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3.お叱り

 ゴミ捨て場の一通りの報告を聞き、梨奈は憮然と腕を組んだ。和弘はどうやら、怒られるようだと覚悟をした。

 ゴミ捨て場の1件があった次の日、志郎はゴミ捨てを強く拒否した。もしあの時、客がいれば、客足がさらに遠のいた事だろう。

 それくらいひどい暴れようだった。

 そのため、和弘は昨日の1件を報告することになった。

 隣には志郎がうずくまっている。完全に心を閉ざしているようだ。

「なぜ昨日の時点で報告をしてくれなかったのですか?」

 それはまたあの子達が安心してゴミを漁れるようにだが、きっとそれは言い訳である。

「すみません」

 和弘は謝ることしかできなかった。

 梨奈は少しだけ和弘を見ていたが、後にすることにしたようだ。

「真由ちゃん、その子たちは今日もいそうか、ちょっと窓からみてくれる?」

「いるね。山本さん(和弘)の報告よりも子どもが増えてるかも……」

「とりあえず警察呼んで。確保してもらって」

 和弘と真由美はびっくりした顔をした。

「それはちょっと……」

「かわいそうじゃない?」

 和弘は言葉を濁したが、真由美ははっきりと口にした。

「何言ってるの、このままにしておいて、家で死んじゃったりした方がかわいそうでしょ。彼女たちはそんだけ切羽詰まってるかもしれないのよ。」

 梨奈の言葉に2人ははっとした。そうだ。彼女たちは食事もないような家庭で暮らしている。

「山本くん、今いるスタッフ全員集めて、彼女達が逃げられないように見てもらってて。見張る場所はここね。」

 梨奈はやたら的確に見張る場所を決めていく。

「いつもこんなこと考えてるんすか?」

 和弘がふと聞くと、梨奈はばつが悪そうに動きを止めた。

「……この間、借金取りが来たら、どうやって逃げようか、考えちゃったのよ」

 聞かなきゃ良かった。

 和弘は感心した事を後悔した。

 しかし……

「そんなに経営ヤバいんすか?」

「……ほら、早くスタッフ配置して!」

 誤魔化されたが、時間がそんなにないのも事実である。和弘はだまって走り出した。

4話からは毎朝6時に投稿します。

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