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ゾンビと引きこもり(9)

再びゾンビ兵『Bros-408』を

操作することになったトモヤ。


もちろんまだ真相は明かされず

トモヤにはバイオロイドとされている。


今度は音声で命令して

操作する方がメインではあるが、

以前からの動作同調型も

補助的に残っており、

ブロスが判断に迷い

動きが止まった際には

動作同調形式に切り替えらえる。


最初はトモヤも

どこまで指示を出して、

どこからブロスに判断に任せるか、

その範疇の線引きに

迷っていたようではあるが、

慣れて来ると

ブロスの思考パターンを

把握出来るようになり

ブロスにわかりやすく

的確な指示を出すことが

出来るようになっていった。


それは回数を、

月日を重ねるごとに

どんどん深まって行き、

今ではもう

トモヤの存在を知らなければ、

ブロスは自律型の

ゾンビ兵ではないかと

思うぐらいにまでなっている。



そして明らかに

トモヤとブロスの同調率、

意思疎通は尋常ではなく

異常な数値となり表れていた。


「この子達は

なんかいろいろとおかしいんだよなー


ただ親族だからって

こんな洞調率が出る訳ないんだよー


なんなんだよ、

同調率二百パーセントってー」



「もうこれテレパシーとか、

超能力のレベルじゃねえかよー」



「超能力なんて

あるわけねえだろ、

お前頭おかしいんじゃねえのか」


「バカヤロー、

頭おかしいのはお前だよー


ソンビの実験してて、

幽霊とかドラゴンとかいんのに

なんで超能力がねえと思うんだよー


普通はゾンビとか幽霊の方が

よっぽど頭おかしいんだよー」


興奮している一条女史は

いつも以上に言葉遣いが悪い。


-


しかし、それは

一条女史の考えた通りでもあった。


ゾンビ兵『Bros-408』には

シンヤの魂が憑依しており

『魂をきちんと形づくり、

この世界に定着させる』

その途中経過にいると

推測していた一条女史。


その魂の定着には

弟トモヤの助力が

必要だろうとも考えていた。


そして音声指示方式になったことで、

ブロスにあるシンヤの魂に

トモヤの声が常に届けられる。


それはシンヤの魂からすれば

トモヤに語り掛けられているように

思えたかもしれない。



ゾンビ兵『Bros-408』と共にある

シンヤの魂が目醒める日が来るのは

そう遠いことではないのかもしれないし、

そしてその時は一度完全に死んだ人間が、

復元した元の肉体に、元の魂を取り戻した、

つまり完全な蘇生を果たした

人類初の人間ということになる。






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