自殺願望少女の想っていること
自分の未来の予想図を書きましょう
私は決まってこう書きます。
『16歳。高校生活に浸っています』
『17歳からバイトを始めてお金を貯めます』
『18歳。バイトをしています』
『19歳。一人暮らしを始めます。12月になったらバイトをやめます。
携帯とノート一冊とペン一本以外売れるものは全て1月までに売ります。』
『20歳。成人式までに大量の白ユリの花を購入します。そして成人式の日に死にます』
これが私の五年間未来予想図です。
いえ、これが私の将来の夢なのです。
私の名前は原 実久。
黒髪のミディアムです。
そして中学3年生。
なかなか進路に迷う受験生です。
将来就きたい職業が希望できる高校なんてありません。
私の夢を叶えてくれる高校なんてありません。
私を笑顔で殺してくれる高校なんてありません。
だから私は適当に進路を決め、一番近い高校へ向かうことにしました。
しかし親は文句をいいます。
「やりたいことは無いのか? こんな学校行ってなんになる、ここで何学びたいんだ。近いだけの理由で行くなら行かなくていい! そこらへんでバイトでもするか、就職した方が数倍マシだ」
「.........」
私はだんまりです。
普通なら親がいうようにやりたいことが出来る高校へ行くでしょうが、私は違います。
高校なんて行かなくても、就職しなくても叶えられる夢なのですから。
しかし高校というものには挑戦しておきます。
何故なら私の未来予想図の16歳は高校生活に浸っていたのですから
しかしそんなこと親には言えません。
私はだんまりです。
「何を学びたいのかって聞いているんだ!」
別に学びたいわけではないですよ。
言葉にしないと伝わらないから人間はとても面倒です。
鳥は言葉にせずとも『一緒に子作りしよ』という気持ちを体で表現するというのに...
...それからもずっと親は私に文句を言います。
二人きりになると、文句をまた言い続けます
自分の娘が選んだ進路になぜそこまで不満なのでしょうか?
確実に入れる近い高校は嬉しくないのでしょうか?
それが親なのでしょうか?
私には理解出来ないことです。
そしてなぜか親は12月から私を塾へ行かせることにしました。
何故でしょう?
私の学力に心配があるのでしょうか?
しかし行くことになってしまったのですから行きましょう。
受験日がやってきました。
正直あまり埋まりませんでした。
塾の成果はわかりません。行ってなかったらの結果はわからないのですから
明日は面接です。
店の定員に話しかけるのに1時間以上かかるようなコミュ症の私からしたら面接は超難関度が高いです...
‐面接‐
「中学校三年間で何か変わったことはありましたか? 自分のこういうところが変化した、とか」
「...挑戦的になったところです」
「えー、その挑戦的になったきっかけ。挑戦的になったと感じたのはなぜですか?」
「......えと、私は中学一年生の頃、全く会話も出来ないほどコミュニケーションが衰えていたり、どんなことに対しても挑戦することをやめていました。ですが、中二になって色々と実行委員をやるようになり。中3では担任の先生にいろいろなことを誘われ、挑戦的になったのがきっかけです。」
理由にならないような理由を適当に埋め尽くす。
このあとも面接は結構長く続きました。
まさか一番最初に変化のことを聞かれるとは思っていなく、私自信凄く驚いています。
挑戦的になった。というのは嘘ではありません。
本当のことを言いました。
しかし周りからみたらそうでは無いでしょう。
私は挑戦的ですよ? 将来の夢にも。
合格発表の日です。
私は合格しました。
親は喜ぶのでしょうか?
...意外にも親は喜びました。
合格おめでとうのケーキをもらいました
しかし、最悪なことに...
私は小学三年生~中学三年生になるまで、空手をやっていました。
親は16歳になるまで、あと1年だけ空手をやって『本当の』黒帯になろう。
と提案します。
私は空手をやめるのと同時に武道はもう一生やらないことを決意したのです。
それには黙っていられませんでした。
しかし親は許しません
「明日空手に行くからな! 準備しとけよ」
「...やだ」
「やだじゃねぇんだよ、行くんだよ」
「やだ! もう空手はやらない! 一日も一時間も一分も!」
「行くんだよ!!! お前はなにやってもダメなんだから! なんにも続けられないんだから! せめて空手は最後まで続けろ!」
何を言っているのでしょうかこの親は。
私が学校で何をしてきたのかも知らない。
私の将来の夢も知らない。
何も知らない親はまるで全てを知ったように言います。
私だって最後までやり遂げたことはいくつもあります。
それを知らない親はああ言いました。
さすがに殺意が湧きます。
お前は私の何を知っているんだ、と。
「空手続けたってなんにもならないじゃん!? 資格なんて高校でいくらでもとれるよ!!」
「どうせ取れないよ!! こっちの方が確実だろうが!! 一つくらいは俺のいうことを聞け!」
「はああ!!!?」
私は頭をガリガリと掻き回します。
親の言っている意味がわかりません。
ロクに親と喧嘩なんて出来ないので言葉を探すのが精一杯で気持ちは全て伝えられません。
これでいいのだろうか?
いいえ、いいはずがありません。
空手なんてやっていたら私は何もできません。
というより何もしません。
やりたくないことをやらせようとするなんて頭がおかしいです。
やりたいことをやらせようとした進路のときの発言はどこへいったのでしょうか?
意味がわかりません。
死にたい。
そう心の中で呟いた。
やっぱり死にたいという感情は素晴らしいです。
死ぬことは私の将来の夢です。
全て描きましょう。
全てここに残しましょう。
全て消し去るくらいの勢いで死にましょう。
私はノートを開きペンで将来の夢を具体的に書きました。
夢のつまったノートです。
誰にも邪魔はさせません...
私の戦いはあと五年続く...
「はあ...なんでこんなことになったんだっけ?」
小説じゃなくね?
と、いうような感じの小説です。
少し意味がわからないかもしれません。
申し訳ないです...