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亀が空を飛ぶ方法 (第二作)  作者: 比呂よし
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持てない年頃

5. 持てない年頃


 今とは時代も人の意識も違ったし、年齢による社会の人口構成も異なる。大手は無論の事、中小・零細企業であっても、四十過ぎという年齢が仇となり、求人の数が殆ど無い。年齢による門前払いを理不尽に思ったが、謙虚に考えて見れば浅はかなのはこっちで、採用側からすれば非行少年みたいに「難しいお年頃」なのだ。 


先ず大抵が家族持ちだから、こっちにすればペエペエの給料という訳には行かない。それなりの家賃を払っていたり、持ち家なら家のローンがある。爆食いのガキ達が脛に噛り付いている。他方で会社側にすれば、それだけの給与を払うなら見合う仕事をして貰いたいと考えるが、どこの馬の骨だか判らない新参者に、重要なポストをいきなり任せる訳には行かない。当たり前である。


 因みに:それなら、四十で独身なら会社は安く使えて良いかというと、これが尚いけない。その歳になるまで結婚さえ出来ないほど「甲斐性無し」と見られるからだ。「能力に問題あり」と、会社の人事部は色眼鏡で見る。


 経営者となって面接する立場になった今の目で眺めると、これが「当り」のケースが多い。四十以上にして独身者は家族を養う責任が無いから、歳の割りに「根性無し」が多いのは確か。差別的言い方と言われるかも知れないが、実際の経営者目線の経験値である: ちょっと厳しくしごいたり、きつく叱ると、直ぐに「辞めさせて貰いまっさ」と来る。


 が、蔵が立つほどの金が有る訳でなし、乗っているのは精々懐具合に見合った中古車。困難から直ぐ逃げるくせに、プライドだけがヘンに高い。そんな経営者泣かせを多く見ているから、人事部の目は確かって訳だ。出世したけりゃ、男は四十までに結婚し給え。


☆教訓③: 中年男とは、若い女からだけでなく企業にも嫌われて、自分がもてないのをつくづく噛み締めるお年頃である。



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