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アルカディアンズ 〜とある世界の転移戦記譚〜  作者: タピオカパン
猫の国の内戦(中編)
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空挺作戦2


ミャウシア領アルーム平原上空


日が落ちて暗くなった夜空をエアバス A400M輸送機が空母から発艦した護衛の戦闘機に率いられて飛んでいた。

ミャウシアはヨーロッパ転移地域から離れ過ぎていて基本的にエアカバーはアメリカ海軍とイギリス海軍の空母によって成立している。

フランス軍や他の軍の空母は転移していないか整備中だった。


機内では酸素マスクを装着した特殊部隊が降下態勢を整え、今か今かと待機していた。

しかし、相変わらずミーガルナはドキドキしている様子だ。


「ミーガルナ」


ナナオウギがミーガルナに話しかける。


「な、何?隊長!」


「最終確認だけど大丈夫だよな?断念するなら今だぞ?」


特殊部隊なのだから自信なさげなのは置いてけぼりにしたり厳しくあたるかもしれないがナナオウギは優しく声を掛けた。

たぶん、厳しくしたら逆効果になるとわかっていたからだ。

さらにミーガルナは反政府軍を仕切っているニャーガ族出身なので他のエリート民族出身の政府軍特殊部隊員がミーガルナに意地悪を働かないようナナオウギが先に釘を刺しておいた。

他の隊員たちはミーガルナが怖気づいていても何も言わない程度に物分かりが良く、ミーガルナが勇気を出せば問題にならない感じだ。


最終的にはミーガルナ次第だ。


「....」


ミーガルナは自分と相談している。

そしてナナオウギをじっと見た。

やがて決心がついたようだ。


「行けます」


ナナオウギはミーガルナの猫のような瞳を見る。

任務には支障がない程度には落ち着いた様子だ。


「よし。なら行こうか。大丈夫さ、問題が起きてもみんなでカバーし合うんだから」


ナナオウギの言葉にミーガルナは力んでいた姿勢を柔軟にさせ、ほんの少し余裕を見せた。

発言の後、空軍の要員が特殊部隊に声を掛けた。


「降下用意!」


フランス軍とミャウシア軍の2個分隊からなる小隊規模小隊の合同部隊が輸送機の後部ランプに整列する。

空軍の要員がボタンを操作して後部ランプのドアを開口した。

ナナオウギを含めたフランス軍の隊員が暗視ゴーグルを装着する。

酸素マスクと暗視ゴーグルを装着しているの人相が全く分からなくなる。

ミャウシア兵は酸素マスクと通常の透明なゴーグルを装着しているので何となく誰だかは判別できる。


「用意!」


部隊が降下態勢をとる。


「降下!」


特殊部隊員達は一定の間隔を保ちながら一斉にランプから飛び出して降下を開始した。


ナナオウギにとっての前回の空挺が映画内のハプニングの対処シーンだとすれば今回の空挺はFPSゲームの作戦開始シーンだと言えた。

高度8000m以上の高高度からの自由降下なので当分はパラシュートを開かずに地面と夜空を眺められる。

降下開始高度には雲は無く、月が夜空を照らしている。

下方にいくつか見える雲も月明かりで照らされて形をよく視認できる。


もちろん味方をよく見てはぐれないよう手足を小刻みに動かして自位置を調整するし、高度計も見てパラシュートを開くタイミングを確認しなければならない。

それにナナオウギ達は暗視装置を付けているので緑色の変な視界なので夜空を綺麗に見ることはできなかった。

けれども普通のゴーグルをつけているミーガルナはスカイダイビングの絶景をある程度チラ見することができた。


やがて真下にぽつんと浮かんでいた雲を通過する。

雲を過ぎると少しばかり降下部隊の隊列が乱れてしまうがもうパラシュートを開く高度であることを高度計が示しており、互いの位置を相互に確認できるくらいなら問題ない。


そして隊員たちは各個にパラシュートを開いた。

ミーガルナの装着しているパラシュートも前回と違って正常に動作してくれた。

各員はパラフォイルのパラシュートを操作して降下したい地点まで滑空して着地する。


着地すると幾人かが小銃を構えて辺りを警戒し、その間に他の人がパラシュートを急いで片づける。

交代して残りの人もパラシュートを急いで片づける。

隊員たちは降下地点の放牧地のど真ん中から移動を始め、まずは近くにあった石塀の隅に身を寄せる。


「敵は確認できるか?」


「いえ、確認できず。周囲に脅威らしきものは見当たらず」


隊長などが周囲の確認などの話を行う。

ナナオウギもその件でソワソワする。


というのも隠密行動が命なだけに敵に見られていたら完全にアウトなわけだ。

この人数の軽歩兵では敵がそれなりの数を送り込んできたら航空支援以外手の打ちようがない。


けれども敵の気配は全くなく、結局は敵が来ることはなかった。

降下地点がたまたま小さな雲の下だったのでパラシュートが月明かりに強く照らされることもなく、隠密性が保たれていたのも要因かもしれない。

相手はミャウシア人なのでその暗視力は侮れない。

なんせ一緒に降下したミャウシア兵は終始裸眼でも暗さをものともしていないからだ。


隊長が司令部と無線交信を終えた後、一同は夜明け前まで周囲を警戒しながらの移動を始める。

ナナオウギは今までの主要装備だったFA-MASに代わってHK416を携える。

ミーガルナも米軍から供給された数少ないM249パラトルーパーモデルを携える。

そして戦場に臨むように歩き始めた。

地図は後で足します

すいません


空挺はたぶんこんな感じな感じです

https://youtu.be/Yh0JIxf0Bi0

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