2話 目覚めるとそこは見知らぬ天井だった。
目が覚めると見慣れない部屋にいた。豪華な装飾が施された家具が置かれており、ベッドもキングサイズほどある大きなものだ。寝心地はかなり良いのだが、どこか落ち着かない感じがする。
体を起こし周りを見渡す。自分がいる場所を確認するために。すると部屋の隅に誰かがいる事に気がついた。「あっ起きたみたいですね」
振り向くとそこには絶世の美女がいた。金髪ロングで碧眼。スタイルも良く、出るところは出ている。モデルのような体型をしている。まさに理想の女性と言えるだろう。年齢は20代前半に見える。
「よかったぁ〜心配しましたよ」
ほっとした表情を見せる美女。しかし風太郎は混乱していた。先程まで風俗店を探していて、突然足元に現れた魔法陣によって異界へ飛ばされ、そして目を開けたら目の前に美女がいる。まるで意味がわからなかった。
「あのぉーここはどこですか?」
恐る恐る聞いてみる。
「えっ?ここがどこかわからないんですか?」
驚いた様子の美女。
「はい。気づいた時にはここにいて……」
風太郎が答えると、美女は少し困った顔をした。
「あのぉー失礼な事を伺いますが、本当に記憶がないんですか?」
「はい」
風太郎が答えた瞬間美女の顔が青ざめた。
「まさかとは思いますが勇者様じゃないですよね」
「勇者様?」
「やっぱり違うんですか!?」
美女は頭を抱えてその場に座り込んでしまった。
「あーじゃああなたが俺を助けてくれたんですか?」
とりあえず質問をしてみた。
「はいその通りです」
美女は立ち上がると、真剣な顔つきになり話し出した。
「私は女神アリシア。この世界を管理する神の一人です」