プロローグ
リアル――
その全てが
透明に輝き、そして、
どす黒くも濁って、
目の前に横たわる――あたしの現実
これは、アイドル七瀬リオが告白する
―10代の軌跡―
あたしが誰かなんて、そんなことどうでもいいじゃない。
あたしの本名なんて、たぶん誰も知らないと思うし。
たとえ、知ってるひとがいたとしても、教えたくもないから。
あたしは、あたしであって、でも、あたしではないの。
じゃあ、誰なのかって?
七瀬リオって、知ってる?
一応、人気はあったから。
知ってるひとは、知ってるかもね。
七瀬リオは、15歳でデビューして、
たった数年で芸能界を去った、伝説のアイドルとして、
今も、語りつがれてたりするみたいだけど。
伝説のアイドルなんて言われてる裏側に、本当は何があったのか。
ねぇ、知りたくない?
別に知らなくてもいいって思うなら、もうこれ以上はページをめくらなければいい。
アイドルなんていう光り輝いてた裏側で、一体どんなことがあったのかなんて、たいして知る必要なんてないのかもしれないし。
夢は、夢のままであった方がいいのかもしれないしね。
夢じゃなく、あたしのありのままの現実を、
七瀬リオの真実を知りたいひとだけに、
ここから先は、読んでほしいと思う。
これは、まだあたしがただの高校生だった15歳の時から始まる、七瀬リオっていう元アイドルの、物語ーー