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アルカディアンズ 〜とある世界の転移戦記譚〜  作者: タピオカパン
猫の国の内戦(中編)
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自由の夜明け作戦2


イギリス空軍基地


イギリスの存在する島にあるイギリス空軍基地には多数の航空機が配置され出撃態勢に入っていた。

ロシア海軍の潜水艦部隊は一部取り逃がしたりするなど不手際はあったものの、反政府軍配下の海軍部隊を含めて概ねの敵勢力を退けたNATO軍は上陸作戦を行うための航空作戦の実施に移る。


夕方頃に航空基地からF-15E戦闘攻撃機、F-16C戦闘機、タイフーン戦闘機、ラファール戦闘機などの戦闘攻撃機が空中給油可能な数だけ飛び立ち、それらを全力で空中給油するためにKC-130、KC-10、エアバス A330 MRTT、エアバス、ロッキード トライスターなどもローテーションを組んで離陸した。

更にそれらの航空機を支援するためにE-3、E737、E-2などの早期警戒機も飛び立つ。


別の飛行場ではB-2、B-1、B-52などの大型爆撃機も順々に離陸して所定の作戦行動に移る。


それと前後するように、アメリカ海軍を主力とする海軍航空部隊がニミッツ級航空母艦3隻から発艦する。

イギリス海軍のクイーンエリザベス級級からもF-35Bなどが発艦した。

出撃した機種はF-35B/Cステルス戦闘機、F/A-18E/F戦闘攻撃機、E-18G電子戦機、E-2早期警戒機などだ。


この時点でミャウシア北部の海上の上空に100機以上の航空機が日が落ちた暗い空を作戦に従って飛び回っており、GPSが無い中のでこの惑星に合わせて訓練した天測や新しく建てられた高出力の無指向性無線標識施設から発信される中波信号によって位置を特定していた。

そのため、データリンク上の各機の位置情報の信頼性は非常に低い。



ミャウシア北部沿岸


時間的にはどの部隊もだいたい同時攻撃となるが、少し早く戦闘に入ったのはミャウシア北部沿岸の反政府軍設備に対する空爆だった。


最初の戦闘はミャウシア北岸に点在する反政府軍の短波帯及びVHF帯の早期警戒レーダーに対する攻撃。

NATOにとって大した脅威ではないのだがこちらの動きを少しでも把握される可能性があるなら潰しておくにこしたことはないということなのだ。

それにこういう長周波無線をやたら使われても同じような周波数帯の長距離無線通信のジャミング因子になりかねないという事情もある。


目標はと言うと第二次世界大戦のイギリス軍が保有したチェーンホームのような鉄塔群からなる短波レーダー基地とナチスドイツが有していたフライヤのようなVHFレーダー基地がミャウシア北部沿岸地域に配備されていた。


戦いはF-35Bのウェポンベイから投下された1000ポンドのLJADAMであるGBU-55(V)によって開幕した。


短波レーダー基地は非常に大きく多数に設置されているので電子、電源設備、通信施設を空爆して破壊することで無力化した。

一方のVHFレーダーはレーダー自体を空爆で破壊して無力化する。


その頃、アメリカ空軍のB-52ストラトフォートレス爆撃機とB-1ランサー爆撃機の編隊がミャウシア沿岸の海上からAGM-86巡航ミサイルを多数発射し、ミサイルの群れがミャウシアの内陸部に向けて低空飛行しながら飛んでいった。

爆撃機の編隊は武装変更して再出撃するために基地向けて帰投する。


一方、B-2スピリット ステルス爆撃機とF-35C 艦上ステルス戦闘機からなる爆撃機部隊は海岸線を越えて内陸に侵入するとミャウシア連邦の首都ニーチアの上空まで到達した。

極めて高度なステルス機体だけで編成されていることと目標直前まで夜空の高度1万メートルを飛行していたことから誰一人、爆撃編隊が接近していることに気づく者はいなかった。



ミャウシア連邦首都ニーチア


「何?北岸のレーダーが次々やられている?敵がどこにいるかわからんだと?!」


反政府軍の頭領であるタルル将軍が電話越しに受ける報告にかっかしていた。

そこへニー参謀総長が入室する。


「将軍。敵の総攻撃が始まった考えられます。この建物も攻撃対象になっているやもしれないので地下司令部への移動をお願いします」


「そんなはずは...」


そうこう言っている間に首都への空爆が始まった。

巡航ミサイルが首都郊外の通信施設や送電設備、軍事施設に次々と命中し始めた。

あまり灯火管制されてない都市を照らすように火の玉がいくつも出現する。

攻撃が始まってすぐに大規模な停電が発生して首都は真っ暗となった。


タルル将軍はそれを見た後、ニーを睨みつけて最小の持ち物を持って移動を始めた。

ニーは目を瞑りながらタルル将軍が自分の前を横切るの待ち、その後ろに付くと護衛の兵達と共に部屋を後にした。

地下壕に移った直後、陸軍省の施設の一部も吹き飛び始めた。


B-2爆撃機からレーザー誘導爆弾が順々に投下される。

それをF-35Cがレーザー照準して誘導する。

爆弾は市街地内の指令センターにあたる主要な軍事施設に次々命中して暗闇を一瞬照らすように爆発する。


爆撃は短時間で終わったので高射砲による砲撃が始まる前には爆撃部隊は射程圏外へと離脱した。

どうやら事前の情報通り、首都に中長距離地対空ミサイルは配置されていなかったようだ。

オサー地対空ミサイルはいたようだが迎撃態勢が整った頃にはF-35Cに搭載されたASQ-239のジャミングによってレーダーがマヒしていた。


首都空爆が行われた頃、爆撃機から投射された巡航ミサイルがアルーム平原周辺域の鉄道橋などの主要なインフラ設備や平原に展開している軍集団や軍の司令部や中枢と考えられる施設に突入して爆発する。

