな可愛い女の手も引かないで、どんどん先行くって、どんな、神経してんだ!あいつ、ホモか!」


「なーにー、誰がホモだってー」地獄耳のアレスにはちゃんと、悪態が聞こえていたらしい


「あ、いや何も、おほほほ・・・」


というやりとりをしながら、ヘスティアおばさんの家についた.


「おばさん、ごめんよ・・」


「おや、アレス、なんだい、今日も喧嘩して怪我かい、それとも、腹減ったのかい」


おばさんは、アレスの後ろに女の子が立っているのに気がついた.おや、今度、最高神の養女になって、ゆくゆくは、ヘパイストスの嫁になるという噂の子じゃ・・・・


「アレス、お前、この子は・・・・」

「おお、この子は、ウラノスのちん子から生まれた、ほうまつアイドルで、アフロディーテっていうんだ」


「おやまあ、ほんとに可愛い子だね、女の私でもびっくりしちゃうよ・・・・」

正直者の、ヘスティアおばさんは、驚嘆の声を上げた.


「で、この子、また今日も、レムノス島のアバズレたちにいじめられてた.助けた俺まで、悪口言われた・・・・」


「おやおや、大変だね、レムノスの奴らは、ヘパイストスを拝んでるだけあってかどうか知らないけど、自分の容姿を気にしないだけでなくて、ちょっと美形にはものすごい敵意を示してくるからね、私も、若いコロはそれはそれはいじめられたもんだよ・・・・」


「おばさん、どこまでが冗談でどこまでが本気なんだ、さっさとこのこの傷の手当てして、飯作ってくれよ・・」


「おやおや、アレスあんたは相変わらず、人に物頼むときの話し方知らないね・・・

まあいいや、あんた、アフロディーテって言ったかい?中にお入り、傷見てあげるよ・・・・」


いつもアレスの怪我の手当てをするように、おばさんはアフロディーテの頭の傷を見てくれた.お湯につけた清潔な布で、傷口を優しく拭いてくれた.


「なんか、おばさんに触れられるといたく無くなってくるような・・・」


不思議な感触であった.初めてかもしれない.


一度、最高神とか、アポロンに手当てしてもらったことがあるが、ここまで優しくはなかったし、痛みは変わりなかった.


手当が終わった後、夕ご飯を食べながら、アレスがヘスティアおばさんに聞いてみた.

「おばさんが可愛いからいじめられたっていうのはちょっと怪しいのだけど、女同士のいじめ、対応はどうしたらいいと思う?」アレスらしくない、素直な質問である.

アフロディーテが、少し、おや?と思う柔らかな口調である.

(穏やかなアレス様もなんかいいかも・・・)


「そうだね・・・」ヘスティアがしばし上を向いて考えた.


「まあ、悪口言われた時に、アレス流になんジャイ、われーというかそれとも、シクシクとうそ泣きするか・・・・やっぱり、アレス流がいいんじゃないかと・・・・」


私は思うというっことで、いじめられたときの対応というか返事というか、啖呵の切り方というかを練習してみた.


おばさんにいじめっ子腐れアバズレの役をしてもらう、


「あ、うらちんの女だ、やーい、やーい、石鹸でよく洗ってこーい」


そこでだ、絶対に顔を下に向けちゃダメだぜ、とアレスの演技指導が入る

下から上に睨みあげるようにだな、そう、そんな感じだ、そんで相手の顔を睨みつけて

「おう、誰がうらちん女じゃ、われー!」

何度か練習して、アフロディーテになんとか言えるようになった.怖い顔も、アレス先生の指導でなんとかできる自信がついた.


あとは、おめえのアドリブで、なんとか相手を黙らせる、呪いの言葉でも一言二言かましてやればいいんでねえの?


ということで、その夜は結構遅い時間まで、ヘスティアおばさんの家にいて、アレスト二人してこっそりとオリンポスの宮殿に帰った.

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


また城下町では、レムノスのアバズレたちがアフロディーテをいじめている.


アレスに教わった通り、下から上に睨みあげる感じ


「おう、誰がうらちんじゃ、われー」

一瞬怯んだ、女たちに、

「お前ら、一生風呂入らないようにして、島の男、みんな、島から逃げ出す呪い、かけたろかー!」


そうしてレムノス島の女たちは悪臭を放ち、男は全て島の外に逃げ出し、女だけの島になった.


さらに、その後、アレスとアフロディーテの間にできた、キューピーとその親友の海丸くんがぐれた時、不良になる方法を教えたのは、他ならぬアレスであった、とさ.












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