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非人道的地球防衛軍とゾンビ兵  作者: ウロノロムロ
普通の地球防衛軍
85/104

ゾンビ兵『Bros-408』

真っ暗な闇の中、

部屋の前で固まっているトモヤ。


その目の前で突如

目を赤く光らせたロボット兵。


トモヤは絶句、

言葉すら出せない。


ロボット兵の赤く光る目は

ジリジリとスパークを放ち

今にも光線が発射される寸前。



ビームが放たれるその瞬間、

拳がロボット兵の顔を殴り、

その方向をそれさせる。


ビームはトモヤの横、

斜め上に向かって放たれ

壁を溶かし大きな穴を開けた。


トモヤの窮地を救ったのは

やはりゾンビ兵『Bros-408』。


トモヤはその光景に既視感を覚える。


以前助けられた時の記憶は

消去されている筈であるにも関わらず。


トモヤはそのブロスの姿に

確実に兄の面影を見ていた。


「あ、兄貴……?」


それはトモヤの口から

咄嗟に出た言葉。


何故兄のことが

突然口をついて出たのかわからない。


何故自分の命令なしに

ブロスがここまで来て

自分を助けているのか、

そもそも何故ブロスは

自分の危機がわかったのか、

何故とわからないことが多過ぎて

トモヤは混乱状態。


以前一条女史が言っていた

超能力的なテレパシーのようなもので、

自分の危機を感知して

助けに来たとでも言うのだろうか、

そんな考えが頭をよぎる。


-


そんなトモヤをよそに

ブロスはロボット兵を

その拳でひたすら殴り続ける。


抵抗を試みるロボット兵だが、

その顔部分の表面は

ブロスの拳を何発も打ち込まれ、

次第に凹んで行き、

やがて目からも赤い光が消えて行く。


奇襲を掛けて来たロボット兵、

あくまで潜入工作用らしく

それ程強いという訳ではないらしい、

しかしそれでもブロスが

殴り続けただけで壊れるというのは

さすがにおかしい。

ブロスが強くなったということなのか。


次々といろいろなことが起こり、

やはり訳がわからず立ち尽くすトモヤ。


だがもっと驚くべきことが起こる。


ロボット兵を殴り倒した

ゾンビ兵『Bros-408』は

トモヤの前に立つと、


「トモヤ、ダイジョウブカ?」


喋ったのだった。


-


突然喋ったブロスを前に

茫然としていたトモヤだったが、


「ココハアブナイ、ソトニデヨウ」


ブロスはそんなトモヤの

手を引き、走り出す。


基地内部はロボット兵の

破壊工作により

崩落するかもしれない、

確かにこのまま

ここにいるのは危険だろう。



真っ暗闇であるのに

まるで見えているかのように、

トモヤを誘導するブロス。


天井や壁が崩れ落ちて来るのを

まるで未来が予測でも

出来ているかのように、

確実に避けて行くブロス。


一体ブロスに何が起こっているのか。


やはりトモヤには

何故とわからないことが多過ぎて、

もう今は考えるのを止めるしかなかった。


引きこもりであった筈なのに

部屋から出たことも、

今のこの状況では

すっかり忘れてしまっている。






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