ミャウシア北岸上陸作戦1
前話ちょっと改稿しました
ニェボロスカ基地
夕方の時間帯をまわって空が赤と青のグラデーションに色分けされる。
飛行場にはジェット戦闘機が駐機されているがその数は今までより多くなっており、見慣れぬ姿の戦闘機の姿もあった。
F-15イーグル戦闘機だった。
機種はF-15A/B/C/Dと米軍が保管していた予備機がメインだ。
A-4スカイホーク攻撃機も既に配備が進んでいて訓練飛行の真っ最中だった。
そうした中での追加供与された戦闘機が試験飛行可能な状態となったようだ。
そうした空軍基地の状況や業務から離れるようにチェイナリンは基地を見渡せる丘の草で覆われた斜面に体育座りしていた。
後ろには第二次世界大戦時代によく見られたサイドカー付きのオートバイが駐車してあって、サイドカーには空のドラムマガジンを装着したDP28軽機関銃のような機関銃が据え付けられている。
チェイナリンはこれに乗ってきたようだ。
チェイナリンはいつもの眠たそうな表情で基地の方を眺めている。
何を考えているのかは本人にしかわからないがこんなことをしているくらいなのだから心境はなかなか複雑なのだろう。
実際、赤い猫耳が垂れ気味なので陽気でないのは確かだ。
ちょうどその頃、NATO全軍が行動を開始した。
ミャウシア沖
NATOの艦隊が洋上に集結し、大艦隊をなして艦首を大陸側に向けていた。
艦隊は補給艦、ドック型揚陸艦や戦車揚陸艦、強襲揚陸艦を中心とした揚陸艦隊となっていて、全速力に近い20ノットの速度で大陸めがけて突貫する様に前進する。
艦隊には巡洋艦5隻を中心に30隻程度のミャウシア政府軍艦隊も参加していた。
彼女らの任務は艦砲射撃による上陸部隊の掩護だ。
夜のうちに上陸地点の海岸まで前進して水陸両用の上陸部隊を艦隊から下ろし、夜明け直後に大陸へ上陸を果たすつもりのようだ。
これに関しては上陸作戦のセオリーと言える。
だが上陸部隊はそれだけではない。
時間は少し前後する。
イギリス空軍基地
MV-22オスプレイからなるヘリボーン部隊が空挺部隊を乗せて短距離陸していく。
もちろんヘリボーン部隊だけではない。
飛行場の駐機場にはC-17やA400Mなどの航続距離の長い中型以上の大型輸送機が控えていて落下傘部隊も乗り込みの準備のために待機していた。
空軍側も上陸部隊として加勢するのだ。
オスプレイ部隊が離陸を開始した頃、艦隊側からもアメリカ海兵隊の海兵遠征部隊のヘリボーン部隊である集成飛行隊が中心になって離陸して予定着陸地点へと向かい始めた。
このヘリボーン部隊は甲板にとにかくぎっしり駐機させて数を稼いでいたので艦隊の規模にしては数が多かった。
空軍や陸軍のヘリも搭載されているほどだ。
機種はCH-46シーナイト、CH-53スタリオン、UH-1N/Y、MH-60、UH-60、CH-47チヌーク、リンクス、AW101、NH90、AS 565などからなる多彩さだ。
イギリスやフランス軍も上陸作戦の支援を行うのだから他の国のヘリもいるのは当然だが、陸軍のヘリも動員されているのは大丈夫なのかと思っても無理はない。
だが、兵員だけでなく榴弾砲や迫撃砲、弾薬やハンヴィーのような車両もできる限り第一陣組み込んで輸送したいがために通常の手順より何でもありとなっていた。
その護衛としてAH-1W/Z攻撃ヘリ、WAH-64攻撃ヘリも飛び立つ。
この中で先鋒は揚陸艦隊のヘリ部隊なのだが実質的な最先鋒は特殊部隊だった。
ミャウシア アルム平原の農村地帯。
アメリカ海兵隊の特殊部隊フォースリーコンの分隊が暗闇に紛れて移動していた。
目的は反政府軍の有線電話の切断と敵部隊の監視、ヘリボーン部隊の着陸地点の確保とその防衛だった。
レジスタンスの協力も仰ぎたいところだがなにぶん民兵やパルチザンなので誰が反政府軍と繋がっているのではという問題もあり個別で動いていた。
特殊部隊の隊員が小銃のスコープを覗いて周囲を警戒するなか、同僚の隊員がハサミで電話線を切断する。
反政府軍の野戦司令部や指揮所
「ん?もしもしもしもし?おい、どうした?」
突然電話線が不通になる。
同時に低周波無線帯にもジャミングが掛けられ一切の通信ができなくなった。
「敵襲。敵襲だ!伝令と偵察を出せ!」
「はっ!」
野戦司令部からソ連のBA-64やBA-20に似た装甲車が出撃する。
特殊部隊の中には交戦に突入した部隊が出てきた。
これが最初の戦いだった。
辺りを巡回中の反政府軍装甲車が着陸予定地点に近づいたのだ。
装甲車はソ連のBA-20装甲車に似ていて44mm砲が搭載されていた。
特殊部隊の隊員の一人がバレットM82対物ライフルを構えて発砲する。
12.7mm弾は装甲を貫いてエンジンに直撃した。
突然の金属音とエンジンの火災に乗員が驚く。
装甲車が停車すると特殊部隊の分隊が遠巻きに取り囲む。
車内では消火器を使ったためにミャウシア兵はドアを開けないと苦しい状態であり、主砲でどうこうできる状態ではなかった。
試しに乗員の一人が装甲窓を開けて周囲の確認と排気を行おうとする。
特殊部隊の一人が小銃を一発発砲した。
その一発が窓から顔を出したミャウシア兵の眉間を貫く。
どたっと倒れた兵士を見たことと血の匂いが車内に充満して残りの二人は恐怖にかられた。
「ひっ、ひぃぃぃ!?」
ヒトより鼻がいいのは時としてマイナスだと言える。
「ど、どうすんのよ?!」
「無理、無理絶ですって!?降参しましょう。僕は続けるの無理です!」
即決で降伏することにするが時すでに遅しだった。
突然、窓が開いて手榴弾が投げ込まれた。
「え?」
そして爆発が起きて二人とも負傷する。
だが止めとばかりにまた手榴弾が投げ込まれて爆発した。
そして特殊部隊の隊員が拳銃を構えながらドアを開けて内部を確認する。
最終的に生き残った女性兵士一人が重傷の状態で引きずり出された。
その頃、揚陸艦隊から出撃したヘリ部隊が海岸に差し掛かろうとしていた。
とりあえず書きなぐるだけ書いて投稿といういつものパターン
後で書き直すかもです
すいません