4話
「それは?」
「秘密です」
えっ?今なんて言った?
「教えてくれてもいいじゃないですか」
「ダメですよ」
即答だった。
「どうしても知りたいというのなら私に協力してください」
「協力って何をするんですか?」
「それは内緒です」
またそれかよ。
「じゃあ俺にメリットはあるんですか?」
「もちろんありますよ」
「どんな?」
「異世界での生活をサポートするってのはいかがでしょう?」
「具体的には?」
「衣食住はもちろんのこと、お金や武器防具などを用意します」
悪くない条件だが、果たして信用して良いのか。
「他にもあるんですか?」
「はい。あなたにしかできない事です」
「俺しかできないこと?」
「そうです。あなたの願いを叶えることができます」
「なんでもいいんですか?」
「はい。ただし、一つだけお願いがあります」
「なんです?」
「私とけっこんしてください」
いきなりプロポーズされた。しかし相手はこの世界の神様。つまり俺はこの世界のトップと結婚する事になる。そうなると当然ハーレムを作る事も夢ではない。
「いいですとも!」
「質問だが重婚することはできるのか?」
「はい可能です。なのでたくさん子供を作って幸せになりましょう」
はははっ。最高じゃないか!俺は異世界転生したら奴隷ハーレムを作るという夢をかなえることができる。
「それでは早速ですが、あなたには女神の力を分け与えようと思います」
女神は風太郎の手を握ると、キスをした。
「これであなたは女神と同等の力を使えるようになりました」
「ありがとうございます」
「いえいえ。それとあなたにプレゼントがあります」
女神が手を振ると、光に包まれた箱が出現した。
「開けてみてください」
促されるままに風太郎は箱を開ける。すると中には剣が入っていた。
「これは?」
「それはですね。あなた専用の装備である神器の一つです」
「神器?」
「そうです。その剣の名前はムラマサと言います」
「ムラマサ?」
「はい。あなたが望む時にその姿を現すことができます」
「へぇー。すごいですね」
「そしてもう一つ。これもどうぞ」
女神がもう一本刀を取り出した。
「こちらは妖刀月影といいます」
「綺麗な名前ですね」
「はい。これはあなた専用に作られた物なのです。なので他の人が使うことはできません」
「わかりました」
「それではこれからあなたには冒険に出てもらいます」
「冒険ですか?」
「はい。この世界にはモンスターと呼ばれる生き物が存在します。それらを倒してレベルアップをしてください」
「わかったがチート能力はくれないのか?」「すみません。それは無理なんです」
申し訳なさそうにする女神。
「大丈夫ですよ。普通に生活するだけで強くなれるというのであればそれで十分ですから」
「普通じゃなく俺TUEEE!!したいんだが」
「まぁ頑張ってください」
「お願いだからチートスキルください。じゃなかったらこの婚約はなかったことで・・・」
「わかりました。あなたの言う通りにします」
「やったぜ!!」
「でも一つだけ忠告しておきます」
「なんでしょうか?」
「あまり調子に乗りすぎると痛い目にあいますよ」
「肝に命じておきます」
「それでは行ってきます」
「いってきます」
こうして風太郎の異世界での新たな人生が始まった。