鍛冶屋と二重螺旋①「ヘパイストス、あなたには会わねばならぬ!」
遺伝子の勉強は続く.
核酸の構造、
プリン構造のアデニン(A)と、グアニン(G)
ピリミジン構造の、チミン(T)と、シトシン(C)
の塩基、
これが、DNAでは、5糖類のデオキシリボースの5番目の炭素にリン酸、1番に番にこれらの四種類の塩基、3番目の炭素についた、水酸基が次のリン酸と結合する.
(炭素の番号にダッシュ’がついているのは何故だろう・・・・)
「この、シャルガフ、って先生、なんか気になる・・・」
海丸くんは、いつも、目の付け所が鋭い.
ワトソンとクリックが、DNAの二重螺旋を着想する、きっかけとなった理論が、まさにこのChargaffの見出した、DNAの中の、塩基の割合、AとT,CとGの割合がほぼ等しいという「Chargaffの法則」である.
「海丸くんは、このシャルガフ先生、何が気になるの?」ドクトルが聞いてみた.
ドクトルもこの法則のことは、遠い昔、大学の教養時代の生物学の講義で、習ったような、気がする.先輩の詳細なノートが出回って、皆よく勉強したはずの部分であるのだが・・・・・
「エルヴィン・シャルガフ(Erwin Chargaff, 1905年8月11日 - 2002年6月20日)は、オーストリア出身の生化学者で、ナチス統治下の母国を離れ、フランスのパスツール研究所勤務を経て1935年にアメリカに移住した.注意深い実験により、DNAの二重らせん構造の発見につながる法則やシャルガフの規則を発見した・・・・」(whikipediaより)
「それでね、この先生、すごいのは、なんと、86歳まで仕事をつつけて、ワトソンとクリックに重要なヒントを与えていながら、ノーベル賞はもらっていない.あと、オーストリアに生まれて、国外に亡命されたのだけど、ユダヤ人だったのかな?その記載はないんですよ.色々と、興味のある先生なんだよね.」
「ほーいいつも着眼点が鋭いですね、試しに最新の内科の教科書、我々のバイブル・ハリソン内科を見てみましょう、索引にあるかな、Chargaff・・・と、あれ、ないな・・・」ドクトルは内科の世界的な教科書にその名前を見つけることはできなかった.
「じゃ細胞の分子生物学には・・・あれ、索引に載ってない・・・・」
Chargaffは実験的にA、TとC、Gの割合がほぼ同じで、ある種においてはその割合はほぼ同じ、肝臓とか腎臓といった臓器ごとにも割合は変わらないらしい、しかし種が違うと、これらの塩基の割合は変わるということも見出していたのだが、なんとこれらが、相補的に結合して、遺伝情報になっているという着想がなかった・・・・
ワトソンとクリックは、当時はまだ学生だったという.AとT,CとGがなんらかの結合をして、それが遺伝情報になっているのではないかと考えた.Chargaff先生の教えを乞おうと思ったが、相手にされなかったと書かれている本やら、情報を提供してもらったという本やら、いろいろあるようである.
それに加えて、ロザリンド・フランクリンのDNAのX線回折写真・・・・
そして、ワトソンとクリックは、街の鍛冶屋に頼んで、ブリキで、DNAの模型を作ったというのだ!
この部分を読んだ、海丸くんが突然叫んだ.
「なに〜!」
普段の彼からは考えられないこう興奮ぶりである.
「アテナ、にルシフェルのおじさん、ヘパの親方はどこ、四天王はどこ、こうしちゃいられない、ねえ、急いで!」
「お、ヘパは今、オリンポスかな・・・でもまた種子島とかに行ってるかもなも、あいつ大体はオリンポスの鍛冶場にいること多いけどな.でもおめえ、なにそんなに急に慌て始めて、どうしたんだ?」
「いいから、おじさん、すぐ、オリンポスに連れてって、ヘパの親方の鍛冶場に、早く早く、急いで!」
海丸くんはポセイドンの息子であるが、まだ修行中というか独り立ちが許されていないので、時空を自由に旅することは許されていない.12神の、おじさん、おばさん、いとこのお兄さん、お姉さんたちについていってもらわないとダメなのだ.
「わかったよ、これから行こか・・でもおめえ、なんでヘパに用事あるか、ってことくらい教えてもらいてえけどな・・・・」
「DNA,ブリキの模型・・・・鍛冶屋・・・早く!」海丸くんは、なぜヘパイストスに合わねばならないか、説明をする暇はなかった.




