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 鍛冶屋と二重螺旋⑥「螺龍、起動!」


海丸くんにしてみたら、DNAのブリキの模型を作ってもらうつもりでヘパの親方に会いにきたつもりだったが、話が、巨大化して、大変なことになってしまった.


なんと、動く、DNAモデルである.しかも最新の分子生物学的な知識、知見が全て、入っているし、実験にも使える.つまり、ヌクレオチドのリン酸分子を硫酸に変えるとどうなるかとか、酢酸に変えるとどうなるか、シトシンの側鎖をメチル化するとDNAのふくせいとかRNAの転写がどうなるか、二重螺旋の乖離もいろんなシミュレーションで変化を見ることができる.大学の実験教育の教材にも使えそうな、優れものである.


海丸くんは早く動かしてみたくてワクワクしている.


説明をヘパ社長や、アテナから詳しくしてもらって、誓約書を取り交わした後、アテナに聞かれた.

「海丸、これ、試しにここで動かしてみるかい?使い方の説明するよ、それとも別館でやるかい?」


「うーん、なんか早く、動きを見てみたいって感じだから、ここで、動かして見せてもらっていいですか」海丸くんは、別館に帰る間もおしいという感じでそういった.


オリンポス工業の屋外実験場に出て、説明と、クライアントの「試乗」会が行われた.


大きな運動場のような広場には、周りをぐるりと観客席?向こうは貴賓席?いわゆるVip席か?遠くてよく見えないが・・・・・


「!」

なんと、そこには12神が勢揃いである.中央にルシフェル=ゼウス、左にヘラ、

ゼウスの右から、すぐは本来アテナの席だが、彼女は競技場にいるから席にはついていない.


順番に、

アポロ

アフロディーテ

アレス

アルテミス

デメテル


ヘラの左隣には

ヘスティア(食堂のおばちゃんのかっこのまま出てきてるよ・・・)

ポセイドン(あれ、父上来てたんか・・・)

ヘルメスである.

ヘパイストスは操作スタッフとしてスタジアムにいる.


なんと、神議りの配置である.それが円卓ではなくて、横並びに座って観覧している.

「ローマのコロセアムみたいな、神々観覧のスポーツとかあったのだろうか・・・」

オリンピックの競技を12神勢揃いで、したという記録や神話は残念ながら見つからなかったが、こういう重大イベントの時には、あった、ような気がする.なにぶん好奇心旺盛な神々である.


そしてさらに12神から少し離れたところに、はるなもちゃっかり座っている.ヘスティアの食堂を少し手伝っているだけのはずが・・・

あ、オリオンのにいちゃんもきてくれてる・・・


競技場の中央には、海丸くん、ドクトル、静香、アテナにヘパ社長がいる.


操作用のタブレットを海丸くんが持ち、両脇で、ヘパ社長と、アテナが付き添って説明する.


「じゃ、海丸、いくよ.起動ボタン押しな!」アテナがいう.

「あ、はい・・・」海丸はちょっと戸惑った.

まず、電源ボタンを押した.画面には、アップルのマークと同じような、模様が出た.


おや、これは北野天満宮の梅の模様・・・・


続いて「螺龍 ver.1」の文字が出て、

タブレットが起動した.


’helix dragon standing by・・・’

文字が出るのと、同時にタブレットが声を発した.


次に「起動」のボタンが表示された.


「まず、起動のボタンを押す、すると、小型のヌクレオチドのドロン型ロボットが出てくる、そして、少し長い、プライマーと、二重螺旋DNAの龍が出てくる作りだ・・・」

社長の説明である.


「それじゃ、いいですか、押します・・・」海丸くんは少し緊張した、勇気を出した、起動ボタンのタッチパネルを押した


「立体重合形DNAロボット、螺龍、起動します!」


起動の文字を彼はタッチした.


空から無数の、ドロンのようなロボットが飛んできた.表面に、A ,T ,C ,Gの文字が見える


続いて、あまり大きくない、すでにいくつかのヌクレオチドが重合して完成した、プライマーロボットが、数機飛来したあと、


遠くから、龍神がうねりながら飛んでくる・・・・・

ダブルストランドドラゴンである.

・・・・・

ここでアテナの説明が入る.


「そんでね、海丸、パネルを見てごらん、

こっちに、

複製 replication

転写 transcription

翻訳 translation

・・・・・・

てあるだろ、まず複写ってとこ押してみな・・・」


アテナに言われるままに複写のアイコンを押した

次に、いくつコピーが必要か、ってのが出るだろ、

それは、数字を入力すればいい、まずは、4つにするか・・・

これはね、注意しないとダメなのは、2のn乗でコピーが増えることになる、だから4だと、2回コピー、8だと3回コピーになる、それが5とか、7だと、反応が途中で止まることになるんだ、試しに4で入れてみな」


海丸くんは数字の入力を4にした.


「そんでな、二重螺旋が乖離するときの設定温度と、その時間、低温から高温に戻すまでの時間設定も入力しないとダメなんだ・・・」


二重螺旋の大きなドラゴンが、動き出した.小型ドロンが、向かい合って、塩基同士で結合して、螺旋状に合わさっているのが、みるみる解け、そこにポリメラーゼロボットが結合し、さらにヌクレオチド型の小型ドロンが流れ込むように、乖離した、DNA一本螺旋に吸い込まれるように結合していく.二重螺旋ドラゴンが二つ完成したところで、さらに次の反応が起こり、

新たに二重螺旋ドラゴンが四つ作られたのだ!


「おお!!」

神々からも驚嘆の声が上がった


ドクトルと、静香はしょんべんをちびりそうなくらいに驚いた.

遺伝子の複製が、実際のロボットの動きで見ると、こんなダイナミックなものであるとは!


コロセアム中が、興奮のるつぼに投げ込まれたのはもちろんである.


会場中の興奮をよそにアテナと、ヘパイストスは平然としている.

「そんでな、この複製の反応を止めたい時、こちにヌクレオチドロボットのアイコンがあるだろ、リボース、2、3デオキシを使うと、反応が止まるんだ.ちょっとやってみるか?」


・・・・・・・

「これはな、人間の世界のDNAの塩基配列を調べるときに、Sanger sequenceって方法で、どの塩基で反応が止まったか、っていうのを順に見ることで、DNAの塩基配列がわかるってのを、ロボットで表現したらこうなります、って仕掛けだ、面白えだろ」

・・・・・・・・・・・・・

二重鎖のドラゴンを、ヌクレオチドの単位に分解したり、する方法や、システムを終了するやり方までを習って、製作者側からの説明は終わった.


いよいよ、この、「螺龍」引っ提げて、別館に帰還だ!














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