喫茶店が消えた日
個人経営の喫茶店の良さを淡々と書かれております
今日は少し趣向を変えて、持論を述べてみたいと
思います。これを読んでいる皆さんの意見、感想
を是非、お寄せ下されば幸いです。
僕には今すこしばかり危惧している事がありま
す。喫茶店の数が激減している事です。
僕が今ここで言っている「喫茶店」とはスター
バックス、ドトールのようなフランチャイズなもの
ではなく個人で経営されているお店の事です。
僕はよく学生時代からそういう喫茶店が好きで、
頻繁に行ったものです。小説やドラマに出てくる
ようなお洒落なカフェテラスがある喫茶店、渋いマ
スターがいたりとかする喫茶店、などとはほど遠い
ちょっと小汚くカウンター越しに「タメ口」もしく
は「上から目線」でものを言う、マスターというよ
りただの「おじさん」のいる喫茶店が好きでした。
店内には大昔のテーブルゲームが数台置かれ、本
棚にはちょっと汚い古い漫画などがびっしり、メニ
ューもシンプルで。スパゲッティはミートソースに
ナポリタンのみ、ご飯類はエビピラフのみ、パン類
はトーストにサンドイッチのみと選択肢が極端に
少ないのも特徴です。テーブルはすごくちゃっちい
のに、何故かソファはかなり豪華で座りごこちが良
くそのアンバラスがまたポイントのひとつです。
僕が通っていた喫茶店の「おじさん」はちょっと
ちょい悪おやじで当時僕が高校生だった頃、制服を
着て店内でタバコ吸っても怒る事無く黙認してくれ
ました。
その店はそのうち僕の通う高校の生徒に占拠され
、常に店内は火災が起きているかのようにタバコの
煙が充満していました。店内では他にトランプや花
札で懸けごとをしたり、それはもう不良の溜まり場
となっていました。今から20年前の話です。
当時僕は不良でもなんでもない、ごく普通の高校
生でしたが娯楽の少ない時代でしたので楽しみと言
えばそんなものです。だからそういう事が公然と出
来る場所はありがたいものでした。
今、そういう喫茶店はありますか?ほとんどない
と思います。メニューも豊富で店員さんのサービス
も最高。接客も完全にマニュアル化され、高校生が
堂々とタバコなんぞ吸えば警察に通報されかねませ
ん。それってすごく素晴らしい事なんですが、僕に
はちょっと悲しく思えます。アウトローの憩い場は
必要かと思うのです。時代の流れでそういう喫茶店
は淘汰され、厳しい経済状況を生き抜くにはシステ
ム化して更に合理化していく。一杯300円のコー
ヒーで2時間も3時間もいられたら、そりゃ儲かる
はずもありません。いかに「回転率」をあげるか
現代の喫茶店事情といったところでしょうか?
今は更にネットカフェの存在がのしかかり、個人
経営の喫茶店に追い打ちをかけている事でしょう。
大手のマクドナルドも食事時以外の集客率を狙っ
てコーヒーの種類を増やしています。これらの現状
を考えて今後を推測すると個人で経営されている喫
茶店は今以上に困難が予想されます。もしかしたら
数年後にはなくなっているかもしれませんね。
僕にとって「喫茶店」とはちょっとした人生の
教科書のようなものでした。少しオーバーな言い方
かも知れませんが、アウトロー達が今まともな社会
人として普通の生活を送れているのはこういった
場所で誰かが人生を教えてくれる人がいたからかも
知れません。
おわり
今日も読んでくれてありがとうございます