第6話 新しい居場所を見つけた日
この職場で俺は俺らしく生活できている。クボジイは俺を女だと見破ったが、だからと言ってどうってこともない。
「お前さぁ、前に女子プロで野球してただろ?」
「はい……」
「つまんなそーな顔してたなぁ」
つまんなかったからな。
「ここに来てからは生き生きしてていいんじゃないか?」
ゆうが最近生き生き生活しているのが凄く嬉しい!野球してたときは人生つまんなそーな顔してたから良かった。
私は今もユーチューバー。ゆうの肌を使いたいと思っても「犬が匂いに敏感だから、化粧とかダメなんだ」って断られちゃう。
残念だけど、それだけドッグトレーナーにはまってるんだよね。よかったぁ。肌なら私のだってあるし。ゆうよりも結果が出るのが遅いけど、通常になったってことで。
家でも(本当はダメなんだろうけど)、「その駄犬がさぁ、」とか楽しそうに話してくれるので、家族みんなでそんなゆうを応援してます。
ゆうがドッグトレーナーしてる事、配信しちゃったけど迷惑かかっちゃうかなぁ?
「佑ちゃん!俺が今どうしてるのかは言ってもいいけど、場所とかはダメだからな!」
って言われてたけど…。
「おい、赤神!お前の兄弟、姉か?がお前がドッグトレーナーやってるってUtubeで配信したみたいだな。お前を指名して、トレーナーしてほしいって依頼が今朝から多くてなぁ。お前はまだ半人前だから断ってるぞ」
犬のためにそれがいいと思う。
俺は犬のためにトレーナーして全力を尽くす!まだ半人前だけど。・・・まだ半人前なんだよなぁ。
「一人前になるまでどのくらいかかりますか?」
「平均2・3年かなぁ?そいつのやる気次第だけど」
「俺は猛烈にやる気あるんで1年で1人前になってみせるー!」
俺はそれからというもの、訓練場では人一倍動き回り、家では座学をひたすらに読み込んだ。
結果、有言実行1年で1人前になりました。
「今後、お前はどうするんだ?」
「トレーナーして活動したいです」
「どうやって?」
「依頼を受けてですね」
「どこから?」
「あ…」
「スイマセン!ここで働かせてください‼外部から依頼があった場合は派遣されます」
「よし。お前だけに特別に絶対に誰にも言うなよ。俺は女だ」
クボジイが女?へ?俺は男の中の男だと思ってた。
「お前も人の事言えないだろう?由美香」
「本名を呼ぶのはやめてください」
「じゃあなんて?」
「‘ゆう’と呼んでください。因みに兄、性転換手術受けたんで姉は佑ちゃんです」
「ややこしいな。まあいい。これから頼んだぞ、ゆう」
「はい!センパイ‼」
大変やなぁ。




