オレン・フィーレントとミカーシャ・フィーレントの舞踏会
3月25日:題名の その1 を消去
リトレイアさんが師匠になってから2ヶ月が経った。リトレイア師匠のお陰でハングハードン時代では比べ物のならない位に上達した。まぁ、同世代の魔法使いに比べたらまだまだ叶わないけど。
騎士団さん達の団長であるハンドレックさんと剣技を交じ合うこともできた。ハンドレックさんからはお世辞ありきでもセンスがあると言ってくれたのはとっても嬉しかった。
そして今日はハングバードンの名の時から苦痛だった舞踏会に行かなければならない。
(ミカーシャも今日は大変なんだろうな。多分、俺も込みだろうけださ)
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今日は舞踏会に行く。その為に俺はタキシードを。ミカーシャはドレスを来ていかなくてはならない。2人とも着飾った服装が苦手で何時もはラフな格好が多いせいか皆から似合ってないと言われてしまった。
(ミカーシャに嫁ぐ前のイメージだったらこんな暖かい予想はしてなかったな。もう少しギクシャクでもしてるかと思ったよ。まぁ、その方が俺は楽なんだけどね)
そんで、俺の目の前には生気を失ったようなミカーシャがいた。
「負のオーラが体からにじみ出てるぞ。嫌でもこれから舞踏会に行かなきゃ何だから」
「舞踏会は本当に苦手てなんです……。踊りも練習したって上手くいかないし……」
「どうにかしてその負のオーラだけでもどうにか出来ないか?」
「……。じゃあ、舞踏会の時に肩身離さず私の近くにいてくれませんか?」
「絶対にとは言えないけどいてあげるから」
「本当ですか!?」
何とかミカーシャの負のオーラもなくなったかな。別に言われなくても一緒にいるつもりだったんだけどね。
(そう言えばリトレイア師匠も俺がいるからって30年振りに舞踏会に来るとか言ってたっけ。リトレイア師匠を見てビックリしないといいけどな。あの服以外に服って持ってんのかな?)
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さて、ついに舞踏会にやって参りました。そこには、着飾った服装や髪をした上流貴族や王族がチラホラといますよ。
(確かにミカーシャがイヤというものわかる。俺が知っていた舞踏会とは桁が違い過ぎて笑いが心の中で止まんねーよ)
隣のミカーシャは俺から手を離させまいとグッと力を込めている。別に逃げたりするつもりはないんだけどな。
これからミカーシャは第五王女としてご挨拶をしに行かなければいけない。ミカーシャに懇願されてしまって仕方なく俺も付いていっている。
ご挨拶をしていると顔には出さないが雰囲気で相手に対して嫌疑の雰囲気を漂よわせている。どんな、イヤなことをされたんだか……。
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ミカーシャのご挨拶も終わって今はゆっくりできている。ミカーシャの顔に疲労困憊って書いてあるのが何となくわかる。
「お疲れ、ミカーシャ」
「私にしてみれば上出来でした。これもオレン様が居てくれたおかげです」
「俺は傍に頂けだよ」
そんな会話をしていると何処からか歓声が湧いた。
「どうしたのかな?」
「師匠が来たんだな」
「オレン様に師匠様がいらっしゃるのですか?」
「まずは、あそこまで行こう」
歓声が湧いていたところに行くとそこには俺の師匠であるリトレイア師匠と王様がいた。
「まさか、私の代で舞踏会に来てくれるとは思いませんでした」
「私は弟子の晴れ姿を見に来ただけだよ」
「リトレイア様は弟子をとったのですか?」
「あぁ。私も超えるほどの可能性を持った者がな」
「まさか……。リトレイア様を超える者がいたのですか……」
「私の近くにいるな。これがお披露目と思って来なさい」
(あの最強の魔術師と言われたリトレイア様を越える弟子がココにいるだと……)
リトレイア様の隣にいた者は私の予想とは遥かに違う者だった。
「俺がリトレイア師匠の弟子に当たるオレン・フィーレントだ。ミカーシャ・フィーレントの夫にもなる。弟子である事に変わりはないが俺は平凡以下の魔術師だ。そこの所は勘違いしないように」
王様は愕然とした。目の前にいるのは自分の娘の夫だったのだから……。