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光の精霊  作者: 梅木蒲生
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 葬式というのは、名目上は単純な作業に過ぎないが、あまた存在する従者から損愛しないように適当に二人を選び出して、グリフィルドの丘に登る間にも、ミレの小さな町に遺された者たちの鋭い視線を背中に受け続けるというのは、磔にされたり首を吊るされたりする程に胃が痛む行事だった。それは祭礼でもあった。丘の麓には三人の「世捨て人」である老婆がいまだ住んでいて、地を這うように蠢きながらワイバーンの死体を袋に詰める作業を永遠やたらと繰り返しているのだった。彼らは「世捨て人」の他にも様々な蔑称を祖先代々に受け継ぎ、微禄を現代の王ミル・ジェニ・フォトから賜るのに満足するか満足しないか、まるでスフィンクスという神話上の怪物みたく、丘を登ろうとするものの誰にも一つの難題をふっかけては立処に困惑させてしまうのが得意だったのだ。彼女らは執念深さに似た執拗さで有名だったので、私は細心の注意を払って彼らが寝静まる真昼に山道を行くことにきめたのだが―従者の一人が途中の吊り橋で、「よく鍛えられた矢のように速く、女の執念のように底がなく、とてつもなく恐ろしい河」と呼ばれるある河に墜落してしまったので―彼を探す冒険を終えた頃にはすっかり日が暮れ、そのまま私はあの忌まわしき三人の「世捨て人」に姿を見られてしまったのだ。いよいよ、私たち一行は、彼女の恐ろしい難題に食べられてしまい、この空恐ろしい丘のなかで生涯を閉じてしまうほどに彷徨ってしまう運命から逃れられないように思われた。

寡作(途切れ途切れ)の予定。

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