水力発電が主力であるミャウシアの発電所への攻撃は諸問題のため攻撃対象から外されていた。

反政府軍の統制機能や輸送能力、索敵能力が少しずつ低下していく。



アルーム平原沿岸上空


首都空爆と巡航ミサイル攻撃で指揮系統に混乱が生じている中、アメリカ海軍航空隊は敵防空網制圧任務を開始した。


アルーム沿岸域に長距離地対空ミサイルが配置されていないのは今までの定時的な空爆でわかっている。

だが更に数十km内陸に潜んでいるのは確実視されていた。


まず、ヨーロッパから飛んできたF-15Eストライクイーグル、F-16Cファイティングファルコンが沿岸上空でADM-160 MALDという囮ミサイルが放出した。

残りのF-15E、F-16C、タイフーン、ラファールは沿岸の反政府軍の歩兵部隊が集まっている塹壕に対して持てる爆弾をすべて投下して帰投する。

これは防空網によって内陸に侵入できないこととトーチカや砲撃陣地の類はB-52の定時爆撃でほとんど破壊されていたため、上陸の邪魔となる沿岸配備の敵歩兵殺傷しか重要な任務がないのが理由だ。


赤外線カメラが捉えた塹壕内の白い複数の点や小規模な弾薬庫にレーザー誘導爆弾が命中してまぶしい爆煙に包まれて白飛びする映像が戦闘機のコンソールに映る。

地上側の塹壕内は地獄絵図となった。


そうした空軍部隊の空爆が行われている最中、アメリカ海軍航空隊のSEAD部隊は海岸を越えて内陸へと侵入する。


F-35Cで編成された先行部隊がステルス性能を生かして被発見を避けつつ、囮ミサイルも駆使して敵のレーダー波を探す。

だが、ここからNATOの航空作戦が狂い始めた。


敵のレーダー波がなかなか見つからないのだ。

いないのかと思えば急にレーダー波を逆探知し、短時間でレーダー波が途切れる。

そして、しばらくすると全く別の方角からレーダー波を短時間逆探知した。

デコイとして放出した囮ミサイルを積極的に追尾する様子も見られなかった。


この報告に、部隊を管轄する指揮所の指揮官たちは敵が防空システムの位置を隠匿するためにレーダーをできる限り起動させない方針を取っているものと推察する。

索敵能力を多少落としてでも位置を特定されにくくしているのだ。

また、ここまで用心深いと防空部隊はかなり頻繁に所在を変えてくるはずだと思われる。

囮ミサイルを追尾してこなかったのも対象を識別する訓練を受けていて、釣られる可能性が非常に低いことを示唆していた。

強大な敵航空戦力と対峙する場合の戦術を敵の防空砲兵が順守しているのが見て取れる。

アメリカ軍側は一度の攻撃で防空網に大打撃を与えるのは困難だと自覚する。


SEADが上手くいかない中、F-35Cの後から内陸に入ったEA-18G電子戦機が捜索用レーダーを逆探知し、直後に追尾レーダーの照射を受けた。

レーダー照射したのは9K37ブークだったようで9M317ミサイルが発射された。


EA-18Gのパイロットは搭載されたAN/ALQ-99戦術妨害装置によるジャミングを開始する。

この作戦のためにECCM信号を最新のものにバージョンアップし、S-300長距離地対空ミサイルや9K37ブーク 中距離地対空ミサイルに対してより効果を発揮できるようにしてあった。

EA-18Gのパイロットはレーダー照射とは反対の方向に変針して降下しながらAN/ALE-47からチャフを放出した。


母機であるBuk-TELARが前にも増して強力なECMによって目標を一時的に見失い、照準が外れたことから9M317ミサイルはEA-18Gに命中することなく迷走した。


SEAD部隊は態勢を立て直してブークがいると思われる地点をF-35Cの前方監視型赤外線装置であるAN/AAQ-40を用いて20~30kmの距離から索敵したものの、ブークの母機や司令車両は雑木林や集落の死角に移動し射界も変えた後だったので発見することはできなかった。


ここまで徹底した防空技能を発揮されるとアメリカ軍としても苦戦は免れない。

なんせ潜んでいるだけでその空域の航空優勢の確保を失敗させ、NATO軍の接近を拒否し続けることができるからだ。

全く成果を出せないまま作戦時間をオーバーした海軍航空隊のSEAD部隊は燃料を見て空母へと帰投する。


もちろんこのまま敵を野放しにする訳ではなく、より入念なキラーハントを要求されただけだ。

NATOは敵防空網制圧に苦戦することになったため、一部航空作戦の縮小を余儀なくされる。


パパっと書いたから脱字とか前後がアレかもなんでたぶん書き直すかも。

すいません。


ナナオウギにこういうのやらせたいなと考え中

https://www.youtube.com/watch?v=9MoREEHCkdE

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