表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルカディアンズ 〜とある世界の転移戦記譚〜  作者: タピオカパン
混乱の始まり
65/136

第三次世界大戦

2021/05/21


現時点についてですがこの章は途中で中断してミャウシア編を再開してしまっているので話がぶった切られてます。

はい、モチベーション的にメインヒロイン書きたい病が発動してしまってるのでミャウシア編がいいところまで書けたらこちらの章をまた再開します。

再開してこの章が書き終えられたら章を再編してまとめますので申し訳ありません。


時はさかのぼり、第三次世界大戦直前



アメリカ合衆国 シャイアン・マウンテン空軍基地


ここにはアメリカ北方軍、北アメリカ航空宇宙防衛司令部、空軍宇宙軍団、第21宇宙航空団の司令部が設置されていた。

通称ノーラッドだ。

普段はあまり人員がいないが準戦時下に入った今、多数の人員が詰め、将軍たちが大勢で世界地図と衛星軌道、戦略原潜と戦略爆撃機、核ミサイルサイロがプロットされた多数のモニターを見ている。

いかにもな戦略司令部である。

そしてここは瞬く間に怒号が飛び交う場となった。


「それは本当か?」


「”シャーリーン”はそう言っています。結果を送ります」


将軍が電話で平時の総司令部であるピーターソン空軍基地の基地員とやり取りしていた。


「データが送られてきました」


「シャーリーンのシミュレートをモニターにプロットしろ」


モニターに戦略図とその時間経過の様子が映し出される。

その様子はかなり自軍不利な戦況図と予想事態を示す項目だった。


「このままではまずい。シャーリーンの回線をそのままここへ繋げ」


「了解」


将軍がヘッドマイクで喋る。


「聞こえるか、シャーリーン?」


”はい”


画面上に文字表示される。


「この計算結果をについての対応策として最適なものはなんだ?」


"二通り存在します"


”先制攻撃するか譲歩をするかです”


「具体的には?」


作戦計画案が画面に表示される。

作戦案の概要と西側諸国優位の戦況図がプロットされる一方、東側優位の内容の勢力図もプロットされる。


”このままでは高確率でコントロール不能下の偶発的な核戦闘が発生すると予想されます”


”そうなった場合、99パーセント以上の確率で全面核戦争に突入し、戦局に影響を与えず戦争は終息します”


”そのため状況がコントロールできなくなる前に計画的な先制攻撃を行うか大敗的譲歩を行うかの選択肢が導き出されます”


”先制攻撃は核戦争後の主導権の確立につながります”


”譲歩は核戦争の回避を目的とし代償に勢力を明け渡すことが条件となります”


「君はどちらが最適だと考える?」


””


”回答案がありません”


「では計画案をアップロードしろ」


”了解”


黒人の将軍は士官に命令してデータを処理させる。

将軍はさらに電話でホワイトハウスに直通の電話をかける。



ホワイトハウスの地下壕


「これが例の戦略防衛プログラムが導き出した回答か?」


「そうです大統領閣下」


「統合参謀本部は理にかなっていると言ってはいるが核戦争を前提とした案まで出すのかこの”AI”は?」


「価値観によって最適案が大きく異なったためAIはプログラムされた通り了承を得るため選択肢の提示を行ったものと」


「わかった協議する」


国家安全保障会議の面々が一室に集まる。


「聞いての通りだ。にわかに信じがたいがこのAIはこんな案を提示してきた。しかもその途中経過の予測が今まで起きた戦闘をすべて予言している。どう思う?」


「所詮機械です。鵜吞みにせず予測結果だけ参考にすべきでは?」


「だがこの計画案は戦力配置や行動作戦を前もって実施しろとある。実施までもう24時間もないぞ?」


「核戦争なんて反対だ。そうなればよく大げさに言われる国家は破綻せずとも都市部はすべて消滅だ。避難勧告はすでに出ているが半数以上の市民は蒸発せざるを得ない」


「じゃあ向こうの言いなりになれというのか?そもそもこんな事態を招いたのは独裁者たちのせいじゃないか」


「言い争いは止めたまえ。いったん経過を見よう」


大統領がそういった後、国家安全保障室や司令部のモニターにはどんどん事態が悪化してコントロール不能になっていく様子しか映らない。

偶発的な戦闘は拡大の一途を増すばかりである。

すでに核戦略部隊のいくつかは回線不良で不通になっていた。

軍事防衛プログラムの予想した結果がすべて的中していく。


大統領や長官、将軍たちが言葉を失う。

そしてようやく言葉が出る。


「...どうやらこの書面を真に受ける必要があるらしい」


「統合参謀本部長、この計画案通り軍を動かし始めてくれ。同盟国には私から話す」


「わかりました」


「それと例のAI、名を何と言ったかな?」


「シャーリーンです」


「それをここに繋げられるか?」


「すでに通信回線が麻痺し始めているで難しいです」


「わかった。....こんなことになるとはな」


「大統領?」


「戦略軍に攻撃の許可を与えろ。攻撃のタイミングはノーラッドからの指示に従うものとする。ただし攻撃はぎりぎりまで待つ。外交成果が出なければやむを得ん」


「しかし、まだ譲歩するという手も。AIの戯言かもしれないですし」


「いや、AI云々ではない。これは私の判断だ。どのみち審判の時が訪れると考えた...」


「....」


「ゴールド・コードを読み上げるぞ」



シャイアン・マウンテン空軍基地


「戦略軍、発射コードを確認しました」


「よし戦略軍に通達。0630に攻撃開始だ」


「了解」


「......神よ、どうか我々の行いを許したまえ」


司令部の将軍はそんな独り言を漏らす。


そしてその時刻が来てしまう。


攻撃1分前、モタリングする士官たちがざわめき出す。


「ロシア軍と中国軍のミサイル攻撃の警告が入りました!早期警戒衛星が探知!」


モニターに核ミサイルの弾道がおびただしい数でプロットされる。


「同時先制攻撃か。だろうな」


将軍は席に座ると大陸間弾道弾の航跡がプロットされたモニターを見つめ続ける。



アメリカ戦略軍 E-6マーキュリー


TACAMO機と呼ばれる長距離通信用の航空機だ。

潜水艦に直接通信を行う場合、超長波で通信する必要がある。

電波は波長が長いほど回折の効果が上がり物体を透過しやすくなる。

なので超長波になると水中でもある程度の浅さなら通信できるのだ。

ただし超長波アンテナは数kmにも及ぶ巨大な設備が必要であり、地上通信局では絶好の的になる。

なのでこの航空機では1,220mおよび7,925mのワイヤーアンテナが装備され、これで潜水艦に通信を行う。



オハイオ級戦略ミサイル原子力潜水艦 ネブラスカ


「....チャーリー、エコー、1、0、8。発射コードを確認。通信は大統領令で間違いありません」


「よしキーをセットしろ。発射30秒前」


艦長と副艦長がそれぞれ離れた核の発射キーに手をかける。


「5、4、3、2、1、発射!」


太平洋、大西洋、北極海の海中から多数の熱核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイルが発射される。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