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鍛冶屋と二重螺旋②「オリンポス工業中央最先端技術研究所」

「そんじゃ、ヘパのとこ行くかね・・・」

ルシフェルが立ち上がり、「ヘルメス!」と呼びかける


「へえ、お呼びで」

ハーデスの兜を脱いで、ヘルメスが現れる.

「おお、なんだ、おめえ、いたのか.じゃ、話は聞いてたな、ヘパの親方、あいつ今どこにいる?」


「へえ、すぐに調べやす・・・」


ヘルメスは神々のこと、スケジュールから、なにから全部把握して、すぐに最高神に報告できるようになっている.命令とあれば、即座に迎えにも行ける.


「ヘパの親方、今、は20世紀半ばの、イギリスのケンブリッジでさあ」


海丸くんと、ルシフェルは「え?」と顔を見合わせた.

ドクトルと、静香も「え?」と顔を見合わせた.


「・・・・・・・・」

「あ、動きがありやした、親方、古代ギリシャのオリンポスに帰られたようです」

「お、そうか、なんか用事あったんかな?」


ルシフェルと、海丸は、古代ギリシャ、オリンポスのヘパイストスに会いに行くことになった.

「なあ、静香とドクトル、おめえたちもせっかくだから来るか?特に静香は、一回も時間旅行したことねえだろ?」


「え、私に行けるのですか?時空を超えた旅に・・・」

「そりゃ、行けるさ、だって、俺たちは仲間同士だ・・・」


どっかでルシフェルが誰かに言ったセリフと同じかもしれない・・・・


こうして、ルシフェルに先導されて、海丸くん、静香、ドクトルが、古代ギリシャはオリンポスに向けて旅をすることになった.


江戸の昔、松尾芭蕉は「奥の細道」の冒頭を次にように書き記した.


月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり.

舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて老いを迎ふるものは、

日々旅にして旅を栖とす

古人も多く旅に死せるあり


予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、

漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、

去年の秋、江上の破屋に蜘蛛の古巣をはらひて、

やや年も暮、春立てる霞の空に、

白河の関こえむと、そぞろ神の物につきて、

心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて、

取るもの手につかず


股引の破れをつづり、笠の緒つけかへて、

三里に灸すうるより、松島の月まず心にかかりて、

住める方は人に譲り、杉風が別墅に移るに、


草の戸も住替る代ぞひなの家

表八句を庵の柱に掛置く・・・・


旅に出るのは決死の覚悟で、もう戻っては来れないかもという、悲壮感が漂っているように思うのは作者の私、だけだろうか・・・・

ましてや、時間旅行、しかも、遥か、西の彼方のギリシャである、さぞや命懸けの旅になるか・・・


と思いきや、そこまでは、悲壮な旅ではないらしい.


12神は、基本、時空を自由自在に飛び越えることができるのだ.


特に遊び人のルシフェルとか、アテナなんかは、ほんのちょっと外出してきます、的にオリンポスと、現代日本を行き来している.ヘルメスなんかはもっとすごいかもしれない.仕事で、1日にその距離と時間を何往復もすることがあるのだから.


12神の中では、デメテルの母さんは、ペルセポネが誘拐されたときに、娘を探し求めて、あちこちを歩き回った.悲しみのあまり、どこをどう歩いたか、訳が分からなくなって、迷子になったことがあった.それ以来なるべく一人で遠出はしないことになっている.だから、基本的に、デメテル母さんの遠出には、他に誰か若いのが付き従うことになっている.


冥界の王である、ハーデスや、その王妃であるペルセポネも、時空を自在に超えられるのだが、冥界と現世の行き来に関する法的な制約が多くて、ヘルメスの仲介がないときにはなかなか時空旅行の旅はできないでいた.


愛ちゃんと、健ちゃんも行きたがったのだが、あまりに急なことで今回は連れて行かないことにした.


「そんじゃ、いくぜ、目的地は、古代ギリシャ、オリンポス!」

時空の裂け目に一向は吸い込まれて、消えていった.

古代ギリシャとは、時間的にかなり大まかな気がしないではないが、その辺は曖昧にしておこう・・・・・・・・・


オリンポスのヘパイストスの工房には、


「オリンポス工業株式会社中央先端技術研究所」と、木のはし切れに、毛筆の手書きで、書かれた看板が、かけてあった.風で、飛びそうになる.


その上空、の空に裂け目ができた.


まず、ルシフェル、次に海丸くん、ドクトルに、静香が、最後にヘルメスがその裂け目から吐き出されるように落ちてきた.


静香は慣れていないから、下で待っていた、ルシフェルが受け止めた.こういうジェントルマンなところが、ルシフェルがそれなりに女の子にモテる理由かもしれない.


「あ、ありがとうございます.へえ、これが、古代ギリシャ、オリンポス・・・」静香は、しみじみいう.

「会社の看板、日本語なんですね、しかも、毛筆・・・」静香の緊張はこれでほぐれた.


「お頭、お待ちしておりました」

ヘパの親方が『研究所』の入り口で、四天王、キュクロプスを従えてお出迎えである.

 アテナも、いた.お、なんか作業着着てるアテナもいい感じだね.これは皆お揃いの制服らしい.アテナはこの会社の、特別顧問のような立場なのだ.

 ボロい入口、彼女は生まれてすぐ、ヘパイストスに手を引かれて、散々にわがままを言いながら、最初に帰った、「我が家」でさらに、幼少の頃に、育った「うち」でもあるのだ.四天王や、キュクロプスは、子供の頃から一緒に育った、「兄さん」たちなのである.


「海丸、おめえ、相変わらずちっちぇいな、いや、ちょっとはでかくなったか?」とヘパイストスが、ルシフェルと同じようなことを聞く.

「いやこの前、逆鱗のお守り、の採寸に来てもらったときに会ったばかりですけど」海丸くんがいうと

「あ、そうだった、そんじゃこの前会ったばかりか・・・」


「で、今回の用件は何だ?」


「あの、親方、DNAって、知ってますか?遺伝子の、その模型を作って欲しいんです!」海丸くんは、生物の参考書と、教科書を広げて、ヘパの親方とスタッフに見てもらった.


「なんだ、海坊、お前もか、俺、さっき、20世紀、イギリスの、ケンブリッジとかいう大学の学生にも同じようなこと頼まれていってきたとこなんだが・・・・」


一同、「やっぱり・・・」という顔をした


「学生で、ワトソンとクリックって言ったかな、DNAの立体模型をブリキで作ってくれってんでちょっくらいってきたとこだ、なにぶん道具が揃ってないから、模型だけ作って終わりだったけどな」


「!」


「ヘパの親方、同じのを作れますか?今、僕達、今、遺伝子の勉強、しているんです!」

「なんだ、そんなことか、慌てて来たから、戦争かなんかで使う、兵器の開発でもするんかと思ったよ、ははは、お安い御用だぜ、ちょっと待ってな・・・」


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