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プロローグ 日常の終わり、戦いの夜明け。
――体中がアツい。
いやこれはアツいと言うよりも痛い、痛いと言うよりもアツい。
なんとも形容し難い自身の置かれている状況に、困惑する余裕など無い。
喉が焼ける、とにかく乾く。
水分という水分が蒸発しそうだ、血が沸騰してる、アツイ。
それでも今はこの死ぬほど辛い状態を耐えなきゃならない。
「――ってやる」
今にも渇き切りそうな喉で、精一杯、声を出した。
「俺が絶対に、守ってやる——」
次の瞬間、ボッ、という音と共に、俺――『緋竜エンザ』の全身が炎に包まれた。