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非人道的地球防衛軍とゾンビ兵  作者: ウロノロムロ
第一次海底王国戦争・開戦
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34/104

開戦、海戦、海鮮

そしてついに

『海底王国』が侵攻を開始した。


海中に存在が確認されている

この世界と異世界をつなぐゲート付近の海域で、

巨大な魚群の出現が探知された。

数は十体と想定されているよりはるかに少ない数。


国防軍は現有するほぼすべての艦隊を出撃させる。


艦砲射撃、航空機からの爆撃、

地上からも遠距離ミサイルで迎撃したが、

千野の予想どおり、

国防軍の攻撃はまず当たらなかった。


水の抵抗を全く無視するかのように

海中を猛スピードで自由自在に

右に左に動けるだけでなく、

急速潜行、急速浮上といった深度も

思うままに移動出来る水棲生物に

効果的な打撃は与えられない。


唯一海中にばら撒かれた水中機雷だけは、

敵のその巨大さ故に小回りが利かず、

避けきれず当たることはあったが、

それもさほど敵にダメージを

与えられてはいなかった。



防衛軍は待機態勢で、戦況を見守る。


司令室には天野を除いた幹部連と

『非道』のメンバーが集まり、

固唾を飲んでモニターを見つめた。


天野は陸上戦の現場総指揮を担うため、

既に出撃準備に動いている。


水中の戦況は、

博士のスキャニング能力を応用し、

海中の状態をスキャニングし、

CGで再現される防衛軍の新技術で

その様子を見ることが出来た。


その状況を見て、その場に一同は絶句する。


数は少なかったが、

そのどれもが数百メートル級の

見たことがある水棲生物であった。


敵の構成は

ハンマーヘッドシャークとして

馴染みのあるシュモクザメが四体、

ホオジロザメが二体、

巨大イカが二体、

巨大タコが二体の合計十体。


「そうきたか」


千野はこの構成を見て呟く。


「これは明らかに向こうの海軍戦力ですね。


まずはこちらの海軍力をそいで、

水路を確保する気でしょう、

上陸部隊はその後、ですかね。」


「こいつら上陸はしませんかね?」


財前女史が尋ねる。


「手足がないサメに関しては

まず上陸の可能性はないだろうね。」


「タコとイカについては

上陸の可能性はあるのだが」


そもそも物理法則を無視した異常事態なので、

千野にもわかるはずがなかった。



敵は見事な連携攻撃を見せる。

まず巨大なハンマーヘッドシャークが

その頭部で、敵艦に突っ込む。

おそらく切り込み部隊なのであろう。


艦に真っ向から衝突する。

何度も衝突は繰り返され、

そのまま横転する艦もあった。


なんとか持ち堪えた艦には

タコとイカが襲い掛かる。


その触手を艦に絡め、

そのまま水中に引き摺り込む。


圧巻はホオジロザメで、

巨大な口を開け、

艦を見事に真っ二つに噛み砕いた。


「まさか鉄をあんなに簡単に

噛み砕くとは思わなかった」


千野も予想外なその圧倒的な力に

驚きを隠せなかった。


-


国防軍の艦隊はあっという間に

すべて沈められた。


交戦時間自体は

おそらく三十分もなかったであろう。


敵部隊は艦隊を全滅させると、

これ以上の海軍力がないことを確認するかのように、

しばらく回遊した後、

一旦引き上げていった。


緊張感が走る司令室で、

進士が口を開く。


「唯一の救いは敵の航空戦力が

確認されなかったことですかね。」


「こちらの航空機があれだけ爆撃しても、

航空戦力は出て来なかったですしね。

制空権はこちらが取れると考えてよいでしょうか。」


千野が慎重に応える。


「空飛ぶエイとかー、

空飛ぶクラゲとかいそうなもんですよねー」


一条女史のメンタルは相変わらずだ。


「そんな嫌なフラグ立てないでくださいよー」


弱気な真田は既に怖気づいている。


「いよいよ地上戦ですね。」


進士司令官は眼鏡を指で押しながらそう言った。


「我々の出番です。」


-


敵の上陸部隊はすぐには来なかった。

やはり異世界をつなぐゲートの行き来には

それなりに時間がかかるようだ。


上陸ポイントで待機していた天野に

ケータリングの夕飯が配られる。

中身はシーフードバーガーに海鮮サラダだ。


「なにか?

とんかつ食べて敵に勝つ!的なノリで

出しちゃった感じか?」


「かえって食欲なくすわ!」


天野の突っ込みを横で聞いていた石動は呟いた。


「あいつら食えるのかな?」






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