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俺だってねこになる  作者: 夢辺 流離
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プロローグ

 俺はねこである。

名前は耀夜(かぐや)


 生まれてからのことはとんと覚えていないが、風が強く雨が吹き込む軒下で甲高い声でピャーピャー鳴いていたらしい。


 次に気づいたらそこは見知らぬ天井で、()の意識が浮上していた、というか俺も自分のことは思い出せないのだが、前世の記憶があるのだ。


 普通輪廻転生って言えばなんというか魂やら人格やらを漂白して別の命として歩み直すんだと思うんだが、人間の意識をもって人生(ニャンせい)を歩むとかちょっと苦情を言いたいんですが、どこに言ったらいいんですかね?



 そうそう、それからしばらくして周りの人の言うことを聞くにどうやら俺は誰ぞに拾われてここの動物病院に運ばれて生死の境を3日ほど漂っていたらしい。


 俺の入っているケージには名前が書いてあるわけだが、何でも俺を拾った人は、ペットを飼うことなど考えたこともなくて。


 要するにちっこいので雌だと思ってこんな名前をつけたわけだけど、獣医さんに雄だと言われて困った挙げ句別にいいやってなったらしい。



 まぁ、でも別にいいんです。



      避妊手術されちゃったんで。


  そんな話を頭上でしていて、必死になって暴れて抵抗したんですよ? でもやり手の獣医のおもちゃに夢中になっていた俺は、背後から忍び寄るもう一人の仲間(助手)に気づかなかった。


 俺はその女(助手)に麻酔を打たれ、目が覚めたら息子(相棒)を失っていた。


 あ、でも雌になったってわけじゃないからやっぱりそんな姫っぽい名前には抵抗がある……



  なんてこともなく無気力になっていた。


 はぁ……。


「先生、なんだか手術後から元気がないんですが大丈夫でしょうか?」


 俺の飼い主はめっちゃ美人なのに心がトキメかないんじゃー(ションボリ


 そんな耳やしっぽがシュンとしている俺を見て悶えている人間がいたことに俺は気づいていなかった。

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