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WonderfulWorld  作者: れーや
第零話「創世神」
3/41

其の参


電波な人は夢じゃなかった。今のは狐に化かされたようだ。

「鬱だ死のう・・・」

「わー待て待て早まらないの」

鬱だ・・・。

君は世界を殺す為だけに生まれた、とか言われたのだ。

しかも知らない人から、大真面目な顔で。

「説明が足りなかったかな。君は私の兄さんに創られた人間だ」

「は・・・?」

意味が分からない。まずは落ち着け。落ち着いて深呼吸。


この人の言っている事を頭の中でまとめよう。

私は、世界を壊す為に、

この人のお兄さん(神とか言ってた)に、

創られた。

「信じられるわけないでしょう?!」

「そりゃそうだ。普通信じられるわけない。でも真実」

誰がそんな言葉・・・!!

私の鬱な感情は、怒りへと変わった。


「この!」

腰にあった護身用の自分の銃を構え、少し間をとって発砲。

「やれやれ。物騒な」

確かに当てた。間違いない。だけど、余裕そうに椅子に座っている。

「んなっ!?」

取り乱し、まわりを気にせず乱射。早く倒れろよ・・・!

2発、3発、4発、5発。6発目。死なない倒れない血すら出ない!

弾切れだリロードしなきゃ!


代わりの弾丸を詰め込もうと手をポケットに突っ込む。

そして手をポケットから出した時、急に手を掴まれた。

「人の前で乱射しないの。迷惑でしょ?」

そんな馬鹿な!3メートルは離れていたハズだ。

さっきまでそいつが座っていた場所を確認する。いない・・・?


「来ないでよ・・・あなたが強いのはよく分かったから・・・」

「そういう訳にもいかないの。酒飲みながらでいいから話聞いてってば」

誰が聞くものか私は人間だ創られてなんかいない人から生まれた人の子だ!

「想像してたけど予想以上ね。困った困った。まあ席に座って」

とりあえず席に座る。

私はまだ子供なので、ジュースを飲みながから抗議する。

「私は人の子だ!」

――ハズレ。俺が創った。

「私は人間だ!」

――50点。創られた者は人間とは言わない。

そこで違和感に気付いた。自分が目の前の電波人以外と会話している事に。

「あなたは誰・・・?」

――創世神。穢れた世界を作った出来損ない。

――そして君は、その出来損ないに創られた人。


「証拠を・・・見せてよ」

出せる訳がない。嘘に決まってる。

「うーんそうねえ。あなたの記憶を生まれた時から全て語ってあげようかしら?」

またお前か。もう消えてよ・・・。

「ふふ、残念でした。私には小さい頃の記憶がないのです」

嘘だ。

「嘘付かないの。小さい時からちゃんと創ったわよ、あなたの記憶は」

バレた。まだだ。怯んではいけない。酒を少し飲んでから、

「私のプロフィール、言ってみなさいよ。なんでもいいから」

実は心を読まれてるんだろう。これなら分かるまい。

「じゃあ体重から」

「やめて!それだけはっ!」

なんてヤツだ。人の弱みに付け込むなんて。

「仕方ないなー。じゃあ小学校の運動会のときー」

「わー!ストップ!分かった!分かったから!」


――話はまとまったみたいだな。

「まとまってないっ!」


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