子供たちの心配「海丸くん、大丈夫かな?」
別館に戻ってから、3日間、海丸くんはこんこんと眠り続けた.
龍の逆鱗騒ぎの後、ポセイドンに抱き抱えられて戻ってきた海丸くんは
一向に目を開く様子がない.
ドクトルと、ルシフェル、それに、愛ちゃん・健ちゃんのパパも海丸くんのことを診察する.
頸部に小さい擦り傷があるほかは、全身に目立った外傷がない.
顔の色は悪くない.時々顔を顰めて呻き声をあげる.
熱はない.低体温でもなさそうだ.
血圧も正常、パルスオキシメーターの酸素飽和度も問題ない.98から100%で問題なし.尿の流出も良い.かと言って、尿量が多いわけでもない.
採血の検査、電解質、血糖、電解質、肝機能、腎機能問題なし.アンモニア正常.
血液ガス分析も、問題なし.炭酸ガスは溜まっていないし、低酸素でもない,アルカローシス、アシドーシスもなさそうか.血算も問題なし.
頭から胸腹部のCT,頭部のMRIは、ドクトルとパパの病院で撮ったが、全く問題はなかった.心電図も正常である.
時々顔を顰める.痛くしたら、払い除けようとするし、手足の動きに明らかな左右差はない.腱反射の亢進もなさそうである.
眼位は正中、眼球頭反射も正常である.角膜反射も見られる.
瞳孔不同は見られないし、対光反射も両側迅速で問題なし.
時々、自分で布団をはいだり、寝返りを打ったりするのだが、目を開けない.
水分と食事は取れないから、点滴はする.高カロリーにする必要はなさそうだ.
このまま様子を見るしかあるまい、というのが医者たちの意見である.
とは言っても子供たちにはすごく心配だ.
「海ちゃん大丈夫かな?」と健ちゃん.
「うみたん、目開けない・・・」愛ちゃんがベソをかきそうな顔である.
「海丸くん、どうしちゃったんだよ・・・」キューピーも不安そうである.
愛ちゃんと健ちゃんは、ずっと、ベットの脇で椅子に座って、海丸くんの顔をの覗き込んでいる.
「ドクトル、うみちゃん大丈夫かな?」けんちゃんが聞く.
「大丈夫、必ず、海丸くんは目を開けるよ.でもまだ寝てるね.もうまる二日以上、目を開けないね・・・」
夕方、パパも病室を覗いてくれた「海丸くん、目開けたかな?」
子供達は、首を振る.
「あとは、鬼丸さんとドクトルと、お父さんが、見てるから、みんなはもうおかえり.明日、またおいで.お父さんたちを信じて、おうちでゆっくりお休み・・・」
みんなは、ずっと海丸くんの顔を見ながら、ママに連れられて、部屋を出て行った.
夜の間、別館の女性たちも、食事を持ってきたり、うみ丸くんの様子を交代で見にくる.夜の間も彼は目を開けなかった.ただし、病気の意識障害ではなくて、気持ちよさそうになむっている感じなのだが.
翌朝も海丸くんは目を開けない.ママに連れられて、愛ちゃんと、健ちゃんは今日もお見舞いに来た.ずっと海丸くんの病室で過ごす.時々、絵本を読んだり、テレビを見たり、海丸くんの顔を覗き込んだり・・・・
お昼ご飯に、はるなが、カレーを持ってきてくれた.ママと、子供たちと、後海丸くんの分と.海丸くんはまだ目を開けないから、食べない.
「そろそろ目を開けてもいいと思うんだけどね・・・」ドクトルがいう.
「まあ、海丸も神の子だからな、睡眠のリズムが狂うと、こんなこともあるだろ」ルシフェルの鬼丸先生は楽観的である.
午後3時のおやつが過ぎて、皆そろそろ帰りましょうかという頃になって、
「ううー」と海丸くんが大きく唸った」
「あ、うみたん・・・」
「海丸くん、起きて」
また海丸くんが大きく唸った「うううー」
そして大きく背伸びをして、うっすら目を開けた.
「あ、海丸くん、目を開けた」
「うみたん、起きて」
「ああー、よく寝た.」海丸くんは目を開けた
上から、愛ちゃんと、けんちゃんとママが覗き込んでいる.
「あれ、みんなどうしたの?今何時だろう、朝かな?なんかお腹空いたね」
みんな、飛び上がって喜んだ.
そして久しぶりに夕ご飯を一緒に食べてお家に帰っていった.




