#2 隠されざる能力
作品No,2です。
(いきなりだった。なぜ小寺は話しかけてきてくれたんだろう。)
空太は昨日、七海と帰った事で自分が「何だかわからない」の一色になっていることに疑問を感じていた。
それも無理はない。こんな気持ちは初めてだったからだ・・・。
ハッ!っと気が付いた。夢だった。空太は自分の部屋においてあるめざまし時計を見た。
空太は寝ボケていた。そのため自分のめざまし時計に日付が表示されているとでも思ったのかしばらく時計を見ていた。
「あれ?あっそうだ。」日付なんて表示されていなかったことに気づいた。
そして空太は急いで着替えてリビングへ向かった。
ダンダンダン・・・。
空太は今までこんなに速く階段を下りたことがないくらい速く階段を下りた。
寝ボケた空太はまっしぐらに時計の元へ向かった。
「空太、おはよう。」ちょうど空太を起こしに階段へむかっていた母の声だった。
「おはよう、母さん。」早口な空太。
「どうしたのそんなに急いで。」
「いや、ちょっと・・・。」
時計の目の前にきた!
「今日は・・・4月・・・15日。」
(あれ、おかしい・・・。)
それもそのはず、空太が七海としゃべったのは4月15日以降だ。
今日は4月15日。あれは何だったのだろうか。
このとき空太は自分の秘めていた恐るべき能力に気づかなかった。
それは・・・「未来予知能力」である。
空太が見た夢はその能力が反映されたものである。
いつも通りひとりで登校している空太。夢で見た七海の姿を探しながら歩いていた。
ここでドジを発動。ゴツッ。
「痛てっ!!」辺りをチラチラ見ていたせいで何かにぶつかったのである。
「もう何だよ!」前を見る空太。
「あっ!」七海だった。七海の小さな背中にぶつかった。
「あっ!大丈夫!ごめんね。」
「いいえ、前をちゃんと見ていなかった僕が悪いんです。」
「ホント、ごめんね。」
「あれ、君って同じクラスの・・・。」
「御神空太です。」
「ああー、御神くんだ。私は小寺七海。よろしくね!」
「こちらこそ、よろしくお願いします。小寺さん。」
「じゃあ、私先行くね。」
空太は夢ではこんなことにはなっていなかったので頭がまっしろになっていた。
その日も一人で過ごし、一人で昼食を食べていた。
しかし、今後のことを知っていた空太は、七海の事をずっと気にしていた。
学校が終わり一人で帰る。家についてしまった。
結局何も起こらなかった。空太は気を落としそのままベットについた。
ありがとうございました。